作品情報
行き場のない熱を抱えた少年の、切実なる暴走劇。
角田光代・島本理生・穂村弘・町田康の全選考委員が絶賛し、「驚異の満場一致受賞」となった第60回文藝賞受賞作。北九州の片田舎を舞台に、指を失った少年と「バリイケとる」男との絆と暴走を、圧倒的なリアリティで描き出す。
レビュー要約
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高い評価。一気読みできる疾走感と、少年の不完全燃焼する感情の生々しさが支持されている。
書籍情報
- 出版社
- 河出書房新社
- 発売日
- 2023-11-21
- ページ数
- 148ページ
- 言語
- 日本語
- サイズ
- 13.5 x 1.3 x 19.5 cm
- ISBN-13
- 9784309031590
- ISBN-10
- 4309031595
- 価格
- 1188 JPY
- カテゴリ
- 本/文学・評論/文芸作品
「この先俺は、きっと何もなれんと思う。夢の見方を知らんけん」北九州の片田舎。中学生の界は、地元で知り合った「バリイケとる」男・橘さんに心酔するのだが――。第60回文藝賞受賞作。 【驚異の”満場一致”受賞!】 選考委員 角田光代・島本理生・穂村弘・町田康 絶賛!! 「この現実世界の中心にかかわりたくてあがいていながら、まったくかかわることができずにいる、 絶望と意識もされない絶望 が、絶妙に描き出されている」角田光代 「 思春期の葛藤 は時に人を殺したくなるほど肥大する。その切実さが丁寧に描かれている」島本理生 「主人公の 世界と自分の直結を夢見る感覚 はテロリスト的」穂村弘 「すべての人物が衝動に突き動かされて 瞬間をマジで生きる様 が描かれて、この作者の世界観、人間観が広く深いものであることが知れる」町田康 「任侠映画」「坊っちゃん」はたまた「少年漫画」!? ――無謀で泥臭くも美しい“鉄砲玉文学”、爆誕! 「強くなったらもう誰も俺をバカにしない。恐れられ尊敬される世界。最高やん。きっといつか、もしかしたら」 北九州の片田舎。幼少期に右手の小指と薬指の半分を失った男子中学生・界(かい)は、学校へ行かず、地元の不良グループとファミレスでたむろする日々。その中で出会った「バリイケとる」男・橘さんに強烈に心酔していく。 ある日、東京のラッパーとトラブルを起こしたという橘さんのため、ひとり東京へ向かうことを決意するが――。 どこまでも無謀でいつまでも終われない、行き場のない熱を抱えた少年の切実なる暴走劇!
小泉 綾子(こいずみ・あやこ) 1985年、東京都生まれ。10代を九州で過ごす。2022年、「あの子なら死んだよ」で第8回林芙美子文学賞佳作受賞。2023年、「無敵の犬の夜」で第60回文藝賞受賞。
レビュー
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若さ爆発
文章でここまで、言い表せようの無い、もやもやとした若さを、炸裂した文章でぶっ飛ばしていると思いました。めっちゃおもろかったです。
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一気に読めた。
思ったよりブッ飛んではいなかった。
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読みやすい
面白いの一言です。作者の小泉綾子さんを紹介するテレビを見て購入しました。テレビで紹介をされた小泉さんからこんな作品になるとは思いませんでしたが読みやすい本だと思います。表現もわかりやすいです。さすが受賞作です。
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続きが気になる
初めて小説からロックン・ロールを感じた。 主人公の界のその後が気になる。青年期の続編が読みたい。
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衝撃の青春小説
著者の意図とは違うかもしれませんが、 私は「生き急ぐ必要なんてない」という メッセージをこの作品から受け止りました。 主人公は幼少時の事故で指が欠けた中学生。 差別され、劣等感に溺れながらさまよう 彼が出会ったのは振り切れた生き方をする ヒーローのような高校生でした。 危うい少年少女の意表を突く行動に、 ただ呆然とするしかなかった! くぎ付けですよ。くぎ付け。 無上の存在だった先輩が 変わっていくにつれて、 主人公の野生が暴れだすかのような展開。 そして、次々に起こる予想外の事態。 すっかり虜になり、終幕まで一気でした。 暴走は代償と背中合わせだと 思い知ることができる点でも、 素晴らしい作品だと思います。 (対象年齢は13歳以上かな?)
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思春期の少年心理を巧みに描いているが、舞台は北九州市ではないよう
思春期の少年の心理を巧みに描いた秀逸な作品。「この先俺は、きっと何もなれんと思う。夢の見方を知らんけん」「周りの目ばっかり気にせんでさ、好きなこと見つけて堂々といきてりゃええんよ」といった言葉は胸に刺さる。ページ数も少なく、数時間で一気に読める。この少年のこの先の人生も、続編などで描いてほしいと思った。 ただ、指が2本ないという強力な設定が必要だったのか。終盤の描写と呼応はしているが、何か設計図的な強引さを感じた。情景描写が少なく、観念の世界観が強いような気がする。 読後、何とはない違和感が拭えなかった。本の帯に「北九州の男子中学生の逆襲撃」とあり、裏表紙にも「北九州の片田舎」とあるので、北九州市出身の私は、てっきり地元が舞台と思って楽しみに読み始めた。主人公が指を失う経緯として、冒頭北九州市小倉のリバーウォークの名が出てくる。が、北九州市の風景描写は全くない。また、どうも方言が違う。「~じゃろう」とは言わないし。調べると、著者は大分県日田市で中高校時代を過ごした後、福岡県宗像市の大学に進学したらしい。北九州市に在住したわけではないようだ。確かに大分の方言のように感じる。出てくるファミレスがジョイフルというのも、大分の企業だからと納得。著者がインタビューで「北九州市に隣接する大分の田舎町に住んでいた」と語っているのを読んだが、これは事実ではないのでは。日田市は北九州市に隣接していない。福岡県の筑豊地域を挟みかなり離れている。九州では、「北部九州」という言葉を使い、「北九州市」と混同しないように注意しているが、大分を北部九州と呼ぶかも微妙。ヤンキーなイメージに傾けるために北九州を利用したのだろうか。勘弁してほしい。 北九州市は政令指定都市であり、都市高速もあり、田舎とは言えないだろう。大企業が連なる企業城下町であったので、市民は体勢従順の傾向があり、おとなしく我慢するタイプが多い。一方で、行政に頼る面もある。民生委員も熱心だ。日本におけるリハビリ発祥の地でもある。病院も多い。指を失った幼児がそのままというのは考えにくい。 作中、主人公の父親は「普通のクズ」で「ここの男はたいていそうなるよな」というのはあんまりではないだろうか。関係のない北九州の地名を安易に当てはめ利用しないでほしかった。北九州市はそんなに閉塞感のある片田舎ではないし、人々は親切で誠実に生きている。偏見を助長しないでほしいと、マスコミには切にお願いしたい。
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