日本の文学賞

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日本推理作家協会賞 にほんすいりさっかきょうかいしょう

第63回(2010年)

推理小説

受賞者

4名
飴村行 あめむら こう 受賞

飴村行のホラー・ミステリ長編。戦時下の日本と東南アジアの密林を背景に、爬虫人ヘルビノをめぐる異様な事件が連鎖する。暴力、滑稽さ、グロテスクな想像力を混ぜ合わせ、粘膜シリーズの歪んだ世界をさらに押し広げた作品。

戦時下の密林と爬虫人の伝説が、凄惨で奇妙な事件を呼び込む。

384ページ
ホラー戦時下爬虫人グロテスクミステリ
貫井徳郎 ぬくい とくろう 受賞

貫井徳郎の社会派ミステリ。街路樹、医療、行政、飼い主のマナーなど、誰もが見過ごす小さな無責任が連鎖し、幼い命を奪う悲劇へと至る。遺された父が真相を追うなか、法では裁ききれない罪の形が浮かび上がる。

小さな無責任の連鎖が、法で裁けない殺人を生む。

516ページ
社会派ミステリモラル事故と責任家族の喪失小さな罪
安東能明 あんどう よしあき 受賞

安東能明の警察小説短編。組織の規律と現場の判断がぶつかる警察の内側を舞台に、管理と監督の責任、部下を抱える者の孤独を描く。短編集『撃てない警官』に収録され、柴崎令司という警察官の屈折した再出発を形づくる一編。

警察組織の管理責任と現場の痛みが、静かにぶつかり合う短編。

363ページ
警察小説組織責任左遷現場捜査職業倫理
小森健太朗 こもり けんたろう 受賞

小森健太朗による古典ミステリ研究書。『不思議の国のアリス』論から、クイーン、カー、ヴァン・ダイン、黒岩涙香の翻案原典調査まで、英文学と探偵小説の地下でつながる水脈を掘り起こす。評論でありながら、謎解きのように読ませる構成を備える。

古典文学と本格ミステリの奥に流れる見えないつながりを探る評論集。

244ページ
ミステリ評論英文学古典探偵小説黒岩涙香翻案研究