日本の文学賞

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中陰の花

芥川龍之介賞

中陰の花

玄侑宗久

生と死のあわいを、仏教的な感覚と日常の言葉で描く中編小説。亡き人への思い、弔い、残された者の揺らぎが、静かな不思議さを帯びて立ち上がる。

仏教死生観弔い日常

作品情報

死者と生者のあいだに咲く花が、弔いの時間を照らす。

僧侶でもある作者が、死後四十九日の「中陰」という時間を背景に、人が死者とどう向き合うかを描く。宗教的主題を観念に閉じず、暮らしの手触りの中に置いた作品。

レビュー要約

  • 仏教的な死生観を日常の感触の中に置く語りが評価され、静けさの中に不思議な揺らぎが残る作品として読まれている。

書籍情報

出版社
文藝春秋
発売日
2001-08-30
ページ数
173ページ
言語
日本語
ISBN-13
9784163205007
ISBN-10
4163205004
価格
1 JPY
カテゴリ
本/文学・評論/文芸作品/日本文学

自ら予言した日に幽界へ旅立った「おがみや」ウメさん。僧侶・則道は法事を執り行いながら、妻の切実な問いに向き合おうとする。

レビュー

  • ドキドキが止まりません

    読み進めていくことがとても楽しいです。歴史の勉強にもなり一石二鳥です

  • わたしも霊に乗られたことがあります。それ以後の日々も普通です・

    はげしく感動するって訳でもないのですが、なんかイイ感じです。 霊体験もするけど、だからって劇的な何かに発展するわけでもない。 「ああ、霊ってあるんだな」と分かって日々を送る。 印象的なシーンは、水子の供養に思い至っていなかった奥さんが、ある日なみだを流したこと。 その描写が4文字だけで、それだからこそ宝石のようにきらめいていた。

  • ほー

    面白いがそれほど引き込まれなかった。

  • 命の行方や在様が納得できる一冊

    よく、私たちの命はみんなつながっているとか、 死後の世界はあるとかないとか、 感覚的にしか、また精神論で語られることについて、 ある意味答えを出してくれている本だったと思います。 エネルギー保存の法則に照らしても、 やはりそうかと思うのだけれど、 それを、理屈ではなく、お話としてきちんとわかりやすくまとめてくださっていて、 やっぱりこの作家は大した人だと思うと同時に、芥川賞に相応しい作品だったのだと 今更ながら思っています。

  • 僧侶としての葛藤

    著者のことは作家としてより福島第一原発近くのお寺の僧侶として知ることになったが 僧侶であるという身分は本書の内容は多少はタブーの域にふれるのではないかと思いながら読ませて頂いた 一人に老婆が自分の死ぬ日を予告し、まさにその通りの日に死んだかとから物語は展開し・・・ 死んだ間際の話を展開していき、それによって主人公である僧侶と妻の関係も深まっていく物語 読みやすいし大変に思しろかった

  • 単に仏教の小説らしくなく、宗教、愛、科学、宇宙が感じられる芥川賞作品

    現役僧侶が、仏教の枠にハマらず、超常現象や科学的検知、夫婦愛や母子愛などを交えて書いた芥川賞作品。壮大な宇宙も感じられ、とても興味深く、しかも読み易かった!

  • 僧侶である著者でしか描けないテーマだと思います。

    『中陰の花』は、僧侶である著者でしか描けないテーマだと思います。 「あの世」のことを人は何千年思い描いてきたでしょう。 宗教に携わる人は、それを答える立場にあります。 しかし、主人公の禅僧、則道は、自らの行為をプラクティカルであると言います。 この物語は、スピリチュアルの本家、僧侶以外の登場人物がいずれも神秘体験をしています。 則道は、それを聞いて修行中の体験を思い出し、あれもそうだったのか、と思いますが、普通の人たちよりも僧侶がプラクティカルという一見逆転したような世界観があり、いや待てよ、本当にそうかと振り返り振り返り読み進んでいきました。 日本では仏教を葬式仏教等と揶揄したりします。 釈尊の教えは、科学文明の前に文化的儀式になりかかっていたように見えましたが、近年仏教は本来の姿を取り戻そうとしている気配を感じています。 僧侶という釈尊の教えを最も強く学んだ人たちとそれ以外の人たち。 宗教とは、どういうものなのか、どこにあるのか、この物語で探そうとされたのではないかと感じています。

  • 子をあやめ、子をなくしたかたに

    現実から死への過程、恐怖、朽(ク)ちていくものへ 静かな禅の世界を期待していたのに、 祈祷師が軸となってしまった世界観、 一字一句凝った言葉、 失望しました。

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