1812年の雪―モスクワからの敗走
ナポレオンのモスクワ遠征と、その後の壊滅的な撤退を描く歴史読物。知られざるフランス側資料をもとに、勝利に近づいたはずの大軍が雪と飢えと戦略の破綻によって崩れていく過程を追う。
作品情報
栄光の遠征が敗走へ変わる瞬間を、資料の手触りとともに描くナポレオン戦史。
1812年、ナポレオン率いる大軍はロシアへ進み、モスクワへ到達する。しかし遠征は勝利では終わらず、寒気、飢餓、補給の崩壊、戦略判断の誤りが重なって、兵士たちは過酷な敗走へ追い込まれる。『1812年の雪』は、皇帝の構想と現場の惨状を照らし合わせながら、近代ヨーロッパ史の大きな転換点を読み物として描き出す。
レビュー要約
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悲劇的な撤退行を資料に即して描く歴史読物として、戦争の光と影を考えさせる構成が評価されている。皇帝の判断と兵士たちの犠牲を並べて扱うことで、英雄譚ではない重さが残る。
書籍情報
- 出版社
- 筑摩書房
- 発売日
- 1980-07-01
- ページ数
- 240ページ
- 言語
- 日本語
- ISBN-13
- 9784480851581
- ISBN-10
- 4480851585
- 価格
- 342 JPY
- カテゴリ
- 本/歴史・地理/世界史
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レビュー
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白い地獄
「戦争と平和」がロシア側から見たナポレオンのロシア遠征なら、本書はフランス軍あるいは大陸軍側から見たロシア遠征の顛末を活写している。現場感が半端なく、実際に見ているような光景が眼前に展開される。ロシア遠征に参加した兵士、それに付き従った女性や子供たちの描写が続くが、当然後半は眼をそむけたくなるような地獄が展開される。ヘップバーン版「戦争と平和」で最大のスペクタクルとして描かれたベレジナ河渡河も映画の描写などとてもとても生ぬるいと思えるほどの修羅場であり、渡河終了後の惨状をロシア軍将校が供述しているが、そのすさまじさにしばし凍り付いた。戦争の悲惨さを否が応でも思い知らされるのだが、この時代に少しでも興味のある人は絶対に読んでおいた方が良いと言い切ることができる。
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ナポレオンのロシア遠征
ある世界史の参考書のなかで紹介されていた一冊 (鈴木敏彦『ナビゲーター世界史B 3』山川出版社、 1999、p. 151)である。 本書の特徴は、トルストイの『戦争と平和』をはじめ とする多くの資料を活用しながら歴史が語られていく という点にある。 とくに、 Memoires Du Sergent Bourgogne という本からの抜粋が非常に力強く、ひ きつけられる(同書の邦訳はないよう―ご存知なら 教えて! ―)。 なお、巻頭には地図が載っているほか、幾枚かの画も 散りばめられ遠征時の様子を想像する助けになる。ま た巻末にあるのは、主な引用・参照文献、補遺を含む 「文庫版あとがき」、作家・角田房子による「解説」 である。
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兵卒から見たロシア遠征
ナポレオンのロシア遠征を兵卒の立場から描いた本 あまりに悲惨すぎる撤退戦は有名ではあるんだが 往路でさえ上がらない士気と焦土戦術でgdgdになってしまった またロシアは多くの外国人の専門家を住まわせていたのだが その中にはフランス人将校もいて、フランス兵捕虜を保護していたのだという 官僚たちの夏に出てきた人のモデルでもあるんだけど ちょっと独特で堅いけど読み始めると止まらない文章は楽しい そしてナポレオンの単なる英雄譚ではなくここの兵士の悲劇に迫ったものを書いた、というのは ある種、通産官僚としての一つの思想の表れであったのかも知れないよな
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感動もの
本書に多くの材料を提供した、兵卒の視点で記録された近衛軍ブルゴーニュ軍曹による覚え書きは、和訳は無いようだが英訳は "Memoirs of Sergeant Bourgogne: 1812-1813" (定冠詞 the は付いたり付かなかったり) のタイトルで沢山出版されている。120円 ( amazon.comで90¢、八年前に amazon.co.jp で買った端末で読めた) でKindle版も買え、安いし買って損はない。 原著は一人称で書かれている。読むと、本書の典拠を明らかにしていない部分でもブルゴーニュ軍曹に拠っている部分が結構あると分かる(帰途のベレジナ渡河前後など)。