作品情報
平和構築を「法の支配」から読み解く国際政治学の研究書。
篠田英朗『平和構築と法の支配』は、創文社から刊行された国際政治学の研究書。副題の通り、国際平和活動を理論面と機能面から分析し、大佛次郎論壇賞を受けた。
レビュー要約
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要旨は、基本概念の説明から思想的・歴史的背景の描出へ進む構成を示している。実務と理論をつなぐ研究書として読まれる。
書籍情報
- 出版社
- 創文社出版販売
- 発売日
- 2003-11-01
- ページ数
- 255ページ
- 言語
- 日本語
- ISBN-13
- 9784423710562
- ISBN-10
- 4423710560
- 価格
- 4180 JPY
- カテゴリ
- 本/社会・政治/法律/暮らしの法律/法律入門
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レビュー
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平和構築と国際平和活動の関係が明確に
本書は第3回大佛次郎論壇賞を受賞した。平和構築という現代の国際社会が抱える課題に、「法の支配」という切り口で正面から挑んでいるのが本書だ。我が国では、平和構築に関して、ようやく理論的に整理を始めたばかりで、類書が少ないなか、本書は学術書として極めて貴重な一冊だ。さらに、平和構築の現場で、選挙支援や司法制度整備などに取り組む専門家にとっても参考になる。 平和構築において最も重要な点は、「法の支配」に基づく社会作りを進め、暴力に拠らない紛争解決のメカニズムを確立することである。通常は、「正義と平和」といった対峙でとらえられる問題を、著者は「司法と平和」という視点で議論し、司法を個人の罪の追及、平和を社会の問題ととらえる。また、和平合意と紛争成熟度の概念をリンクさせ、未熟な段階での和平合意は平和構築の害となるといった論は説得的だ。和平プロセスの流れを、和平交渉→和平合意→平和構築と時系列的に把握するだけでなく、和平合意がない段階で進められた平和構築に関する分析も行っており大変興味深い。
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よくリサーチが出来ている
国際・国内紛争が増加している近年‘平和構築’という概念は開発・国際政治の世界で大きく注目を浴びている。学者の書くものは概して表面的もしくは全く的を得ていない物が多い中、この本はよくフィールドでの動向を捕らえ、大きな政治的流れともリンクさせ、かつ法の支配という平和構築の中でも根本的な課題にフォーカスしている。筆者の言うほど‘戦略’というレベルの考察にはいたっていないが、非常によくまとまっている良書。
関連する文学賞
- 大佛次郎論壇賞 第3回(2003年) ・受賞