日本の文学賞

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はんぷくするもの

文藝賞

はんぷくするもの

日上秀之

書籍情報

出版社
河出書房新社
発売日
2018-11-15
ページ数
120ページ
言語
日本語
サイズ
13.7 x 1.5 x 19.6 cm
ISBN-13
9784309027609
ISBN-10
4309027601
価格
1430 JPY
カテゴリ
本/文学・評論/文芸作品

すべてを津波に流された者、 波の飛沫一滴すらかからなかった者ーー 「私こそが正義であり、お前は悪なのだ」 毅(つよし)、30代独身、自営業、資格ナシ、友だちひとり。 タタミ十畳のプレハブ仮設商店で、今日も3,413円のツケを巡る攻防がはじまる。 ◎第55回文藝賞受賞作 選考委員・町田康氏、村田沙耶香氏絶賛! 小さい世界を描いているようで、広く深い根を張っている。悲惨と諧謔が同時に響く、無二の小説ーー町田康氏 一人一人がとても生々しく、声まできこえてきそうなリアルさで物語の中で「生きている」――村田沙耶香氏 ◎メディアで話題! 読売新聞、産経新聞、東京新聞、共同通信、 NHK盛岡、IBC岩手、岩手めんこいテレビ、岩手日報、河北新報他 早くも話題沸騰!

1981年、岩手県生まれ。秋田大学工学資源学部卒。現在、フリーター。岩手県在住。

レビュー

  • 面白くない訳ではないが

    楽しい読み物でもない。ダウン系 滅入ってる時には拍車が掛りそう。読み時注意な感じ 程々に楽しみました

  • Life goes on.

    あまり期待せずに読み始めたのですが、先入観とはちがった面白さがありました。 あらすじはほかの方のレビューに書かれてある通りですが、私の読後感としては登場人物のおかれた状況は閉塞感が感じられ、決して明るいものではありませんが、不思議なおかしみがあります。それが全体的なトーンを沈鬱さから解放しているように思います。 恐怖神経症のようなところのある主人公がツケの取り立てに、とあるアパートを訪ねる場面があります。そこで住人とおぼしい見ず知らずの女と鉢合わせになり、我が身を省み、あれこれと妄想し、逃げ帰るシーンはくすっとします。 ツケをいつまでたっても払わない相手から「あなたは津波に家を流されたじゃないですか。我が家はね、まったく無事だったんですよ。波の飛沫すら一滴もかかりはしなかったですよ....」云々と逆襲される場面。おー、そう出たか、びっくりの一言。ラストも不思議に救いというか前向きなものを感じました。 ぜひほかの作品も読んでみたいと思いました。

  • じわりと後から効いてくる作品

    「第55回文藝賞」受賞作。舞台は岩手県沿岸の赤街(架空の町)。名前からして旧遊郭跡の地を連想したが、読み進んでいくうちに関係ないことに気づいた。・・登場人物は限られる。ほんの数人。まず主人公の毅(つよし)。本の帯や宣伝文にも書かれてあるが、東日本大震災で商店兼自宅を流され、年老いた母親とふたり、見なし仮設に住みながら仮設店舗でホソボソと小売店をいとなむ30才の独身男。ほかには毅の母親、常連客で90歳をこえている常連客の風峰さん、毅の幼馴染で無職ながら株取引で生計を立てている風の武田、そして、いつも「ツケ払い」でしかモノを買わない古木さん。基本的にはこれだけ。その払ってくれない「ツケ(3,413円)代金」を巡っての主人公・毅と古木さんとの攻防(というかやり取り)をはさみながら、被災地で暮らし続ける毅(つよし)の閉塞感と心の葛藤を淡々と描いてゆく。・・物語全体をとおしてそれほど悲壮感はなく、むしろ個々の場面描写は喜劇的ですらある。『100年続く家業』に縛られ、田舎の被災地で住み続けることで世間から「置いてきぼり」にされる焦燥感と諦めが綯い交ぜになった感情・・離れたいけど、離れられない。・・この物語は東日本大震災の被災地(震災から5年後)での日常をフィクションに仕上げているが、『被災地』という枕詞を取り除いても、似たような話や境遇はニッポン全国に掃いて捨てるほどあるだろう。・・文体は堅いような柔らかいような、よくわからない感じ。デビュー間もない「丸山健二」を思い起こさせた。似てないんだけどね、文体が。・・今後に期待できるような、この作品で終わりそうな・・とにかく次作に期待。

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