日本の文学賞

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ツリーハウス

伊藤整文学賞

ツリーハウス

角田光代

『ツリーハウス』は、中華料理店「翡翠飯店」を営む一家三代をたどる長編小説。祖母の思いがけない帰郷をきっかけに、祖父母の戸籍と戦争の記憶が掘り起こされ、家族史と二十世紀の移動の歴史が重なっていく。

家族史戦争の記憶移民中華料理店

作品情報

家族の床下に埋もれた戦争の記憶が、祖母の帰郷から浮かび上がる。

文藝春秋から2010年に単行本刊行、2013年に文春文庫化。第22回伊藤整文学賞受賞作。産経新聞大阪本社夕刊連載をもとに、戦後の日本、満州からの移動、家族の秘められた過去を、一家三代のクロニクルとして描く。

レビュー要約

  • 人間洞察の深さと物語としての読みやすさを兼ね備えた作品として評価されている。家族の謎を追う推進力と、戦争の記憶を掘り下げる重さが両立している。

書籍情報

出版社
文藝春秋
発売日
2010-10-15
ページ数
472ページ
言語
日本語
ISBN-13
9784163289502
ISBN-10
416328950X
価格
1 JPY
カテゴリ
本/文学・評論

謎多き祖父の戸籍――祖母の予期せぬ“帰郷”から隠された過去への旅が始まった。満州、そして新宿。熱く胸に迫る翡翠飯店三代記

レビュー

  • 今の日本の根っこを最後に実感

    3代記なので長く、途中で飽きもありましたが、最後に著者らしい感動がどわっと来ました。自分含む日本の根っこを感じました。1人1人のリアルもいい。

  • 81歳、振り返れば大したもんだ!

    平凡な人たちの壮大な人生が描かれていて読みごたえがありました。

  • 家族の歴史、きっと誰にでもある

    友達のおすすめで読んだ。 いやあ、家族物は外れがないよね。『サラバ!』とか『流』とかね。 こういうの読んでいると、自分のじいちゃんばあちゃん、父母の歴史の事も思う。自分にはわからない歴史がそこには確かにあるんだよな。 とにかく、本当に羨ましくて素敵だなと思う要素がほとんど見当たらないのだけど(まあ都心にお店持ってるのはすごいアドバンテージだが)、家族ってなんやろね。損得でドライじゃないけど確実に損得があって、反発があろうとなかろうと親の影響は受けているし、一緒にいるからと言ってそこに確かな理想的な愛があるわけでもなくて、自分がこうしたいという選択はいつも正しいかわからなくて、そんなことを自分でも考えながらフルスピードで読み切ってしまった。 人生って、正解ないよね。 誰にでもおすすめの一冊。

  • 「来る者を拒まず」は決して「懐が深い」のではない。

    読後の正直な感想は、この藤代家が我が家でなくて本当に良かったということ。こんな、けじめのない無責任な人間の集まりが「家族」だなんて、冗談じゃない。「来る者を拒まず」の藤代家だが、それは「懐が深い」のではなく、「けじめがない」のだ。子供も孫も勝手に出て行って、うまくいかないと黙って戻ってくる。謝罪もないし、反省もない。それを黙ったまま入れてやる親も親だが。 祖母と引きこもりの叔父を連れて満州へ旅行した良嗣は、その旅行で、祖父母の過去と家族の歴史を理解して、人生を新たに切り拓こうと決心する。それは結構だが、旅行に行った良嗣が一念発起するのは理解できるが、家に残っていた他の家族までが、それぞれヤル気を起こすのは、話がおかしくありませんか?他の家族はどうやって、良嗣が知った家族の歴史を知ったのでしょうか?それとも、他に彼らをヤル気にさせることが起きたのでしょうか?旅行から帰ったら、みんながヤル気になっていた、なんて余りにご都合主義だと思いますが。 この小説のアブナイところは、読む人に「どこにでもいる家族」「ありふれた家庭」などと思わせる点だと思います。けれど、こんな家庭がありふれていたら、日本の将来は真っ暗です。まあ、読んだひとが、「こんな家庭を作らないように頑張ろう」と考えるならば、反面教師ということで、良しとしましょう。

  • 確かに、自分の親や祖父母のこと、何も知らないかもって。

    家族観て、どうやって作られていくのか。 自分と他の人の家族について、思春期過ぎたころに、何かしら、感じるものがあるのは、わかるけど。それをこうして文学を通して考えたりできるのは、今の自分の世代だから、かもしれない。 戦前、戦中、戦後の生活の中をどうやって生きてきたか、これももう、文学の中でしか触れれなくなってきている。学校教育の中でいくら学んでも、得ることはなかった、生きるための、生きることへの、生きることそのものを、読んで感じることができる、そんな作品でした。 3世代の、それぞれの物語があって、生き様があって、それは縦に重なることもあり。家族って、そうなのかなって、感じながら読んでいました。 だから、20年後(自分に孫がいるかも知れない頃?)にもう一回読んだら、また違う感じ方をするのかなと。

  • 家族のかたち、いろいろとあってもいい。

    新宿の小さな中華料理店を開業した老人が死亡する。一時期ははやった店も今は営業不振。 何の特徴もないこの店と同じく、その家族たちも覇気がないというか希望がないというか、真面目に 働くという人間もいない。だが、亡くなった老人の妻が「帰りたい」と言った一言で、この家族の 歴史探索が始まることになる。開業者の老夫婦は満州で知り合って結婚するが、夫は兵役や 色々なものから逃げて人生を生き抜いてきた男。子供や孫もいろいろな意味でまっとうに生きて いるとはいいがたい人間ばかり。悪人ではない。だが、厳しく言うなら人生の敗者とでもいうような 人間たち。昔住んでいた老婆の中国旅行に付き合う孫の良嗣の目から見る家族の有りよう。幸せの 形が色々あるように家族の形もいろいろあっていいじゃないか。昭和平成の大事件も絡ませながら 時代を描いている作品でもある。なかなか読み応えのある作品だった。

  • ブレてない

    しっかりと生きた足跡がここにあります

  • 根無し草でも構わない

    どんな生き方でも良い と背中を支えられるような気持ちにさせてくれる しかし逆にあなたのその生き方でほんとに良いのか、とも問いかけられているような不思議な物語でした

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