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コルヌトピア

ハヤカワSFコンテスト

コルヌトピア

津久井五月

植物の生理機能を演算に応用する技術フロラが普及した近未来の東京を舞台に、環状緑地帯に囲まれた計算資源都市で若者たちのドラマが展開する。植物と人類の新たな共生を描くミステリーSF。

植物計算資源近未来東京ミステリーSF

作品情報

植物を計算資源に変えた東京で、人と自然の共生を描く。

第5回ハヤカワSFコンテスト大賞受賞作。人類が植物の生理機能を演算に応用する技術「フロラ」を生み出した未来の東京では、環状緑地帯が都市全体を囲み、若者たちの生活を支えている。事故調査をきっかけに始まる物語を通して、植物と人間の共生のあり方が問われる。

書籍情報

出版社
早川書房
発売日
2017-11-21
ページ数
192ページ
言語
日本語
サイズ
18.8 x 12.8 x 2.5 cm
ISBN-13
9784152097262
ISBN-10
4152097264
価格
2864 JPY
カテゴリ
本/文学・評論/文芸作品

2084年、人類が、植物の生理機能を演算に応用する技術〈フロラ〉を生み出した未来。東京は、23区全体を取り囲む環状緑地帯(グリーンベルト)によって世界でも群を抜く計算資源都市となっていた。フロラ開発設計企業に勤める青年・砂山淵彦は、多摩川中流で発生したグリーンベルトの事故調査のなかで、天才植物学者・折口鶲(おりくち・ひたき)と出逢う。首筋につける〈角〉――ウムヴェルトと呼ばれる装置を介してフロラの情報処理を脳に描出(レンダリング)する淵彦は、鶲との仕事の最中に突如意識を失ってしまう。混濁する意識の中で思い出される、藤袴嗣実(ふじばかま・つぐみ)という少年と過ごした優しき日々。未来都市に生きる三人の若者たちを通して描かれる、植物と人類の新たなる共生のヴィジョンとは? 25歳の現役東大院生による、第5回ハヤカワSFコンテスト受賞作。

レビュー

  • コルヌトピア

    ハヤカワ文庫として発行された良書です。

  • 細田守か新海誠は早くこの作品を映画にしてください

    SFとしてのアイデアなど興味深く楽しく読みましたが、何より文章からスケールの大きいビジュアルを想像させる力がすごいと思います。文字なのに圧倒的な映像体験ができちゃう作品。

  • 面白かった。

    表紙絵の雰囲気からグリーンベルトの森、公園を想像するとこの世界の東京で暮らしてみたいと思う。 でも、植物の演算速度はどうなんだろうね、後は生態系には昆虫や小動物が必須だし、 住環境としては緑化でヒートアイランド現象も和らぐと思えるのでトレードオフかな。 異端植物、ルートワーク、ウムヴェルト、フロラ等の用語も面白いし、 登場人物の名前が鳥の名前だったり植物と関連してるのも好みだな。 人が後付けのウムヴェルトで植物のデータ受信を行うとか、 人と植物の相互演算資源の奪い合いとか面白い。

  • ユニークな世界を描くこと、その一点に賭けて突き抜けた快作。

    植物生態系の情報ネットワークを計算資源として利用する技術、フロラ。巨大な緑地帯のリングに囲まれ、緑化外壁をまとう超高層建築が林立するメガロポリスへと変貌を遂げた近未来の東京。この破天荒なビジョンが、強い説得力で描かれる。そして、フロラへの感情的没入ができない主人公を視点に浮かび上がる、このユートピアに迫る危機。 主要な登場人物がそろって草食的・植物的な印象を与えるが、この作品では、それはむしろ長所だと思う。人もまた、世界の一部なのだから。

  • 著者自身がフロラ世界に浸りきって話が進まない

    東京を取り巻くグリーンベルトやフロラ(植生型情報処理システム)技術による計算資源の活用など、SF 的ガジェットは用いているが植生と都市或いは建築物との相互作用に長々とページを割いている。なかなか SF的展開が進まない。著者は読者の興味を満足させることより、自分の考案したフロラワールドに、自分自 身どっぷりと浸っていたいのではないか。読んでいて飽きてしまいました。途中投了です。 車が渋滞に引っかかってイライラし、クラクションを鳴らしたいような気持ちでした(何やってんですか ?って)。ストーリーテラーと言われている数多くの作家の文章を参考にされたらいかがですか?

  • 植物との関係性。そしてはじき出される側の思い。

    想像もつかない植物との関係性を描いた作品でした。 しかしどうしても、生体の能力的な事情でそこからはじき出されたり取り残される人間も出てくる。 そんな悲しさや辛さも感じました。

  • 理系文学

    これから求められる文学は理系文学だとは思う。そういう意味では充分、理系文学たりえる小説だった。 ただし、肝心のSFアイデアの根幹が映画「アバター」とかぶっている。植物計算機という発想はよく練られており、 随所に目を引く記述があるが、全体として映画「アバター」より小粒なのは否めない。 理系の技術者たちはこういう人たちなんだろうなあという気はするので、理系文学の追求として今後に期待したい。

  • 豊かな詩情に惹かれる

    サンプルを読んで良かったので購入。文章が美しい気分を引き出している点が好き。読後感も良かった。たくさんの読者にすすめたい。

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