大学読書人大賞 だいがくどくしょじんたいしょう
第4回(2011年)
受賞者
6名『天地明察』は、冲方丁による受賞・候補対象作。人物の選択や時代背景、事件の推移を通じて、読者を作品世界へ引き込む構成を持つ。
『天地明察』は、受賞歴と書誌情報を確認できる冲方丁の作品。
『虐殺器官』は、世界各地の大量虐殺の背後にいるとされる男ジョン・ポールを追う米軍特殊部隊員クラヴィス・シェパードを軸に、言語、戦争、管理社会、人間の倫理を冷徹に描くSF長編。近未来の軍事技術と情報統制を背景に、暴力がどのように制度化されるのかを問いかける。
虐殺を生む器官とは何か。近未来の戦場から、人間の倫理と言語の暗部へ迫る。
『告白』は、娘を失った中学校教師の独白から始まり、複数の語り手が事件の真相とそれぞれの罪を浮かび上がらせていくミステリ長編。復讐、親子関係、学校という閉じた空間の歪みを、冷えた緊張感のある構成で描く。
一つの告白が、教室の空気を変え、隠されていた罪を次々に照らし出す。
『砂漠』は、大学生活を送る若者たちの出会い、友情、恋、事件への関わりを、伊坂幸太郎らしい軽妙さと不穏さで描く青春小説。麻雀、超能力めいた偶然、社会への違和感が交錯し、卒業までの時間が鮮やかに切り取られる。
砂漠のような世界でも、学生たちは笑い、迷い、互いの存在を確かめ合う。
『これからの「正義」の話をしよう』は、マイケル・サンデルが正義、自由、平等、道徳的責任をめぐる哲学上の論点を、現代社会の具体的な問題と結びつけて論じる入門書。功利主義、リバタリアニズム、カント、アリストテレスなどを手がかりに、読者自身の判断を問い直す構成になっている。
正義とは何か。身近な争点から、私たちの判断の根拠を問い直す。