作品情報
誰が誰を殺したのかという問いが、少年たちの友情と時代の記憶を揺さぶる。
文藝春秋刊。出版社公式で単行本 ISBN 9784163906430 と336ページを確認し、ISBN-10 は版元系インタビュー情報で補完した。
書籍情報
- 出版社
- 文藝春秋
- 発売日
- 2017-05-11
- ページ数
- 335ページ
- 言語
- 日本語
- ISBN-13
- 9784163906430
- ISBN-10
- 4163906436
- 価格
- 2222 JPY
- カテゴリ
- 本/文学・評論/文芸作品/日本文学
選考会で絶賛された直木賞受賞作『流』を経て生まれた、圧倒的青春小説! 1984年、台湾。13歳だった。 夏休みが終わるほんの2日前、ぼくたちの人生はここから大きく狂いはじめたんだ。 2015年冬、アメリカで連続殺人鬼「サックマン」が逮捕された。デトロイトの荒んだ街並みを見つめながら、「わたし」は、台湾で過ごした少年時代を想い出していく。三十年前、わたしはサックマンを知っていた――。 1984年夏、台北で、兄をなくしたばかりのユン、牛肉麺屋のアガンと弟のダーダー、喧嘩っ早くて正義感の強いジェイは友情を育んでいた。四人の少年たちは、ある計画を実行することに決めた……。 サックマンとは誰なのか? その謎をめぐる青春ミステリー。
レビュー
-
少年たちの夏
ずっと気になっていた小説。四人の少年たちの経験した夏ということで、「スタンバイミー」と設定は似ていますが、それぞれの歩む道には大きな違いが。作者の文章に引き込まれる力が強く、一気に読めました。
-
台湾版スタンド・バイ・ミー
タイトルからミステリーを期待しましたが、ミステリー要素はそれほど深くなく、 むしろ台湾版スタンド・バイ・ミーとして読ませる小説になっています。 台湾に生きる3人の少年たちが、湿度と温度をもった空気の中で、生き生きと描かれています。 まぁ、登場人物の名前とか、読みにくさは最初ありますが、それが気にならなくなっていきます。 時代背景もありますが、少年たちがとにかく逞しい。 日本人の感性とは異なる部分(やたら乱暴)も多々ありますが、生命として弾けるようなまぶしさを放っています。 文章の疾走感が、個人的には好きです。
-
良かったです
夢中で読みました。 この評価を選んだ理由は、外国のお話で、(しかも良くある台湾ものにありがちではありますがそれに反して)中立的で、読みやすく、リズムもよく、各エピソードにも説得力があるところです。 特に比喩的な描写が嫌味でなく端正なところにしびれました。 登場人物たちほどではないにしろ自分の周りや過去にも共通するような問題がちりばめられていたのも惹き込まれました。 個人的には自分も漫画作品のAKIRAが大好きでしたし今も大好きだからということがあります。以前は物語遊びに熱中もしました。ですのでわくわくしながら自分の物語のように読んでいたら。。。定石なのかもしれませんが、推理小説に読み慣れていなかったのでその後の展開に衝撃を受けてしまいました。 主に過去が舞台ですが、ネットのいたるところ、ユーチューブやニコニコなどでも物語にならない物語が今も沢山生まれていると思います。 同じように現実の行き違いも。 だれにも打ち明けられない秘密も。 おすすめしたいけど出来ない人に教えてあげたかったです。 キラキラしていて、質実で、しかし儚く、辛かったけれど美しい物語でした。 世の中は確実にきれい事ではできていないけれど、美しいことに対する憧れなしでは私たちは存在できないんだと強く思いました。 どんな年代の方にも爪あとを残してくれると思います。 何歳の方でも、いつ読んで損なしだと考えます。 しかし読後は妙に爽やかでしたのでそのへんでの躊躇はしなくて大丈夫ですよ。 次の作品にがっかりしないか心配になるくらい気に入りました。 「流」もすごく良かったですが、個人的には「流」より好きです。 説教がましいところがないのがいいのかな。とにかく誰に対しても薦めたいです。強いてどちらかというと若者より大人にでしょうか。挫折を知っている方には特に。 勇気がでました。 とりとめがありませんが申し訳ありません。 以上です。
-
悲惨過ぎてもういいかな。。。。
連続殺人事件からビリーミリガンを思い出させる漫画好きで妄想好きな多重人格者の話でした。 幼少期に子供の感情をあまりにも押さえ込むような躾をしてはならないと聞いたことがありますが、お兄さんの死や友人の関わりなどいろんな面から抑圧され、爆発してしまったような印象を受けました。 子供にも子供の世界がありますし、大人にも大人の世界があります。 いろんな不運も重なり罪を重ね、傷つき壊れてしまったシーンが重くのし掛かってきました。 読んでいくにつれて少しでも軽くしてあげたい気持ちが起こりましたがどうしようもない展開で、虚しさばかり残りました。
-
スリリングな展開
タイトルに惹かれて読み始めたが、テンポの良い文体に引き込まれる。期待以上な面白さ。
-
過去と現在の対比が鮮やか!
小川洋子さんの帯の煽りが気になり手に取ったが、読みだすとグイグイ引き込まれて一気に読み終えた。 台湾での少年時代の描写は本当に活き活きしていて頭の中に台湾の雑多な景色が浮かんできて映画を観てるよう。それぞれ影ある家庭環境のもと育まれていく友情はそれだけで十分に一つのストーリーであるが、そこに現代が加わることで更に深みが出ている気がする。 それは、この小説のもう一つの魅力である過去と現在の対比。その対比を際立たせる漢字の使い方と主語の入れ替え。このコントラストを主語の入れ替えを巧みにぼかしながら段階的に切り替えていくことで、どんどん読み進んでしまう流れになっていと思う。こういうパズル的な文章の書き方は推理小説的でもあるかな?と思ったらやっぱりそっち系の作家さんなんですね。 作者は私と同世代かな?出てくるアーティストが全て私のリアルタイムでちょっと楽しかった。一つ難をいうなら引用した小説をネタバレ的に説明するのはちょっとどうかと… あと皆さんご指摘の通り、私もスタンド・バイ・ミーが思い浮かびました。
-
最大の謎
誰が殺人鬼なのか、が最大の謎ではない。 いつ、誰が、誰を、どのように想ったのか。 それこそが最大の謎、自分が知りたかったことだったのだと読了後に、涙があふれた。 これほどきれいなものが、ミステリーの核として隠されていたことに、ただただ驚きを禁じ得なかった。 こんなミステリーは読んだことがない。 思わず、台北で舞台となった街を歩いてしまった。 こんな体験は久しぶりだった。
-
正直難しい。
某番組で紹介されていて、タイトルと表紙が興味深かったので購入。 この作者の作品を読むのは、これが初めて。 読んでみると、正直意味不明で疲れた。台湾を舞台にしているためか、まず言葉や描写にストレス。 ストーリーも展開しそうで、同じところをぐるぐる回っている感があり、最後まで入り込めない。 何より、登場人物の心理がよくわからない。 なぜケンカするのか、なぜ殺人を犯したのか、まるでわからないし、共鳴もできない。 最初は丁寧に読んでいたが、だんだんわかんなくなってきて、最後は表面をなぞるだけ。 自分が気付いていないだけで、何か深い核心があるのかもしれないが、そこまで辿り着けず、興味喪失。 「友人が連続殺人犯になっている」というストーリも特に面白いとも思えず、もう一度読もうとも思えない。 ある程度難しい小説を読みなれている人には、楽しめるのかもしれないが、僕は平易な言葉でつづられる小説が好みなので、文体や表現スタイルが自分には合わなかったか。 でもまあ、自分には気付かなかった大きなテーマが潜んでいるのかもしれない。 また読み直すかもしれないという期待も込めて、評価1ではなく、評価2
関連する文学賞
- 吉川英治文学賞 第52回(2018年) ・受賞