作品情報
欲望と記憶の深部に潜む違和感を、河野多惠子の鋭い文体で描きます。
河野多惠子の文学に一貫する身体感覚と倒錯的な心理が、濃密な物語として結晶した作品。人間関係の表面にひそむ支配、羞恥、欲望を、抑制された文章で描き出します。
レビュー要約
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心理の暗部をためらわず描く筆致が評価される一方、読者に緊張を強いる重さも作品の個性として受け止められています。
書籍情報
- 出版社
- 文藝春秋
- 発売日
- 1990-01-01
- ページ数
- 438ページ
- 言語
- 日本語
- ISBN-13
- 9784163437507
- ISBN-10
- 4163437509
- 価格
- 1870 JPY
- カテゴリ
- 本/ノンフィクション/思想・社会/法律
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レビュー
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むやみと長い。
明治時代に横浜の外国人居留地で起きた男の死と、15歳年下の妻が殺人罪で起訴されて有罪になったが、死刑を免れた話を裁判記録から再現した上、英国へ調査に行く話で、日本推理作家協会賞受賞。むやみと長いのは困る。あと家系の調べ方というのがあとがきに書いてあるが、日本ではその後個人情報保護法ができて、自分の家系はともかく他人の家系は調べられなくなった。著者は大学で英文学を専攻したので、ジェイン・オースティンやブロンテ姉妹の例をあげて、英国の娘が結婚相手を探すのが難しいと書いているが、これはアッパーミドルクラスの娘の話で、階級について書いていないのが惜しい。ざっと読むのには適した本。
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おもしろいが
分厚い本の三分の二は非常に苦痛に満ちて読みづらかったが、後半のイギリス取材時のくだりになると息をもつかせぬ快調なペースとなり一気に読みとおした。故人である徳岡孝夫さんに文句も言えないが、構成上もっと修正できたと思った次第です。
関連する文学賞
- 野間文芸賞 第44回(1991年) ・受賞