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解答者は走ってください

文藝賞

解答者は走ってください

佐佐木陸

数日前のことも憶えておらず、生まれてから部屋を出たことのない怜王鳴門が、ある日「パパ上」のノートパソコンに届いた「きみの物語」を読み始める。驚異の記憶力でクイズに耽溺した過去の自分、クイズチームの「サッちゃん」と「パパ」、言語を獲得した血統犬「ベリアル」——複数の世界線が現実と物語の境界を突破する、究極のマルチバース小説。

記憶クイズマルチバース物語論アイデンティティ

作品情報

この世界は破壊すべきである、○か×か?

応募総数2,018作品から選ばれた第60回文藝賞優秀作。選考委員の穂村弘が「驚嘆」と評した、型破りな構成と世界線の多重化で、クイズ・国家転覆・ギターケース爆弾が交差する前代未聞の作品。

レビュー要約

  • 賛否両論。型破りな展開と世界線の複雑な入り組みに戸惑う読者がいる一方、著者の「想像を超えるものを」という意志を評価する声もある。

書籍情報

出版社
河出書房新社
発売日
2023-11-21
ページ数
128ページ
言語
日本語
サイズ
13.5 x 1.5 x 19.4 cm
ISBN-13
9784309031606
ISBN-10
4309031609
価格
1540 JPY
カテゴリ
本/文学・評論/文芸作品

この世界は破壊すべきである、○か×か? 過去の記憶がない怜王鳴門にある日届いた「きみの物語」。読者を挑発する究極のマルチバース小説! 第60回文藝賞優秀作。穂村弘驚嘆! 我々も現実世界に閉じ込められた登場人物だ。小説の枠組み自体が問題視され、登場人物が複数の階層を貫いて行動する本作を、もっとも推した。 ――選考委員・穂村弘 「お前は、この世界を壊すのか」 「うん」「すべてを無へ帰す」 「なんのために」 「パパのために」 (本文より) クイズ大会、国家転覆、そしてギターケース爆弾――。 型破りな展開と、移り変わる世界線が、物語と現実の境界を突破する、破格のデビュー作!

佐佐木 陸(ささき・りく) 1990年生まれ。埼玉県出身。2023年、「解答者は走ってください」で第60回文藝賞優秀作を受賞。

レビュー

  • 好き

    なに考えてるのかわからない人の頭の中を覗いて期待通りによくわからなかった楽しさがありました。

  • 壮大なスケールの世界観、美しい文体。いい意味で「常識破り」の良書

    クイズが大好きな主人公の怜央鳴門(れおなるど)が、父の書いている小説を見つけるところからはじまる物語だが、既存作品にはない「クイズ」というテーマと、奇想天外なストーリーに引き込まれた。父の小説を読み進めるうちに、読者は主人公の置かれている奇妙で不思議な世界の意味=「クイズの解答」を徐々に知らされていく感じです。透明感のある文章で、豊かな語彙力にうっとりとする瞬間が何度かあった。空想の世界と現実の世界のメリハリ感も面白く引き込まれたが、この世の中の抱えている問題がサラリと内包されていて、世界観のスケールも大きく、非常に好みの文体だった。ただ、タルパやイマジナリーフレンドを普通の人は知らないと思うので、そのあたりの説明がうまく盛り込まれていたら良かったと思う。いい意味で、自分の中の常識を突き破ってくれる作品だった。

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