作品情報
古典文学と本格ミステリの奥に流れる見えないつながりを探る評論集。
英文学とミステリの境界に焦点を当てた評論集。ルイス・キャロルから黄金期探偵小説、黒岩涙香の翻案原典まで、文学史の表面では離れて見える作品群を探偵小説的な関心で読み直す。研究の精密さと、本格ミステリ読者を引き込む知的な推理の感覚が同居している。
レビュー要約
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古典ミステリへの深い知識と、翻案原典を追う執念が読みどころとして受け止められている。研究書でありながら、発見の過程そのものに物語性がある。
書籍情報
- 出版社
- 東京創元社
- 発売日
- 2009-02-28
- ページ数
- 244ページ
- 言語
- 日本語
- ISBN-13
- 9784488015237
- ISBN-10
- 4488015239
- 価格
- 3009 JPY
- カテゴリ
- 本/文学・評論/評論・文学研究/外国文学研究/英米文学
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レビュー
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もう少し先へ
『創元推理21』『ユリイカ』『ジャーロ』といった雑誌掲載の評論や、『密室殺人大百科』ウィリアムスン『灰色の女』などの解説を一冊にまとめたもの。 「ルイス・キャロル論-アリスの「私」探しの旅」」「『妾の罪』における叙述トリックの位相」「知られざるバーサ・M・クレーのミステリ」「ウィリアムスン『灰色の女』と黒岩涙香『幽霊塔』をめぐって」「ファーガス・ヒューム論-19世紀と20世紀の狭間に埋もれた作家」「密室講義の系譜」「クイーン論の断章」といった章が並んでいる。 19世紀~黄金派のミステリや、明治の翻案小説を、英文学研究的な手法で解き明かそうとしている。一般に知られているミステリを、もっと広い視野から眺めることができ、おもしろい。 ただ一方で、もうひとつ突っ込みきれていないと感じる箇所が少なくない。
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高校の後輩にあたるので
小森健太郎氏は高校の後輩にあたります。このたび講演していただくことになりましたので作品を より深く読んでみようと思いました。ミステリーの系譜を興味深く読みました。
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10年後も参照されるだろう書籍
いくつかの評論からなる書籍ですが、ミステリー初期、さらに遡ってミステリー登場前夜の現在は忘れられてしまったような作家の広義のミステリーについての記述が最大の読み物でしょう。 おそらく、初期のミステリー小説に関心を持つ人は、この本をはじめの手がかりにすることだと思います。 肩肘張った学術的な関心を除外しても、紹介されている埋もれた作品のあらすじを読んで面白そうな作品を探す楽しみもできると思います。 幸い、日本でも未訳の作品の発掘がブームの様相であり、英語が読めれば、グーテンベルグプロジェクトなどのサイトにフリーテキストが掲載されている作品もありますので、実際に読んでみることも不可能ではありません。
関連する文学賞
- 日本推理作家協会賞 第63回(2010年) ・受賞