生きる演技
元天才子役の生崎と、たびたび騒動を起こす俳優志望の笹岡は、高校の文化祭で戦争の惨劇を題材にした舞台へ向き合う。親や家族への怒りを抱えながら、演じることを通して互いの本音と、自分たちが生きる社会の空気を見つめる長編小説。
作品情報
演じることは、隠してきた本音と社会の息苦しさを引き受けるための、二人だけの舞台になる。
『生きる演技』は、演技を手がかりに、家族、友情、戦争の記憶、そして「普通」であることを求める社会を描く小説である。生崎と笹岡が文化祭の舞台をつくる過程は、若者が傷ついた経験を言葉と身体で引き受けようとする試みとして展開する。第41回織田作之助賞の受賞作。
レビュー要約
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独特の文体と重い主題に圧倒されるという反応が多く、家族関係や他者との関わりを切実に描く点が読後に残ると受け止められている。一方で、語りの癖や複雑さを難しく感じる読者もいる。
書籍情報
- 出版社
- 河出書房新社
- 発売日
- 2024-03-14
- ページ数
- 368ページ
- 言語
- 日本語
- サイズ
- 18.8 x 1.5 x 12.8 cm
- ISBN-13
- 9784309031774
- ISBN-10
- 4309031773
- 価格
- 2475 JPY
- カテゴリ
- 本/文学・評論/文芸作品
家族も友達もこの国も、みんな演技だろ――元「天才」子役と「炎上系」俳優。高1男子ふたりが、文化祭で演じた本気の舞台は、戦争の惨劇。芥川賞作家による圧巻の最高到達点。 かれはこの場のぜんぶを呪っている。 それを才能といってもいい。 そして演じるちからに変えている。 「最高に読み応えがあり、かつ唯一無二の印象がある。時代のフロンティアに刺さっている。」――古川日出男(朝日新聞文芸時評) 「間違いなく、作家・町屋良平のキーとなる作品」―山﨑修平(週刊読書人文芸時評) 本心を隠した元「天才」子役・生崎(きざき)と、空気の読めない「炎上系」俳優・笹岡(ささおか)。性格は真逆だが、同じように親を憎み、家族を呪い、そして「家族を大事に」というこの国が許せない。互いの本音を演じあうふたりはどこへ向かうのか――? 「今この国の空気」を生きるすべての人へ問う衝撃作! 「デビューから7年のすべてを投じました」――町屋良平
町屋 良平(まちや・りょうへい) 1983年東京都生まれ。2016年『青が破れる』で第53回文藝賞を受賞しデビュー。19年『1R1分34秒』で芥川賞を受賞。22年『ほんのこども』で野間文芸新人賞を受賞。他の著書に『恋の幽霊』など。
レビュー
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町屋良平ワールドの典型
これこそ町屋先生と感じます。ますますファンになりました。
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概ね楽しく読みましたほ・ネタバレあります
自分的に、町屋氏の文体は読みにくいんだよな… 端的にいうとめんどくさっ。みたいな が、なんか引きがあって読み始めると途中で放り投げられないんだよねー …なんやかんやでザッパに若者の青春ものと認識して読んでたら ちょっと予想外の方向に展開してた そうか。第二次性徴って「半ば性格を奪われる」事態なんだ… とても深く腑に落ちてみた 概ね楽しく読みました
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この文体で叙述することに必然性はあるか
書評で見て、「内容」に興味を持ったが、「文体」がどうにも合わず、中断。作者の従来からの文体なのか、それとも本作では特にこの文体を採用する必要があったのか。私は凝った文体がどうにも苦手である。井上ひさしは「むずかしいことをやさしく やさしいことをふかく」と言ったが、どうも、あえて「やさしいことをむずかしく」表現しているように思えてならない。これは作品そのものの評価でも感想でもない。これは私個人の好みの問題だろう。おそらく続きはもう読まない。
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かなりすごい
最新の注意を払って読まなきゃいけない「読みづらい文体」だけど、かなりすごいことをしてると思う。うなった。
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圧倒的
圧倒的傑作。「演技」を通して、大人社会と歴史性が抉られる。
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作者の渾身の作品
渾身の一作といって過言はない。 演技を通して反発し、通じ合い、重なる高校生の息遣いは新鮮で身に迫るものがある。たしかに読むためにカロリーの必要ではあるが、あの文体でしか伝えられない空気がある。