書籍情報
- 出版社
- 文藝春秋
- 発売日
- 2009-08-26
- ページ数
- 192ページ
- 言語
- 日本語
- ISBN-13
- 9784163285900
- ISBN-10
- 4163285903
- 価格
- 1870 JPY
- カテゴリ
- 本/文学・評論
弱小高校蹴球部の女監督は、落ちこぼれ部員達にせめて一勝をあげさせたい。それが、生きる力になると信じて。第141回芥川賞候補作。
レビュー
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原石のような二篇
二篇とも面白く読みました。 とくにデビュー作の「廃車」は粗削りだけれど、才気を如何なく発揮しています。 「LIFE」の単行本3編がどれも面白かったので、遡ってこの作家の初期作品を読んでみたのですが、たしかに昔の方が粗削りで才気に溺れている場面がところどころあるけれど、やはり地力があるのだと思いました。 独特の文章でありユーモアがあり、社会批評も面白いです。 この作家の作品はたしかに芥川賞という感じではないけれど、文章だけに固執するような文学とは違い、文学の新たな可能性を感じさせてくれます。 それだけ既存の文学と一味も二味も違うのかもしれません。
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芥川賞候補という感じじゃないけど
何でこれが芥川賞候補?という作品。純文学というよりも、娯楽性のある作品。芥川賞候補作品はよく読むけど、期待外れも多い中、いい意味で意外性のある作品。サッカーが好きだから面白く読めたのかな、とも思ったけど、併録の「廃車」もなかなか良くて、この著者の力量を感じる。どちらも、あまりリアリティーのない内容なんだけど、どこにでもある何気ない日常を描いているように感じるギャップに面白さの源泉があるように思う。「よもぎ学園」よりも「廃車」の方が芥川賞っぽいかな。
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技あるスポ根小説の登場に快哉!
弱小高校サッカー部が、熱血女教師に激励されながら、強豪高校と対戦する様子を描いた小説。スポ根を純文学で描くとこうなるのか、と感心した。高校サッカーの前半と後半計80分の流れのなかに、選手たちの過去と未来のエピソードが挿入されている。この構成が効果的で、メリハリがきいている。語りのワザを堪能しつつ、「1点でもかえしていけ」という単純で深い女教師の言葉が真っ直ぐに伝わってくる。著者はまだ20代。次の作品が楽しみだ。注目していきたい。