作品情報
『彼岸花はきつねのかんざし』は、朽木祥・ささめやゆきによる受賞作として、題材の奥にある人の記憶と関係を見つめる作品である。
戦時下の広島で暮らす少女が不思議な子ぎつねと心を通わせる児童文学。穏やかな日々と原爆による喪失を、彼岸花の鮮やかなイメージに重ねて描く。
書籍情報
- 出版社
- 佼成出版社
- 発売日
- 2025-06-26
- ページ数
- 180ページ
- 言語
- 日本語
- サイズ
- 15.8 x 1.8 x 21.5 cm
- ISBN-13
- 9784333029426
- ISBN-10
- 4333029422
- 価格
- 1760 JPY
- カテゴリ
- 本/絵本・児童書/読み物
「こんど、また遊んでね」 「こんども、こんども、また、こんどもね」 也子が出会った、ふわふわのしっぽの小さなきつね。 あしたも、きっときつねを探しに行こう。 そう思っていたのに――。 戦時下の広島でくらす、小学4年生の也子。 子ぎつねと次第に仲よくなっていく つつましくも穏やかな日々が、 一発の爆弾によって、突然奪われます。 あたりまえの暮らしが奪われることこそが、非戦闘員までも巻きこむ戦争の恐ろしさであり、悲しみなのです。~あとがきより~ 教科書に採用された『たずねびと』の著者による、新しい戦争児童文学の原点。 日本児童文芸家協会賞、赤い鳥さし絵賞受賞作品。 ※本書は2008年に発行された『彼岸花はきつねのかんざし』(Gakken)の新版です。新版の刊行にあたり、全編を通して表記を改め、表現の一部を加筆修正しました。 ■編集者コメント 著者は被爆二世であり、「今を生きる子どもたちにいかに戦争体験を分かち合うか」という困難なテーマに真摯に取り組んで来られました。2020年から教科書(小学五年生国語/光村図書)に『たずねびと』が掲載されていますが、2008年に発刊された本書は、著者がそうした「新しい戦争児童文学」として最初に書いた作品であり、原点とも言えます。戦後八十年という節目に、ぜひ読んでいただきたい一冊です。
朽木 祥(くつき しょう) 広島市出身。被爆2世。 デビュー作『かはたれ』(福音館書店)で児童文芸新人賞、日本児童文学者協会新人賞ほか受賞。『彼岸花はきつねのかんざし』(Gakken)で日本児童文芸家協会賞、『風の靴』(講談社)で産経児童出版文化賞、『光のうつしえ』(講談社)で小学館児童出版文化賞ほか受賞。『あひるの手紙』(佼成出版社)で日本児童文学者協会賞受賞。ほかに『八月の光失われた声に耳をすませて』(小学館)など著書多数。ヒロシマを描いた「たずねびと」が2020年より小学校教科書(光村図書)に採択されている。近年では『光のうつしえ』が英訳(2025年、独語訳)刊行され、2023年にはアラブ首長国連邦、ドイツの児童書フェスティバルに日本の作家として初めて招聘されるなど、海外での評価も高まっている。 ささめやゆき 東京都出身。 1985年、ベルギー・ドメルホフ国際版画コンクールで銀賞。『ガドルフの百合』(偕成社)で小学館絵画賞、『真幸くあらば』で講談社出版文化賞さしえ賞、『あしたうちにねこがくるの』(共に講談社)で日本絵本賞、『彼岸花はきつねのかんざし』(Gakken)で赤い鳥さし絵賞を受賞。その他の作品に『椅子―しあわせの分量』(BL出版)、『ねこのチャッピー』(小峰書店)、『あるひあるとき』(のら書店)、『あひるの手紙』(佼成出版社)など、多くの絵本・画集・挿絵を手がける。エッセイ集に『十四分の一の月』(幻戯書房)、『グーテンベルグの時代に回帰する』(小鹿社)などがある。
レビュー
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新版の特長
新版では、カバー、表紙の絵が変わったことにまず気づきます。ささめやゆきさんが前と少し変えて、題名の彼岸花を配したものです。より良くなったと思います。 本文、注もきめ細かく直していて、作者の細心の注意が生きています。 また、新版のための後書きの文章が、短いながら端正で、かつ平和への思いが強く表されています。 児童文学であり、大人の読むにもふさわしいものと思われます。
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むかしの日本に散歩したい・・😊
いま、興味深く読んでいる途中ですが、ネット情報氾濫の昨今、かっての美しい日本の姿を垣間見るようで、こころのなかに・・ホッとするものがあります!😊
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「あしたも、あしたも 遊ぼうね」と約束したのに・・・」
作者の朽木祥さんによる「新版へのあとがき」が心に沁みとおります。帯の「戦争は、おだやかな日常を一瞬で奪う」も素晴らしいです。
関連する文学賞
- 赤い鳥さし絵賞 第23回(2009年) ・受賞