オーラリメイカー
第7回ハヤカワSFコンテスト優秀賞受賞作。遠未来の銀河辺境を舞台に、知性の本質を問い直す宇宙ハードSFで、後に「虹色の蛇」を加えた完全版も刊行された。
作品情報
銀河辺境の恒星系を巡る、知性探索の宇宙SF。
2019年に早川書房から単行本として刊行され、2023年には改稿・増補を含む完全版が出た。CiNii Booksでは2019年版の書誌情報が確認でき、Google Booksや版元ドットコムでも早川書房の刊行物として案内されている。
書籍情報
- 出版社
- 早川書房
- 発売日
- 2019-11-20
- ページ数
- 304ページ
- 言語
- 日本語
- サイズ
- 18.8 x 12.8 x 2.5 cm
- ISBN-13
- 9784152098979
- ISBN-10
- 415209897X
- 価格
- 1870 JPY
- カテゴリ
- 本/文学・評論/文芸作品
第7回ハヤカワSFコンテスト優秀賞受賞作 謎の星系改造種族は、どこへ消えたのか? 若きエンジニア作家による、知性の本質に迫る宇宙ハードSF 遠い未来、人類を含む天の川銀河の知的生命体による文明群は《水-炭素生物連合》(アライアンス)を結び、人工知性の文明ネットワーク《知能流》(ストリーム)に対抗していた。 あるとき、《連合》の調査団は銀河の辺境の恒星系を調査する。この系は明らかに高い技術力を持つ文明によって改造されていた。しかし系内をいくら探してもこの恒星系を作り上げた知的生命体は発見できなかった。 調査員の一員のイーサーは、彼らが知的文明ではなくもっと別の何かなのではないかと考え、《知能流》に加入して独自に調査を続ける……宇宙に存在する知性の本質を問う宇宙ハードSF。短篇「虹色の蛇」を同時収録。
レビュー
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本当に読むことが楽しかった、ありがとうございます。
ワクワクと心躍る気持ちで読みました。 受賞作ということで小難しい話や巻末の評がありますが「なにをバカなことを」と思います。 実に素晴らしいセンス オブ ワンダーを私は感じました。SFの小説を読むというエンターテイメントの感動を久々に感じました。 著者が存命で若く、今後も著者の作品を読み続けられるという期待が持てることが私の人生に彩りを与えてくれます。 「法治の獣」を先に読みましたが、それが功を奏したのか心地よい読後感に浸っています。
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「法治の獣」がおもしろかったのでこちらも読む。
第七回 ハヤカワSFコンテスト 優秀賞 表題の優秀賞受賞作と同じ世界を描いた短編の2編。 「オーラリメイカー」:おもしろかった。 星系の構造を改造してしまうオーラリメイカーとは何者か? 「虹色の蛇」:「オーラリメイカー」より以前(関係していない)の世界だ。 こちらは「法治の獣」の一編とも思る内容。 2編とも「法治の獣」に通ずるところがあって面白かった。
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発想もすごいけど・・
スケールの大きなSFで、発想の凄さもさることながら、文章の表現力が好ましい。大きな宇宙空間を想像しながら読めた。SF初心者の自分には少し難しい言葉を調べながら読んだので、再読、再々読したい。『虹色の蛇』は光の波長や色についての説明部分もなるほど・・と楽しみながら読めた。
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宇宙的異質な知性に脳内がパニック
惑星の軌道が明らかに手が加えられた痕跡が発見される。星系そのものを設計・デザインしたもの(星系 儀製作者:オーラリメイカー)を探索に行く場面から物語がスタート。水-炭素生物系の自然知性(例えば人 類を含むエイリアン等)には、その意図も存在自体もつかめない。 惑星型生命体や知能流(ストリーム:特異点を超え意識を持ったAI融合体)や擬晶脳、神の意思・・・等 々。理解不能の宇宙的な知性/異質な知性とは一体どのような思考回路を有するのか?小説として具体的に どの様に表現するのかも読みどころ。 壮大なスケールの時空と無限にも近づいた知性との対比は、酩酊感にも似た脳内パニックを引き起こしそ う。SFでなければ表現できなかった作品です。残念なところはスタートの壮大さに比べ、終わり方がちょっ と尻つぼみだったかな。
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貴重な国産傑作ハードSF
巻末のSFコンテスト審査員のお歴々からは何やら辛口な評価がされており大賞を逃したようだが、まるで意味不明。しっかりとした国産ハードSFを書ける小説家は極めて貴重なので、「大御所」の方々には有力な新人を応援して育てるという懐の深さを見せてほしい。 というわけで、ハードSFが大好きな私としては本作は傑作。第1話で銀河系規模の壮大な物語を展開して世界観を確立し、第2話でその世界観をベースにしたミニマムな視点の短編を描いてみせる。まさにバクスターのジーリークロニクルを彷彿とさせられて、私は単純に大興奮したのだが、、、これを純粋に楽しめない審査員には「あなた方は本当にSFが好きなんですか?」と問いたくなる。。。審査員という立場上、仕方ないのかもしれないが。 今後「オーラリメイカークロニクル」として壮大な叙事詩が花開いていくことを大期待。
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ジグソーパズル?
直接的に繋がっていない短い話が並べられているという形式で非常に読みにくいというのが第一印象でした。読めば読んだだけ報酬がもらえるコンテストの審査員にならウケるんでしょうが、お金を払って読む読者としては中盤まで読み進めないと全体の絵が見えてこないという作品はちょっと重すぎるという感じです。 コンテスト用に意識してこういう形にしたという可能性もあるので次回作に期待、というところでしょうか。
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スケールの大きな宇宙ロマン
ハヤカワSFコンテストの優秀賞受賞作。中身は表題で受賞作の中編「オーラリメイカー」と短編「虹色の蛇」の二本立て。 「オーラリメイカー」は銀河系中に太陽系人類が進出し、数多の知的生命体と連合を組みつつも人工知性とはとある事件で袂を分かたれてしまっている世界で、恒星系を大胆に改造する優れた技術を見せつつも姿が見えない種族オーラリメイカーにまつわる出来事を描く話。 あらすじだと太陽系人類のイーサーが主人公のように見えるが実際は視点があちこち切り替わる群像劇。10万年とかのレベルで時代も切り替わり、舞台となる場所も宇宙のあちこちに移動する。時間的、空間的にスケールの大きな物語となっている。 SF設定は全体的に巧緻で、主題のオーラリメイカーの目的とその手法もすごくワクワクさせられ、SFの醍醐味を感じられるSFコンテストらしい良作と感じた。ただ、スケールの大きな世界を見せるためあちこち視点を飛ばしているため、主要人物が多く、個々の魅力はあまり感じなかった。ラストの結末もスケールの割には小さく纏まった感があり少し残念。有機知性、DI(作中でのAI)、オーラリメイカー、トーチ人、と主要な視点の内、有機知性とDIの部分は描ききれていない感も惜しい点。 とはいえ細かい不満点はあれど自信を持って面白いSF作品だと勧められる。 短編「虹色の蛇」はオーラリメイカーと同一世界観ながら、太陽系人一人の視点で進められるスケール的には小さな話。電荷を帯びた雲のような形態を取る生物の生態、身体改造者の感じ方など、興味深い話。 また、作中における太陽系人類の性質を少し掘り下げる面もあり、これを踏まえるとオーラリメイカーの終盤が少し腑に落ちるかも。
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