一次元の挿し木 (宝島社文庫 『このミス』大賞シリーズ)
ヒマラヤ山中で発掘された二百年前の人骨。遺伝人類学を専攻する大学院生・七瀬悠がDNA鑑定を行うと、四年前に失踪した妹・紫陽のものと完全に一致した。この不可解な結果を担当教授・石見崎に相談しようとした矢先、石見崎は何者かに殺害される。さらに古人骨が盗まれ、発掘調査隊員が襲撃される。妹の消失と人骨のDNAの真相を追う悠は、宗教団体や製薬会社が絡む人類史を揺るがす巨大な陰謀へと引き込まれていく。
作品情報
謎の牽引力、ストーリーの面白さは、今回これがダントツ
第23回「このミステリーがすごい!」大賞・文庫グランプリ受賞作。ヒマラヤで発掘された二百年前の人骨のDNAが、失踪した妹のものと一致するという衝撃の謎から幕を開けるミステリー×SF。遺伝人類学、クローン技術、宗教団体の陰謀が絡み合う重層的な物語で、タイトルの「挿し木」がDNA(一次元配列)とクローン技術を象徴するという読了後に鮮烈に立ち上がる仕掛けも見事。著者の松下龍之介は1991年生まれのエンジニア兼現役漫画家というユニークな経歴を持つ新人作家。
レビュー要約
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デビュー作とは思えない構成力と文章力が高く評価される一方、終盤のファンタジー寄りの展開やご都合主義的な描写を指摘する声もあり、賛否両論の評価を受けている。
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エンタメ性の高さと一気読みさせる展開が高評価される一方、ミステリーとしての純粋な新規性や細部のリアリティに疑問を呈するレビューも見られる。全体として肯定的な評価が優勢。
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選考委員からは「文章力が圧倒的で、魅力的な謎の提示と読者を惑わす情報のタイミングが巧み」(千街晶之)、「謎の牽引力、ストーリーの面白さはダントツ」(大森望)と高い評価を受けた。
書籍情報
- 出版社
- 宝島社
- 発売日
- 2025-02-05
- ページ数
- 384ページ
- 言語
- 日本語
- ISBN-13
- 9784299064042
- ISBN-10
- 4299064046
- 価格
- 900 JPY
- カテゴリ
- 本/文学・評論
2025年第23回『このミステリーがすごい!』大賞・文庫グランプリ受賞作 「謎の牽引力、ストーリーの面白さは、今回これが ダントツ 」大森 望(翻訳家・書評家) 「古人骨のDNA鑑定が暴く 驚くべき真相! 」香山二三郎(コラムニスト) 「謎の散らばせ方、話の運び方も上手く、 最後までぐいぐい 読ませました。文章も上手い」瀧井朝世(ライター) 「文章力が圧倒的だし、 魅力的な謎 の提示、 読者を惑わす情報 を入れてくるタイミングなど、とにかく 舌を巻く巧さ だ」千街晶之(書評家) 「遺伝人類学を専攻する主人公の専門家らしさもきちんと書けているし、一方で “ちゃぽん”という擬音の活かし方も巧み だ」村上貴史(書評家) 「 スケールが大きい陰謀劇 であり、 成長小説としての面白さ も備えた作品。広げた風呂敷をきちんと畳み、物語の幕を閉じる技量に、自信を持って推す」川出正樹(書評家) 二百年前の人骨のDNAが 四年前に失踪した妹のものと一致!? ヒマラヤ山中で発掘された二百年前の人骨。大学院で遺伝学を学ぶ悠がDNA鑑定にかけると、四年前に失踪した妹のものと一致した。不可解な鑑定結果から担当教授の石見崎に相談しようとするも、石見崎は何者かに殺害される。古人骨を発掘した調査員も襲われ、研究室からは古人骨が盗まれた。悠は妹の生死と、古人骨のDNAの真相を突き止めるべく動き出し、予測もつかない大きな企みに巻き込まれていく--。
レビュー
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【ミステリー初心者もOK】DNAの謎と兄妹愛に引き込まれる衝撃作
ヒマラヤで発見された「200年前の人骨」。 そのDNAが、4年前に失踪した妹のものと一致する――。 あまりにも異常な謎から始まる、遺伝学ミステリーです。 大学院で遺伝学を学ぶ主人公・悠が真相を追う物語は、文章が非常に読みやすく、序盤から一気に引き込まれました。気づけば長時間没頭してしまう構成力はさすがです。 本作の核心は、最新の遺伝子工学と、妹を想う兄の執念にも似た愛情。その二つが交差したとき、「挿し木」というタイトルの意味が徐々に浮かび上がり、背筋が冷えるような恐怖と、どうしようもない切なさが同時に押し寄せてきます。 複雑な時系列や多角的な視点を用いながらも、物語は見事に一点へと収束。 主人公の孤独と苦悩が丁寧に描かれているからこそ、結末の余韻が深く胸に残ります。 「このミステリーがすごい!」大賞受賞も納得の完成度。 一気読み必至のエンターテインメントであり、重厚な人間ドラマとしても秀逸。 ミステリー好きはもちろん、普段あまり読書をしない方にも強くおすすめしたい一冊です。
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面白いですが、ミステリ好きにはおそらく物足らないかもしれません
このミス文庫大賞ということで期待していたのですが、正直期待したような驚きはほとんどありませんでした。 そもそもミステリ作品として紹介することに若干の違和感があります。残念ながらSFとしての趣が強く、ある程度知識のある方には大方の展開が想像できてしまうためです。 ただし、この作品の完成度は非常に高いということも断っておきます。大賞を受賞するだけあって物語の設定・構成にひずみは感じられませんし、文体にも癖が少なく、むしろ教科書的で分かりやすいです。(既視感を覚えるシーンや、ある種の未成熟さを感じさせるシーンもありますが)十分以上に読み物として楽しむことが出来ると思います。 よって次のような方へおススメいたします。 ・ミステリ作品にあまり嗜んでこなかった方。 ・科学的知識がいまだ成熟していない若年層。 ・作家を目指している方々。 最期の「作家を目指している方」というのは蛇足ではありますが、この作品は商業作家として必要最低限度の要素が詰まっています。むしろこれくらい書けないなら新人賞には応募してくれるなというメッセージが、このミス大賞受賞の裏に込められているような気がしました。
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人を構成するのは環境か、遺伝子か。
面白い。 時系列が思ったよりも分かりやすく、読みやすくて面白かったです。SF小説好きならあっという間に読んでしまいます。 どんでん返しあり。それがまた面白い。本気になれば映画化もできそうなくらい脳裏に映像が浮かぶ作品でした。
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まぁまぁおもしろい
ストーリー自体は主はブレずに、二転三転する部分もありミステリーとして面白い。新人作品として納得の出来。 一方で描写がシンプルと言えば聞こえはいいが、キャラクターや情景に対して厚みが足りない。そのため各キャラクターに思い入れは湧かない。 次の作品に期待です。
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一気読み
色々な伏線が最後につながり、読み応えがあった!
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評判が良く、おすすめにしょっちゅう出るので読んでみた。
理系ミステリーで、ホラー要素もあり、美少年と美少女の悲恋もあるという、盛り沢山な小説だった。視点や時間軸が何回も飛ぶのが好きではなかったが、さわやかなエンディングは良かった。映像化希望。
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子どもも読みやすい
子どもにリクエストされて購入! 面白かったようで一気読みしてましたよ。 ラストの展開でホォーっとなったと言ってました笑
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魅力的な小説の下書き
筋立てや謎のひっぱり方はとても面白かった。 キャラクターも魅力的ながら、やや不自然な点もあり、話の運びも荒削りな部分が大半。 それでも最後まで飽きずに読めた。 超傑作になりうる小説の下書きを読ませてもらった気分です。 それにしても、落ちてる白髪は拾わんだろ(笑)
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