日本の文学賞

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盤上の夜 (創元日本SF叢書)

日本SF大賞

盤上の夜 (創元日本SF叢書)

宮内悠介

囲碁、チェッカー、麻雀、古代チェス、将棋など、盤上・卓上遊戯をめぐる連作SF短編集。対局の極限で、人間の知性や身体、歴史の枠を超える現象が立ち上がり、ゲームを通じて世界認識そのものを問う。

連作短編集ゲーム知性身体SF

作品情報

盤上の一手が、人知を超える世界を開く。

『盤上の夜』は東京創元社の創元日本SF叢書として刊行された宮内悠介の初期代表作。e-hon で ISBN 9784488018153、283ページ、2012年3月刊行と確認できる。

レビュー要約

  • ゲームのルールを物語の仕掛けとして使いながら、身体性や歴史、神話的な想像力へ広げる発想が高く読まれている。知的な構成と感情の余韻が両立している。

書籍情報

出版社
東京創元社
発売日
2012-03-22
ページ数
283ページ
言語
日本語
ISBN-13
9784488018153
ISBN-10
4488018157
価格
400 JPY
カテゴリ
本/文学・評論

【第33回日本SF大賞受賞/第147回直木賞候補作】囲碁、チェッカー、麻雀、将棋、古代チェス……対局の果てに、人知を超えるものが現出する。一人のジャーナリストが語る清新なSF連作。第1回創元SF短編賞山田正紀賞。

1979年東京生まれ。92年までニューヨーク在住、早稲田大学第1文学部卒。在学中はワセダミステリクラブに所属。インド、アフガニスタンを放浪後、麻雀プロの試験を受け補欠合格するも、順番が来なかったためプログラマになる。囲碁を題材とした「盤上の夜」を第1回創元SF短編賞に投じ、受賞は逸したものの選考委員特別賞たる山田正紀賞を贈られ、創元SF文庫より刊行された秀作選アンソロジー『原色の想像力』に同作が収録されデビュー。また同作を表題とする『盤上の夜』は第一作品集ながら第147回直木賞候補となり、第33回日本SF大賞を受賞した。2013年、第6回(池田晶子記念)わたくし、つまりNobody賞を受賞。

レビュー

  • 発想の基を考察してみると

    核になったアイデアは、アレだ。 ダルマ人間とかで伝わる、日本人旅行者が四肢を切断されて見世物にされているっていう奴なんだろう。読んで真っ先に思い起した。 そんなネタから「もしも」を積み重ねて出来上がった作品なのだな。作者の発想力、構成力、抽斗の多さを感じさせる。

  • これは良い物件

    キワものっぽいところから話は始まるのですが、おぉそっちに行きますか!と思わぬ展開で読者を飽きさせません。 落ち着いた語り口もよい感じ。こんな表紙じゃなくて(失礼!)SFジャンルにしなければもっと売れるのに、と思ってみたり。 素人にもわかりやすく書いてありますが(いやむしろ素人では不備が見えないのか)、麻雀の話は詳しくないと楽しめない感じでした。 (知ってる人はすご~く面白いらしい麻雀の漫画について語られた時のことを思い出す) 盤上から世界を語る(らしい)企画の関係か、無理やりっぽい短編もあるものの、仕事が丁寧なのでいやな感じはいたしませんね。 文庫なら強力プッシュ。

  • 偏差値高め!

    私にはまだ難しかったです。。

  • 囲碁、チェッカー、麻雀、古代チェス、将棋を題材にした怪作にして快作。大傑作!

    タイトルの通り、盤上遊戯?(こんな言葉あるんだね)を題材にした短編連作集。 舞台は基本“盤上”であり、所詮大きくても麻雀卓サイズだが、作者の語る世界は、時空を超えて壮大かつ深遠である。 また、四肢欠損や近親相姦、あるいはオカルトめいた描写もあり、一見“キワモノ”めいた印象を与えるが、深い思索に基づいた哲学的な叙述で“人”を“世界”を語っており、単なるエンタメ小説には止まっていない。(むしろ難解に過ぎて追いついていない部分があるかもしれない…) 6編の中では『清められた卓』『象を飛ばした王子』が秀逸。 『清められた卓』は、四人によるゼロサムゲームであり、かつ勝負は運に左右される部分が大きい、あるいはイカサマや様々なルールといったゲームとしての麻雀の特性に、各々特異なキャラクターを持つ4人の人間模様を重ねることで極めてエンターテイメント性の高い面白い作品に仕上がっている。 古代チェスを題材にした『象を飛ばした王子』は、6編の中では最も“おとなしい”作品と言えるだろう。だが、ゴータマ・シッダールタの一人息子の王子 ラーフラが古代チェス=チャトランガに込めた平和への思いが心を打ち、切なくも癒しの傑作となっている。 最終章『原爆の局』は、表題作である『盤上の夜』の対をなす作品である。ストーリーが整理されておらず、今一歩わかりにくい部分はあるが、作者の志の高さがあらわれた作品と理解したい。 いずれにしろ、次回作を期待させる怪作にして快作だ。

  • テーブルゲームって面白い

    囲碁、将棋、麻雀など、テーブルゲームに人生をかけた人たちを描いています。 狂気ってこういうのを言うんでしょうか。 私にはプレイヤーの心があまり理解出来なかったのですが、 怖いもの見たさで物語から離れられず、強烈な余韻を後に残しました。

  • 甘い物語

    この本が出版された2013年から約4年経った時期にこの文章を書いているわけだけど、わずか数年で現実に先を越されてしまった作品、といえるのかもしれない。 この短編集では何かを失うことによって才能を手に入れるというテーマが何度か繰り返される。それは狂気、あるいは天才が天才である1点のみで盤上を制するというロマンチックな物語だ。でも、現実には狂気や供犠によってAlphaZeroのような他のプレイヤーを絶する能力を獲得することはない。多くの天才たちのヴァリエーションの勝敗をわけるのは羽生善治氏の言葉を引用するなら「深い集中」だけだ。そして、仮に完全解がなされたとしてもあいも変わらず「人の一手」に一喜一憂するというドライな結果が、今現在の状況だ。 「神の一手」が人の手から離れようとしている時代に、語り手は天才の幻想を追いかける(後天的に天才を作ろうとする、というのも天才幻想のひとつだ)。作者はこうしたウェットな甘さを手頃に調理している。

  • 骨の震える連作

    興味がなければ読まなくても良い作品群。しかし一旦読み始めれば読み終えずにいられない連作群だと思います。

  • これって小説というより、まるで回想録

    そもそも四肢を失った女性が碁の知識や実力を得るために、 どれほど過酷で懸命な努力をしたかを克明に書いていない時点で、ただのファンタジー漫画にしかならないと思う。 しかも小説という言うよりは、記録文章を読み上げているような書き方で、 小説のおもしろさを期待した自分は肩透かしを食らった。 回想録とかいたが、新聞記事と言ってもいいと思う。 主人公が取材対象者で、それを記者の「わたし」がインタビューしている形式に近く、 物語はインタビューを受けている相手が独白する形で展開する。 中にはなるほどと思って読んでしまう章もあるけども、 それは作られた内容がうまいと言うより、事実であるからこそ楽しめるといっても過言ではないと思う。 かなり好き嫌いが分かれると思うため、 購入前には是非とも立ち読みや試し読みを勧めたい。

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