標本作家
人類滅亡後の地球で、異種族に再生された文豪たちが永遠に小説を書き続ける。文学とSFの境界を押し広げる、ハヤカワSFコンテスト大賞作。
作品情報
西暦80万2700年、人類滅亡後の地球。
人類が滅んだ未来で、再生された文豪たちが小説を書き続ける。文学そのものを主題にした、ハヤカワSFコンテスト大賞作。
書籍情報
- 出版社
- 早川書房
- 発売日
- 2023-01-24
- ページ数
- 448ページ
- 言語
- 日本語
- サイズ
- 3.3 x 13.7 x 19.4 cm
- ISBN-13
- 9784152102065
- ISBN-10
- 4152102063
- 価格
- 1900 JPY
- カテゴリ
- 本/文学・評論/文芸作品
第10回ハヤカワSFコンテスト大賞受賞作 精緻なディティールと圧巻のスケール。 SFの新たなる未来を紡ぎ出す、異色の一大巨篇! ■ストーリー 西暦80万2700年、人類滅亡後の地球。高等知的生命体「玲伎種」は人類の文化を研究するため、収容施設〈終古の人籃〉を設立。蘇生した歴史上の名だたる文豪たちに小説を執筆させていた。その代償は、不老不死の肉体を与えることと、彼らの願いを一つだけ叶えること。しかしながら、玲伎種による〈異才混淆〉の導入によって自己の作風と感情を混ぜ合わされ、数万年にわたって歪んだ共著を強いられ続けてきた作家たちは、次第にその才能を枯渇させてしまっていた。そんな現状に対して、作家と玲伎種の交渉役である〈巡稿者〉メアリ・カヴァンは、ささやかな、しかし重大な反逆を試みた—— 「やめませんか? あなたひとりで書いたほうが、良いものができると思います」 ■メディア紹介・出演 ○2023年2月10日 NHKラジオ第一「高橋源一郎の飛ぶ教室」書籍紹介・著者出演 ○2023年3月3日 「リアルサウンド ブック」著者インタビュー記事 掲載 ■書評・紹介 ○2023年1月25日 「浦和蔦屋書店の本棚」Vol.22 商品紹介 ○2023年1月31日 「基本読書」書評(冬木糸一/書評家) ○2023年2月5日 「岡本家記録」書評(岡本俊弥/書評家) ○2023年2月7日 「WEB本の雑誌」書評(牧眞司/書評家) ○2023年2月16日 日本経済新聞 夕刊 書評(小谷真理/評論家) ○2023年2月20日 『STORY BOX』2023年3月号 書評(大森望/書評家) ○2023年2月21日 『サンデー毎日』2023年3月5日号 書評(高橋源一郎/小説家) ○2023年2月24日 YouTube 香月祥宏と杉江松恋の「これって、SF?」2023年2月号・その3 書評(杉江松恋/書評家) ○2023年2月25日 『S-Fマガジン』2023年4月号 書評(香月祥宏/書評家) ○2023年2月27日 『小説推理』2023年4月号 書評(森下一仁/評論家) ○2023年2月28日 「カドブン」書評・紹介(杉江松恋/書評家) ○2023年3月9日 「リアルサウンド ブック」書評・紹介(細谷正充/文芸評論家) ○2023年4月25日 『S-Fマガジン』2023年6月号 書評(三田誠/小説家) ○2023年5月17日 『小説すばる』2023年6月号 書評(海猫沢めろん/小説家) ■選考委員から絶賛の声! 神林長平 (作家) 「自分に能力があればこういうものを書きたい」と思わせる内容だった。 小川一水 (作家) 創作の価値とは何か、なぜそれをしなければならないのか。結末の美しさは他を圧していた。 菅浩江 (作家) 冒頭から監視者がなぜ存在するのかの謎を提示し、小説家たちの新たな取り組みを匂わす。引っ張り方に隙がなかった。 塩澤快浩 (小社編集部) あらゆる設定と標本作家たちの個性が有機的に絡み、かつ語りに工夫を凝らしながら、壮大かつ私的なヴィジョンを紡ぎだすのには本当に感心した。 ■目次 ○第一章 終古の人籃 ○第二章 文人十傑 ○第三章 痛苦の質量 ○第四章 閉鎖世界の平穏 ○第五章 異才混淆 ○主要参考文献一覧 ○謝辞 ○第十回ハヤカワSFコンテスト選評
小川楽喜(おがわ・らくよし) 1978年生まれ。大阪府在住。元グループSNE所属。既刊に『百鬼夜翔 闇に濡れる獣──シェアード・ワールド・ノベルズ』など。
レビュー
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異質だが間違いなくSF作品
人類が滅びた80万年後の世界で再生された作家たちが高次元存在のために小説を執筆し続ける……という壮大な背景を下敷きに、小説とはなにか・創作とはなにか。そしてなぜ書き続けるのかを読者に問いかけるような作品。同じように「作品を作る」人間には特に響く一冊だろう。 SFという言葉から一般的に連想されるような内容の作品ではないが、間違いなく「SF」作品。 作中では10人に及ぶ架空の作家(それぞれモデルとなる作家はいるだろうが)と、彼らの架空の作品のあらすじが語られるが、それすらもそれぞれを単体で執筆・出版してほしいと思える魅力を持っている。 ハヤカワSF大賞にふさわしい作品であり作家だと思う。 今後の作品が楽しみだ。
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おもしろかった。
日本人小説家を3人ぐらいにして欲しかったです。三島さんとか谷崎さんが出ていたら、と思う。まあ、作者が1番書きたい小説を書いたという気持ちは充分伝わっています。過去3回、他の懸賞小説にトライされたとの事。ご苦労が実って、一席に入選された作品。とても面白い作品でした。本当に小説が好きな人であると分かる。入選,2作目をとても楽しみにしております。出来れば今年中に書いて貰いたいです。勿論長編を。楽しみに待ってます。
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SFを書ききるのは難しい
小説の最初の方の雰囲気はよかった 一人一人の文豪とあっていくシーンはなかなか面白い ただところどころで会話に?がついてしまう それは恐らく本作の設定が破綻していることに作者が気付いていないせいだろう 人間とはなにか、なぜ人が小説や物語をかくのか、またそのかこうという意欲の原動力は何か 哲学や科学など様々な学問をもっと学び多角的に論じないと、正しいシミュレーションはできないように思う 結果的に作者の好みの展開がだらだらと続く、浅い話になってしまった
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作家の創作意義とは/思考の広がりはSF的宇宙
●舞台背景は人類が滅びた80万年後の世界。所は「終古の人籃」と呼称される建物。ここで紡がれ る作家と巡稿者の話がメイン。一見ダイナミックな広がりが感じられず、これが大賞受賞作か?との 印象だった。 ところが開巻直後から不思議な世界に引き込まれてしまった。ファンタジーやミステリー、SF、ホ ラー、ロマンス・・・など、歴史に残る天才作家の創作活動や世に及ぼす影響、あるいは作家自身の 苦悩。思索は縦横無尽に飛翔する。突然の場面展開は、何の科学的根拠も伴わないピュア―な幻想的 な映像へと誘う・・・。SFかファンタジーかの理屈を遥かに超越した感動の奔流にさらされる。 もし、従前のハードSFを理系ハードSFとするならば、本書はその対極にある文系ハードSFと言え ないだろうか? ハードカバーでの出版に納得の大作でした。 正直な話、本書の全体像をレビューするには余りにも深淵壮大で無理。細部を切り取ろうとすれば きりがない。正確に理解し感動し、それを文字に表すには私の語彙不足以前に、知識や読解力・感受 性不足により不可能である事を再認識。でも凄い小説であるとは感じました。
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美しい文章に酔いしれる小説
最初から最後まで、とても美しい物語だった。 著者の後書きまで美しさに満ちていた。 哀愁のただよう余韻に浸りながら、何も考えずにそのまま巻末のハヤカワSFコンテスト選評に読み進んだのだが、これが大間違い。選考委員たちの生臭い選評の数々に、一気に現実に引き戻されてしまった。
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斬新ではあるが
斬新ではあるがくどすぎる。冗長。もっと簡潔でないと読めない。途中から飛ばし飛ばしにしか私には読めなかった。多分いい内容なのだろうがもう少し読みやすくしないと。そこらへんが過去の落選であったと思う。