日本の文学賞

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ジャクソンひとり

文藝賞

ジャクソンひとり

安堂ホセ

スポーツブランドの社内ジムで働くジャクソンは、QRコード付きのTシャツをきっかけにリベンジポルノの噂へ巻き込まれ、自分そっくりな男たちと出会いながら真相を追う。東京で生きるブラックミックスたちの逆襲劇として、鋭い視線と疾走感で読ませるデビュー作。

アイデンティティ都市の疎外噂と暴力連帯

作品情報

QRコードのTシャツが引き金になる、東京のブラックミックスたちの鮮烈な逆襲劇。

スポーツブランドの社内ジムで働くジャクソンは、QRコード付きのTシャツをめぐる噂に巻き込まれ、自分とそっくりな男たちと出会いながら、東京に生きるブラックミックスとしての現実に向き合っていく。第59回文藝賞受賞のデビュー作。

書籍情報

出版社
河出書房新社
発売日
2022-11-16
ページ数
160ページ
言語
日本語
サイズ
13.4 x 1.7 x 19.5 cm
ISBN-13
9784309030845
ISBN-10
430903084X
価格
1060 JPY
カテゴリ
本/文学・評論/文芸作品

第59回文藝賞受賞 衝撃のデビュー作! 東京に暮らすブラックミックスたちが企む鮮やかな逆襲劇 「実際に生きてるってこと。盗用したポルノごっこじゃなくて」 アフリカのどこかと日本のハーフで、昔モデルやってて、ゲイらしい――。 スポーツブランドのスタッフ専用ジムで整体師をするジャクソンについての噂。 ある日、彼のTシャツから偶然QRコードが読み取られ、そこにはブラックミックスの男が裸で磔にされた姿が映されていた。 誰もが一目で男をジャクソンだと判断し、本人が否定しても信じない。 仕方なく独自の調査を始めたジャクソンは、動画の男は自分だと主張する3人の男に出会い――。 こんなふうに分裂と統合を繰り返す快感と恐怖を同時に味わえる小説を、他に知らない。 ――金原ひとみ 身体によって安易にカテゴライズされながらも、自分自身のその身体で生きて他者と出会うことが、痛みから生み出される言葉で描かれている。 ――柴崎友香 ゲリラ戦を思わせる活劇の中で、増殖するジャクソンたちの意識の流れがリズムよく絡み、ドライブ感を高めてゆく。 ――島田雅彦 本作が切り拓いた日本語文学の新しい可能性をこそ、私は評価したい。 ――平野啓一郎 他者を個人として扱えば「はっきり敵とみなす勇気」が持てず、 でも集団として見なせば容易に憎め、蔑め、殺すこともできる。 それが私たちの生きる社会だと実感させられた。 ――文藝賞選考委員・角田光代氏 主人公たちの繊細な揺らぎを通して、私個人の記憶や感情を呼び起こされた。 そういう原石をこの小説と書き手は内包している。 ――文藝賞選考委員・島本理生氏 からっと明るい文章の中には浸食するような絶望があって、苦しい気持ちにさせられる。偏見に鋭く切り込んだ内容もさることながら、その描き方も面白い。 ――斜線堂有紀氏 凄い小説で、本読みに強くおすすめしたい。「今までこんな話読んだことなかった!」と、「なぜ今までこんな話を読むことができなかったのか(その理由の背景に自分もいるはずじゃないか)」という思いでぐるぐるになる。 ――王谷晶氏 読み手のまなざしのありようが鋭く問われる。素晴らしいデビュー作 ――倉本さおり氏・評(共同通信) この小説は確かに独自の景色を見せてくれる。 終盤の狂騒も、締めの一文がもたらす余韻も見事 ――水上文氏・評(文學界12月号) 第168回芥川賞候補作

安堂 ホセ(あんどう・ほせ) 1994年、東京都生まれ、在住。28歳。「ジャクソひとり」で第59回文藝賞を受賞しデビュー。

レビュー

  • ジェンダートラブル小説版!

    ①はじめて読むタイブの小説だ。ジェンダーに関する問題提起。黒人でゲイの主人公はだれからも理解されない。舞台が日本であることも影響しているだろう。アメリカなら彼の仲間も多数いただろう。 ②日本ではこのような小説はたいへん珍しい。タイトルも意味深だ。次回作も楽しみにしたい。 お勧めの一冊だ。

  • 映画っぽい小説。人を選びます

    この小説の印象や読後感は、私にとっては「タランティーノの映画」であった。血と暴力、という部分ではなく、セリフの応酬やら画面が切り替わっていく感じが似ているのだと思う。この本は、小説というよりも映画っぽさを感じた。 小説の中に出てくる小道具や設定になじみがないということ以外にも、話の展開の早さもあってストーリー立てが難しく、最終的な着地点まで私はついていけたのだろうか?今何が起こっているのか、考えながら読んでやっと追いつける作品だった。 粗削りな部分もあるが、今後の作品も楽しみ。

  • 熱量は感じるが、少し期待はずれ

    日常ではない設定に多少は期待しました。熱量、ワクワク感です。 この作品と芥川賞を争った「この世の喜びよ」のような、作り物のどうでもいいリアリティーのないありふれた風景でなく(まったくワクワクしない、文章のための、あざとい文章)、荒々しい風景を期待しました。 少しそういうところもありましたが、若さゆえか、あまりに雑然として、力量なのか、散漫になってしまっていました。 作者のこれからの熱量に期待します。

  • 満足っちゃあ満足

    視点の移動は慣れれば気にならなくなった。 最後は劇的だけど曖昧に終わった感じがして、それはそれでひとつの物語らしさがあって良き。

  • 流れて絡み合って固まりになってまた流れて

    あなたが暮らしてるのは醜悪な世界で、関係ないと思っているかもしれませんが実はあなたもその構成員なんですよ、、ってずーっと耳元で囁かれているかのような小説でした。って書くと読みたくなるかもしれませんがめちゃくちゃ面白いので読まないと損です。 4人の登場人物の人生がもつれあう様を象徴するような流れのある文章もとても綺麗です。

  • 最後まで興味が持てない世界だった

    ゲイで黒人ミックスの人達のアイデンティティについて、もっとしっかり個々を見てくださいという主張があるのだろうけど、それぞれやってることがハチャメチャ過ぎて誰のことも応援したくなくて興味が持てないまま読み終えた。

  • 読者の想像力より筆者視点の読解力を求められる本

    タイトル通り。 文章、構成が極めて稚拙。登場人物の掛け合いは吹替したアメリカのコメディを見てるようで、あまりにリアル感がない。 文章内での例えには上手く言おうとして余計に伝わらないそれ。 読者側が必死に想像して出てきた場面を面白いくらいに掻き乱して置いてけぼりにする。筆者の頭の中だけで完結してるのだろうか、こちらで譲歩してそういうものかと読み進めても伏線の回収どころか余計に場面が分からなくなる。 はっきり言ってこんなに苦痛な本はない。 登場人物の描写に関しても急いでいるシーンであるに、よくもそんな暢気な事を考えれるなとか、言葉選びが二転三転している割に先程と同じ内容を繰り返して書いている等々。ツッコミたい所は山程ある。 この本を読んで深く理解できる、場面が直様に想像できるのであればその読者を酷く心配する。 人への伝え方を考え、見直したほうが良さそうだと感じる。

  • 次回の芥川賞を取ってほしい

    期待通りに面白かったが、私が現代ファッションにかなり疎くてロンティーっていう重要な小道具のことがロングTシャツのことだとすぐには分からない、とか、QRコードにスマホを翳すと動画が流れてしまうとかのITテクノロジー事情に私が今一つ疎くて作品世界に導入されづらかったとかの、新人特有の難点があった。←読者の俺の難点か?(笑) 顔を黒く塗ってる日本人の通称がマーフィーというのは、マーシー(=田代まさし)を意識してるのか?アマチュア時代のシャネルズがコンテストに出たとき、靴墨で顔を黒く塗るアイデアを思い付いたのは田代だったという。

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