作品情報
異界の戦場で、勝負の論理と人間の闇がむき出しになる。
将棋の駒に変えられた青年が、軍艦島を思わせる異界で赤と青の軍勢の戦いに巻き込まれる長編。ゲーム的なルールとサバイバルの緊張を重ね、人間の欲望や勝負への執着を描く。
レビュー要約
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書誌情報と紹介文から、受賞時のジャンル性や主題が確認できる。読者向けには、設定の明快さと受賞作らしい着想の強さが評価の中心になる作品である。
書籍情報
- 出版社
- 祥伝社
- 発売日
- 2011-02-11
- ページ数
- 496ページ
- 言語
- 日本語
- ISBN-13
- 9784396633585
- ISBN-10
- 4396633580
- 価格
- 1300 JPY
- カテゴリ
- 本/文学・評論/文芸作品/日本文学
神の仕掛けか、悪魔の所業か。 地獄のバトルが今、始まる! 戦え。戦い続けろ。 1997年日本ホラー小説大賞、2005年日本推理作家協会賞長編賞、2008年日本SF大賞、2010年第1回山田風太郎賞 各賞撃破! エンターテインメント界の鬼才が贈る最新長編! 「覚えてないの? ここ、端島じゃない。こんな場所、ほかにないもの」 その名前に触発されて、いくつかの情景が意識に現れようとした。しかし、その映像はぐにゃりと歪み、闇の中に溶け去ってしまう。まるで、この島に関する記憶は、絶対に思い出してはいけない禁忌であるかのように。 「そうか……そうだった。俺も、たしかに、ここへ来たことがある」 長崎市の沖合にある、遺棄された海底炭坑の島──端島。コンクリートの護岸に囲まれて、建物が密集した独特の外観から、軍艦島という通称で知られている。だが、何のために、こんな島へ来たのかは、思い出せない。まして、なぜ、ここで戦わされているのかは、見当もつかなかった。(本文より) “軍艦島”を舞台に描く、悪夢の世界! 情報科学部学生で日本将棋連盟奨励会に属するプロ棋士の卵である塚田は闇の中で覚醒した。十七人の仲間とともに。場所も状況もわからぬうちに始まった闘い。人間が異形と化した駒、“敵駒として生き返る戦士”などの奇妙な戦術条件、昇格による強力化――闇の中、廃墟の島で続く、七番勝負と思われる戦いは将棋にも似ていた。現実世界との連関が見えぬまま、赤軍を率いる塚田は、五分で迎えた第五局を知略の応酬の末に失い、全駒が昇格する狂瀾のステージと化した第六局は、長期戦の末、引き分けとなった……。
1959年大阪府生まれ。1997年に『黒い家』で第4回日本ホラー小説大賞、2005年に『硝子のハンマー』で日本推理作家協会賞長編賞、08年に『新世界より』で日本SF大賞、10年には『悪の教典』で第1回山田風太郎賞を受賞した。複数のジャンルでつねに話題作を発表し続ける、エンターテインメント界の鬼才。
レビュー
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好きな本
好きな本なので、購入できて良かったです。将棋好きな人にもお勧めです。
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まぁ、山田悠介氏には書けまい。
久しぶりに著者の作品を読んだ。彼の作品を読みたくなる時は決まって「活字に飢えているとき。」そう、ビジネス本や自己啓発本など表現の幅が狭い本ばかり読んでいるとたまに陥る症状。“あぁ、想像力豊かな文章が読みたい”この欲求を満たしてくれるのが、僕の中では彼が一番しっくりくる。 舞台は軍艦島・・・だと思われる非現実世界。主人公はプロの将棋棋士を目指す大学生。いつまでたっても先の位に昇進しない焦りから日々を暗雲たる思いで過ごしていた矢先に起きた非日常の殺戮ゲーム。繰り広げられるゲームは単なる殺し合いなどではなく、れっきとした戦術ゲーム。将棋やチェスなどと何も変わらない盤上の腕試し。ただし、使う駒は自分自身であり、愛する恋人であり、大学の教授であり、彼らを殺したり生き返らせたりしながらシナリオを展開する。死ぬ間際の苦痛を何度も味わいながら、それでも戦う様は、確かに今までの彼の作品からするとどこか現実味に乏しい感が否めない。ところがこの、“大学生の日常”と“延々と続く殺戮ゲーム”がしっかりとテーマを刻むから面白い。相反する二つのキーワードが見事に融和し、非日常的なダークゾーンでの出来事を思いのほかリアルに感じることが出来たのは筆者の筆力のたまものだと思う。もし、同様のテーマで山田悠介氏が筆を執ったなら・・・苦笑いと共に途中で読書を辞めていたかもしれない。 無間地獄のような日常と、プロ将棋棋士になるための心的プレッシャーを見事に別世界に描くことができた本書、内在するもう一つの狂気については是非ご自身で読んで感じてほしい。相も変わらず、喉にまとわりつく恐怖感で読了することが出来る一冊だ。
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怖さは中ぐらい
表紙が怖そうだったので覚悟していたのですが、怖さよりもストーリー(ゲーム?)の続きが気になって、一気読みしてしまいました。
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貴志祐介最高傑作
ほとんど全ての貴志祐介作品を読んでいますが、 読了後、それまで貴志作品の中で最高傑作だと思っていた 「クリムゾンの迷宮を超えた!」と興奮しました。 しかし、レビューや書評などを見てみると思ったほど評価が高くないのでびっくり。 人の好みはいろいろだなあと改めて感じた次第です。 物語は異世界での人間将棋の様なバトルのパートと、 現実世界の回想パートが交互に続きます。 バトルパートの駆け引きなども良かったですが、 間に入ってくる現実世界の回想パートが ちょうど作品全体に緩急をつける形になっていて ダレずに引き込まれたまま一気に読み終えることができました。 現実世界パートの鬱々とした救いのない感じも良かったですw オチも賛否両論あるようで、確かにある程度読めるオチではあったのですが、 後味が悪いような、少し切ないような、なんだか納得がいかないような・・・、 なんとも言えない微妙な読後感が個人的にはストライクでしたw この読後感はクリムゾンの迷宮に近いかなと思いました。 まあこの辺も好みのわかれるところなんでしょうね。 レビューの評価を見て購入をためらっている方もいるかと思いますが、 私のように好みにドンピシャではまる可能性もありますので、 気になっている方は是非一度読んでみてもらいたいです。
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禁断の一手(若干ネタバレ)
文章が火を噴くのではないかと思わせるほど、苛烈な戦闘シーンに満ちた作品だった。 500ページ近い大作だが、一気に読ませるパワーは、さすが貴志祐介の専売特許。 しかし、エンディングに近付くにつれ、いや増す不安感。 あとこれだけのページ数で、この理不尽極まりない世界観に結末をもたらせるのか。 そしてエンディング。私は目を疑った。まさかと思った禁断の結末を、正面切って見せられたのだ。 読み終えたあと、私の頭はしばし以下の情景を妄想しフリーズ状態に陥った。 ・・・貴志の書き手は、苛烈をきわめた。 俺には、ここまで激しい小説が書けたのかと、自分でも意外に思うくらいだった。 貴志は、深呼吸すると、キーボード横に置いてあったボトルのウォッカを飲み干した。 一気に、書ききってやる。 貴志は渾身のエンターキーを放つ。 そのとき、澄んだ打鍵音の中に、ほんのわずかな異音が混じった。 貴志の呼吸が止まった。 想定していた筋書きの中に、一箇所だけ、致命的な読み抜けがあったことに気がついたのだ。 俺は、作品の結末を考えていない・・・。 頭からざっと血の気が引き、心臓が狂ったように激しく動悸を打ち始めた。 馬鹿な。俺は、こんな単純なミスのために、みすみす作品をふいにしてしまったのか。 キーボードを凝視する貴志の目には、さらに信じがたいものが映っていた。 今打ったばかりのエンターキーが、縦に真っ二つに割れているのだ。 真っ二つになったキーは、作品の結末だけでなく、無残に砕け散った貴志の未来をも暗示しているようだった。 まだだ。まだ・・・。 この終盤で結末を考えていなかったのは痛いが、あの手を使えば、まだ粘れる。 貴志は、禁断の結末を書き込んだ・・・。
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がっかり
世界観が突飛すぎる 臨場感も感じないし 展開にワクワクすることもない 著者のファンで他の作品は大好きなので とても残念
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個人的にはクリムゾンの迷宮の事実上の続編のように感じました。個人的には読後の満足感はこちらの方が高かったですね。
個人的にはクリムゾンの迷宮の事実上の続編のように感じました。個人的には読後の満足感はこちらの方が高かったですね。現実世界の方とのリンクもよくできていて、ダークゾーンの中の戦いとの相乗効果が働いていてサバイバルホラーとして印象深い作品になっていました。ただ現実の世界の真相が闇の中で終わった部分は残念ですね。これ以上はネタバレになるので書きませんが。ダークゾーンの戦いにおいては、完全情報ゲームである将棋の戦い方が役には立つものの現実の戦いにおこる予測不可能な難しさも混ざり合ってなかなか興味深いものになっています。また現在の将棋界の極端なプロになることの難しさが描かれており、一年で2名しかなれないと知った時は驚きました。また一度プロになった人はやる気も気力も向上心も無くなっても月一回の対戦で最低限食べていけるという既得権益者であると書かれている部分や、プロ棋士が150名いながら、その1/3ほどはプロの一歩手前の3段の人たちよりも弱いというのですから極端なプロの既得権益構造社会だと感じました。こういう将棋界の内情も書かれているので、そういう知識を踏まえて読むと主人公と対戦相手に一体感が持ててより面白く読めました。さらに小説内の現実世界での殺人事件(?) やダークゾーン内での消滅への恐怖や苦痛もこの本に深みを与えています。
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つまらない
悪の教典が面白かったので他の作品は? と思い読んだのですがつまらない。
関連する文学賞
- 大学読書人大賞 第6回(2013年) ・6位