日本の文学賞

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DMAC

文藝賞

DMAC

小竹陽一朗

記憶の反復と崩壊の先で、性と死の境界が溶けていくサイバー・アポカリプス小説。

記憶身体終末

作品情報

記憶がほどけるたび、世界の輪郭も揺らいでいく。

河出書房新社刊の長編。記憶と身体の揺らぎを強く押し出した作品。

書籍情報

出版社
河出書房新社
発売日
1994-01-01
ページ数
175ページ
言語
日本語
ISBN-13
9784309008851
ISBN-10
4309008852
カテゴリ
本/文学・評論/文芸作品/日本文学

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レビュー

  • Direct Memory Access Controller=Chocolate

    『DMAC』です。 DMACとはコンピュータ用語ですが、本作ではDMAC=チョコレートとなっています。 『第30回文芸賞佳作受賞作品。このチョコレートを食べると、途端に鼓動が響いてくる。ランダムに読み出される記憶のブルーを描く、異色の作品。死のメモリーにアクセス、不思議な世界へひきこまれてゆく。』 冒頭から、意味の繋がらない文章群がいくつも出てきます。しかも同じ文章があちこちで繰り返し使われています。登場人物も名前ではなく代名詞でやりとりされています。 後半になって、ネタバラシというか状況が分かるように説明されます。が、一読だけでは何だかさっぱり分からず。 たとえていうなら、難しい計算問題を、最初に解答ページを開いて解き方の解説を見てから、問題を解いてみるような感じが必要。最後まで読んだ上でまた最初に戻ってバラバラのフレーズがどういう意味だったのかパズルを解き直す必要があります。かなり難解で、私はたぶんほとんど分かっていません。 離脱するまなざしの哀しみを描く異色作、と謳っている通り、かなり毛色の変わった作品です。 特徴として、性的な描写が全体を通して多めです。官能小説ではないので、読者の性的興奮を高めることを目的としていないので、あまりエロくはないです。性的描写が苦手な読者を当然ながら弾いてしまいますし、かといって楽しめるエロでもなく、というわけで性的描写はある程度は必要にしても量的な多さは本作においてややマイナス要素かと私は思いました。 ★3。

  • 一度読むだけでは終われない!

    初めて手にしたのは図書館の本棚でした。何気なく読んでいくと、所々前後の文章とかみ合わない文章がいくつも紛れ込んでいることに気がつきます。読み進むうちにその脈絡のない文章は増えていき、同時に「この文章はなにを意味しているの?」という疑問が湧いてきます。しかし、そのかみ合わなかった文章は後半部分ですべてかみ合うでしょう。そして、もう一度読み返せば今までわけのわからなかった文章も、なぜその部分に挿入されていたのかもきっとわかるでしょう。普通の小説などは一度読んでしまえば満足するでしょうが、この本の場合は手品の種明かしのようにもう一度読み返すことで二重の面白さが味わえると思います。また、所々ちょっとエロチックな部分もあり、アダルトな魅力もありますよ。

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