日本の文学賞

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さようなら、オレンジ (単行本)

大江健三郎賞

さようなら、オレンジ (単行本)

岩城けい

書籍情報

出版社
筑摩書房
発売日
2013-08-30
ページ数
176ページ
言語
日本語
ISBN-13
9784480804488
ISBN-10
448080448X
価格
600 JPY
カテゴリ
本/文学・評論/文芸作品/日本文学

第8回大江健三郎賞受賞 2014年本屋大賞4位 第150回芥川賞候補 第29回太宰治賞受賞 「私は生きるために、この異国にやってきた。 ここが今を生きる、自分のすべてなのだ。」 ■各所から絶賛の嵐! 「言葉とは何かという問いをたどってゆくと、その先に必ず物語が隠れている」 ―小川洋子 「読んでいて何度も強く心を揺さぶられ、こみあげるものがあった」 ―三浦しをん

岩城けい(いわき・けい):大学卒業後、単身渡豪。 SW TAFE ヴィジュアルアート科ディプロマ修了。 社内業務翻訳業経験ののち、結婚。 在豪二十年。 太宰治賞受賞時の「KSイワキ」から改名。

レビュー

  • 迫ってくる作品です。

    ものすごい作品です。 冒頭からジンジンと胸に迫ってきます。 読み終えて、しばらく身動きできませんでした。

  • 誠実に求める人間らしさ

    はじめは、サマリの話の間に、ハリネズミの書簡が出てくるのか、よくわからないままに読んでいました。 サマリの誠実で、真摯な生き方、精一杯自分探しをする姿しか見えていなかったのです。 終わりに近づくにつれ、ハリネズミが誰だったのかがわかり、書簡の意味がわかったとき、感動が押し寄せてきました。 学ぶとは、誠実を胸に刻むこと!と改めて思いました。

  • ドラマチックなことなどないが

    読みやすかった。 そして、全然も文化も違う国の人々が出てくるのに、 彼女たちの心の動きが、なんの違和感もなく、 リアルに胸に染み込んできた。 女として「強く生きるとはなにか」を、派手でもドラマチックな出来事も無いが、 しっかりと伝わってくるものがあった。

  • 切ないながらも、勇気を与えてくれた秀作!

    異質のものを受け入れ難い環境の中ででも、諦めないで人間の心の誠実さと温もりを信じて、自分自身がそれを実践してゆけば、必ず人の心の扉は開かれることを証明してくれた一冊でした。流行り言葉としてではなく、本当の意味での "Diversity" の大切さを丁寧に表現してくれた著者の感性に、心打たれました。ぜひ手に取って読んでみてください。

  • 海外在住女性はこんなにtypicalではありません

    とても面白い物語だと思うのです。主人公のアフリカ移民のかたの心温まるる’成長記録・・・でしょう。私もこの作家の方と同様オーストラリアに25年住んでいます。それがきっかけでこの本(+もう一冊のMasato)を読むことになりました。でも、本音を言うと、どうして日本人女性がこんなにtypicalにえがかれているのか(もう一冊のMasatoも同様)理解できません。個人的にはほとんど「怒り」を感じました。私の知っている在豪日本人の女性たちを見回してみると本当に違います。高卒でオーストラリアに来てがんばっているダンサー(4人子供がいます)ワーホリから住みついて二人の子供と夫と一緒にマーケットで日本料理を売っている人、公文を始めた人。あの否定的で、恨みがましい感じの日本人、たぶんある種の場所にはたくさんいるんでしょうが、わたしのいる田舎町ではなかなか見られません。ということは作者の中にいるんでしょうね。海外在住の’日本人がこんなだとは考えないでください!

  • もし、言葉の通じない国に住んだ経験があるのなら

    外国に限らず、言葉や文化習慣の違う場所に暮らした経験のある人なら、かつて自分が肌で感じたものをフラッシュバックさせてくる小説と思います。 文章は翻訳調で、明らかに他言語を使う人の日本語の構成をしていると思います。よって、読みにくい、理解しにくいと感じる人もいるでしょう。 そこはおそらく好みではないかと。 言葉が通じない、あるいは異国人であるということは、おのが耳と口を使えぬ閉塞された状態になります。 同じ国の人間だからといって、簡単に相いれることができるほど、人間は単純ではありません。 登場するふたりの女性には、共通するものはいっさいありません。 ひとりは知的欲求をおさえきれない中、家庭におさまることを強制されている立場の日本人。もうひとりは、戦禍から逃げてきた無学で、家族からも軽んじられているアフリカ人女性です。 彼女らは、お互いを少し距離を置きながら、見詰め合っているだけです。 けれど、心の糸にわずかに共鳴するものを、この小説は緻密に描いていました。 淡々とした物語で、怒涛のドラマというものはありません。 けれど、読了後、なんともいえない感覚に包まれ、それは、かつて異国でひとりで生活した時に、ふと夜、ひとりで感じた何かに近いものがあると思いました。

  • 素晴らしい作品

    とても読みやすく、スーと心に入って来まして。現代では、とても良い作品である。文章が気に入りました。こんな作品を又期待しています。大変な作品です。

  • 日本文学に誕生した難民文学

    アフリカの難民の女性と日本からやってきた女性。二人の境遇は対照的ながら、喪失を含む家族との関係、そして母語ではない言語で書くという営みを共通項として交流が生まれ、それぞれが新たな人生のステージへと歩んでいく物語。 アジアやアフリカの難民の問題は、多くの日本人にとって、やはり縁遠い。「技能実習生」という偽りの名目で大勢の外国人が日本で暮らしていても、まだ彼ら彼女たちの手になる文学が生まれるには時間がかかりそうだ。そんな中で生まれたこの小品は、オレンジのイメージが生み出す哀しくも美しい抒情性を湛えながら、難民文学の未来を灯台のように照らしだしたと思う。

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