日本の文学賞

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インシテミル

大学読書人大賞

インシテミル

米澤穂信

『インシテミル』は、高額報酬に誘われて閉鎖空間の実験に参加した男女が、互いを疑いながら殺人ゲームに巻き込まれていくミステリ長編。古典本格の趣向を思わせる小道具とルールを配し、極限状況で人間の判断が揺らぐ様子を描く。

本格ミステリ閉鎖空間心理戦サバイバル

作品情報

密室、報酬、疑心暗鬼。実験施設の中で、参加者たちの理性が試される。

時給の高さに惹かれて集まった参加者たちは、地下施設での心理実験に参加するはずだった。しかし個室に置かれた凶器、監視、独自のルールが、彼らを殺人と推理のゲームへ追い込んでいく。文藝春秋の単行本として刊行確認できる。

レビュー要約

  • クローズドサークルの仕掛けや古典ミステリへの目配りを楽しむ読者が多い。登場人物の行動には好みが分かれるが、疑心暗鬼が加速する構成と読みやすさが評価されている。

書籍情報

出版社
文藝春秋
発売日
2007-08-30
ページ数
447ページ
言語
日本語
ISBN-13
9784163246901
ISBN-10
4163246908
価格
1584 JPY
カテゴリ
本/文学・評論

バイト雑誌を立ち読みしていたビンボー大学生・結城は、ひとりの少女から声をかけられて……。この夏、鮮烈なミステリーがはじまる

レビュー

  • 密室×心理戦×ゲーム要素、知的スリル満点のエンタメ小説

    一度読み始めたら止まらない、緻密に設計された心理サスペンスでした。14人の参加者が高額報酬を目的に謎の実験施設へ集められるという設定は、ややSF的でありながら現実味もあり、読者を一気に物語の中に引き込みます。舞台となる「監視下の密室」という環境が、登場人物たちの心を少しずつ壊していく過程が非常にリアルに描かれており、ページをめくるたびに緊張感が高まっていきます。 推理要素と心理戦のバランスが絶妙で、単なる“誰が犯人か”というミステリーにとどまらず、人間の本性や倫理観を問いかけるような深みもあります。米澤穂信作品らしく、論理的な構成と静かな筆致が光り、最後まで読者を裏切らない緻密な結末に感心しました。 また、登場人物たちの思考や動機が丁寧に描かれており、「自分ならどうするか」と何度も考えさせられます。閉鎖空間で生まれる不信と恐怖、そしてそれを観察する側の存在――この構図が本作を一段と印象的なものにしています。読み終えたあとも余韻が長く残る、知的で刺激的なサスペンスです。

  • 中盤以降、予想外の展開に翻弄されたミステリ。終盤のひねり技なんて、目が点ですわ。

    アガサ・クリスティーの名作『そして誰もいなくなった』の趣向をなぞりつつ、著者ならではの工夫とひねり技を加味したミステリ。 「もっと枝葉を刈り込んで、分量を減らしても良かったのでは」とも思いましたが、予想の斜め上を行く展開にはぞくぞくさせられたし、面白かったです。 なかでも、文庫本では300頁のところ、「Day 5」の章の〈 2 〉。その手前辺りで「おっ!」と意表を突かれて、そこからは前のめりになって頁をめくっていきました。 クローズド・サークルである〈暗鬼館(あんきかん)〉に、謎めいた実験のモニターとして参加するのは12人。登場人物の名前を記しておきます。 結城理久彦(ゆうき りくひこ) 須和名祥子(すわな しょうこ) 大迫雄大(おおさこ ゆうだい) 若菜恋花(わかな れんか) 釜瀬丈(かませ じょう) 西野岳(にしの がく) 岩井壮助(いわい そうすけ) 箱島雪人(はこしま ゆきと) 真木峰夫(まき みねお) 関水美夜(せきみず みや) 安東吉也(あんどう よしや) 渕佐和子(ふち さわこ) 話の最終盤。犯人の狙いというか、●●が並ぶその意味っていうのは全くノーマークだったので、「えっ。なんなん?」と、あっけにとられるしかなかったです。 あとひとつ、気になったんは、本篇のラストに〝予告篇〟みたく出てくる、ある人物からの【〈明鏡島〉実験へのお誘い】の手紙。 この実験の顛末(てんまつ)は、どうなったのか。どこかで読むことができるのか。 かなうものなら、いつか読んでみたいな。

  • ○○館の殺人系推理ミステリー

    館殺人系ミステリーの典型のような作品 珍妙な館に集められ、連続殺人、犯人捜し、というおなじみのパターン。 ゲームみたいな設定ゆえ話に深みはありませんが、気軽に読むにはいいかな

  • 面白いが、問題点も多数含む

    米澤穂信が好きで、何回も読んでいるのですが、これは闇バイトものですね。時給が高い仕事に応募した主人公が、暗鬼館という施設に閉じ込められ、1週間殺し合い?をさせられる、という話です(主人公は殺しませんが)。殺人が起こるたび、犯人がだれか?など議論していき、最終的に数名が生き残ります。 ここから少しネタバレを含みますが、最後主人公が、多くの殺人を犯した犯人にお金を与えて終わる、というのは、少し?(もしかしたら大きな)問題ではないか?と思います。悪者がいっぱい殺して、いっぱいお金をもらって終わる話というのは、やはり問題です。この場所では人を殺してもいい、という法律があるはずもないので、普通に殺人犯として捕まります(お金がもらえるから殺したとか、人に殺してもいいと言われたなど関係ありません)。私はこの作品は好きですが(4、5回読んでます)、色々(主人公が最後、安全地帯に入ってしまうなど)賛否が分かれる部分がある(もっと面白くすることができた?)作品であると思います。人気ゲーム、ダンガンロンパの元になった可能性があります。ダンガンロンパも好きですが、この作品に似ている面白い作品に、クリムゾンの迷宮などありますので、読んでみてもいいかもしれません(皆さん当然読んでいる可能性ありですが)(ダンガンロンパに関しては、YouTubeで、ダンガンロンパ学級裁判などで検索すればどういうゲームか見れます)。

  • 映画より面白い

    映画をプライムで見始め、途中で原作の方がが評価高いと知り、先に原作を読みました。やっぱり地の文がユーモラスで淡々と面白い。主人公に対する違和感は終盤解け、スッキリしました。この作品を読む層は大体主人公側だと思うからたしかに!と思いました。主催者側が絶対じゃないのも最後が爽やかなのも他の作品より人間の善性が高いのもちゃんとミステリなのも良かったです。あと導入のルール説明があったので小説はわかりやすかったのですが映画は、序盤なんで逃げないのか等疑問に思いました

  • 衝撃

    殺し合いゲームで初めて読みました 設定とキャラクターが良かった

  • 主人公への投影

    暢気だと評される主人公、ミステリ好きのメタ的視点から挑むが、いざ死の恐怖に襲われるとめためたになってしまう。自分が「こうすればいいのに」と思う視点をうまく演じてくれるので没入感を持って読み進められた。最後の数値インフレはなんにしてもロマンがあって良いものだ。

  • 設定は面白いが・・・

    Amazonからのおすすめ商品ということで、 購入してみました。 米澤穂信という作家の作品を読むのは これが初めてです。 時給11万2千円という 怪しいアルバイトに集まった12人。 彼らは暗鬼館という クローズドサークルに閉じこめられ、 殺人ゲームに参加させられることとなった。 当初、彼らは決められた7日間を 何事もなく過ごそうとするが、 やがて参加者の一人が死体で発見されて・・・。 個室に備え付けられた凶器。 誰がどの凶器を使っているのか。 事件の犯人は誰なのか。 12人の運命は。生き残るのは誰なのか。 主人公の暢気な性格に呼応した 軽妙な文体で、物語は語られていきます。 展開は一筋縄でいかない感じで、 いろんなところにひねりが加えられている感じ。 巧妙な物語の運び方は、楽しく読ませてくれました。 ただ、主人公達の推理のキレが あまり良くないなという印象を持ちました。 もっと緻密な推理合戦を期待していたのに。 何とも残念です。 それから、犯人探し以外の点で、 満足がいかなかった部分があります。 最後に説明があるだろうと思っていた いくつかの事柄が、 何の説明もないまま終わってしまったのです。 そういう物語もアリなのでしょうが、 ミステリは解決やオチが重要だと思っている 私のような人間からすると、 中途半端な印象は拭えませんでした。 話の設定や物語展開は面白くて良いが、 結末にやや不満、という感想を持った作品でした。

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