日本の文学賞

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プロレス少女伝説 (文春文庫 い 28-1)

大宅壮一ノンフィクション賞

プロレス少女伝説 (文春文庫 い 28-1)

井田真木子

長与千種、神取しのぶ、天田麗文、デブラ・ミシェリーらを追い、女子プロレスの熱狂から一九八〇年代の日本社会を見つめるノンフィクション。

女子プロレスノンフィクション一九八〇年代身体

作品情報

リングに集まった少女たちの物語が、時代そのものを映し出す。

女子プロレスに生きた女性たちの足跡をたどり、スポーツ、興行、ジェンダー、時代の空気を交差させる。人物描写の濃さで今も読み継がれる。

レビュー要約

  • 題材の独自性と描写の密度が評価される一方、時代背景や文体の癖に読み手を選ぶ面もある。

書籍情報

出版社
文藝春秋
発売日
1993-10-09
ページ数
350ページ
言語
日本語
ISBN-13
9784167554019
ISBN-10
4167554011
価格
1518 JPY
カテゴリ
本/ノンフィクション/歴史・地理・旅行記/歴史/その他

長与千種、神取しのぶ、天田麗文、デブラ・ミシェリーの足跡をたどり、80年代に熱狂的なブームとなった女子プロレスの文化を通して「日本」を見つめ直す。第22回大宅賞受賞。(夢枕獏)

レビュー

  • 「極悪女王」の副教材として最適

    Netflixで「極悪女王」を一気見した後にとびついて読了。あらためて女子プロレスの背後に潜むドラマの凄みを感じました。「極悪女王」の副教材として最適。

  • 女子プロレスファン必読の書

    昭和黄金期の女子プロレスファンなら誰でも知ってる。いや、ファンでなくても知っているスーパースターたちの裏側です。青春は一度だけ。読んでいて切なくなります。

  • 探してました

    絶版なので古本屋さんにもなく、最近選集が出ましたが高いので重宝しました。

  • 「異邦人」レスラーたちの葛藤を描く

    1980年代、少女たちに絶大な人気を得た女子プロレスの日本的な特異性を、「異邦人」レスラーたちの葛藤を通じて描いた秀作。クラッシュ・ギャルズの長与千種、元柔道女王の神取しのぶ、特にこの2人が語っている部分は読んでいて思わず引き込まれます。プロレスとは何なのか、ほとんど興味のなかった私でもよく理解できました。 形式重視のプロレスに異を唱えて格闘の要素を前面に出した長与、男性並みの体格でケンカマッチも辞さない神取、プロレスが体で表現する「言葉」だと理解できない中国残留孤児2世の天田麗文、試合でも同僚の日本人レスラーに穏やかに無視されるガイジンの米国人デブラ・ミシェリー。本書が取り上げた4人の物語は、上下関係に厳しく閉鎖的で因習的な女子プロレスの世界が、新たな活力を得る契機として「異端」「型破り」「異分子」な存在を求めている、皮肉な事実を浮き彫りにします。 閉鎖的で同質的であろうとする日本社会も、外部と交流を図り、異質な力を内部に引き入れて少しずつ変化していかなければ生き延びられない、というのがこの作品のメッセージだと私は受け止めました。本書のストーリーはクラッシュ・ギャルズの引退で人気が凋落した女子プロレスに、タイ人と韓国人のレスラーが新たに加入するところで終わります。著者は女子プロレスを日本独特の芸能・興行である女相撲の後継として位置づけているのですが、もしかしてこのノンフィクションは、大相撲の世界も女子プロレスと同じようなものだと暗に言っているのではないでしょうか。大相撲で「指導」と称する親方や先輩力士の暴行があったから、ガチンコでない人情相撲があったから、「若貴」の人気絶頂期が終わり外国人の関取が増えたからといって、それはさすがに考えすぎでしょうか。

  • 心を折ってやりたかった!

    最近、女子プロレスで顔面崩壊するくらい相手を殴って問題になった喧嘩マッチがあったが、今から約30年前にも同じような喧嘩マッチがあった。 神取忍vsジャッキー佐藤。 プロレスファンの間では伝説の喧嘩マッチ、あるいは神取の武勇伝として語り継がれている試合。 神取がジャッキーの顔面がボコボコに変形するまで拳で殴り、最後はアームロックで腕をへし折った試合。 その試合後、神取は興行関係者によって目隠しされて数日間監禁される。 あまりにも不可解で謎の多い試合。 本書ではその試合について神取が語っているのだが、その部分の神取の言葉がメチャクチャ素晴らしい。 横浜弁でちょっと伝法な話し方をする神取の言葉をそのまま書いてるのがいい。 今では一般でも使われるようになった「心が折れる」という表現。 実はそれを最初に使ったのは本書でジャッキー佐藤戦について語った神取忍である。 「あの試合のとき、考えていたことは勝つことじゃないもん。相手の心を折ることだったもん。骨でも、肉でもない、心を折る事を考えてた。ただそれだけを考えていたんで、相手を痛めつけようとは思っていなかった。本当に、相手を痛めつける事なんか目的じゃなかったよ。あのね、私柔道やってたじゃん。だから、勝負に負ける時っていうのはさ、最初に心が折れるって事知ってたんだよ。だからさ、それを佐藤さんにも味わってもらおうと思ったんだよ。もちろん腹は立ってたわけでよぅ、目なんか狙われて、カッとしてたわけでよう、だけど、だから殴ってやろう、なんて思ったわけじゃないもん。ただ、この人は、今まで一度も、心が折れた音を聞いた事がないなって思ったんだよ。だから、こんな危なっかしい嫌な事をするんだなって。だからさ、心を折ってやろうと思ったんですよ。その音を聞かせてやろうと思ったのよ」 神取のこの言葉だけでも本書を読む価値はある。 相手の肉体ではなく心にダメージを与えてやりたい。その事を「心を折ってやる」という言葉で表現した神取。 神取の言葉のセンスが素晴らしいし、神取にそれを言わせた作者も凄い。 このジャッキー戦以外にも神取に今までの人生について語らせているのだが、どれをとっても凄い。 孤高のプロレスラー神取忍の独特な思想、人生観を引き出している。 神取編だけでも十分素晴らしいノンフィクション作品なのだが、長与千種、天田麗文、メデューサの取材もある。その中でも中国残留孤児二世の天田編は色々興味深い。 他にも女相撲の歴史も詳しく取材していて、日本社会における女格闘技について深い考察がなされている。 著者の死後、本書は絶版になってしまっているが、普遍的な価値を持つ優れたノンフィクション作品だと思う。 是非復刊して欲しい。

  • 古いかな

    プロレス好きなため、興味深い部分もあったけど、それ以上に古さが 際立っちゃっているかなと思います。女子プロの勉強をしてから読むと 違うかも。

  • 著者の力量が光る

    著者の井田真木子さんの優れた文才と取材力が分かる一冊だと思います。個性豊かな女子プロレスラーたちの熱量のある言葉が、飾りのない分かりやすい文章と構成でまとめられています。女子プロレスに疎い私にも理解しやすく、なおかつぐいぐいと引き込まれ目頭が熱くなる素晴らしい本でした。

  • 1980年代の女子プロレス

    女子プロレスが「女子」の「格闘技」として異形の見世物であり、文字通りの「女子」に人気を博した時代の記録。 といっても、当時のスターに焦点をあてて時代状況を切り取るだけのものではない。 クラッシュ・ギャルズの長与千種というスターはいるものの、 天田麗雯という日本語の苦手な中国残留孤児二世、デブラ・ミッシェリーというアメリカ人、そして異端児の神取しのぶという3人への取材を通して、彼女たちがなぜ女子プロレスを選んだのか、ドキュメンタリー・タッチで描いていく。 正直、期待していたものとは多少違ってはいたが、プロレスラーの生の肉声をとらえたものとして面白かった。

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