日本の文学賞

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宿借りの星 (創元日本SF叢書)

日本SF大賞

宿借りの星 (創元日本SF叢書)

酉島伝法

かつて人類を滅ぼした異形の生物たちが暮らす惑星を舞台にした長編SF。故郷を追われたマガンダラが、惑星の運命を揺るがす企みへ巻き込まれる。

異種知性言語SF惑星冒険

作品情報

異形の言語と世界が、惑星の危機を語り始める。

東京創元社の単行本版を採用。文庫版も刊行。

レビュー要約

  • 独自の言語感覚と異形世界の作り込みが強く評価されている。読みにくさを含めて、ほかにない体験として受け止められている。

書籍情報

出版社
東京創元社
発売日
2019-03-29
ページ数
518ページ
言語
日本語
サイズ
19.2 x 13.2 x 3.2 cm
ISBN-13
9784488018344
ISBN-10
4488018343
価格
3300 JPY
カテゴリ
本/文学・評論/SF・ホラー・ファンタジー

第40回日本SF大賞受賞 その惑星では、かつて人類を滅ぼした異形の殺戮生物たちが、縄張りのような国を築いて暮らしていた。罪を犯して祖国を追われたマガンダラは、放浪の末に辿り着いた土地で、滅ぼしたはずの“人間"たちによる壮大かつ恐ろしい企みを知る。それは惑星の運命を揺るがしかねないものだった。マガンダラは異種族の道連れとともに、戻ったら即処刑と言い渡されている祖国への潜入を試みる。『皆勤の徒』の著者、初長編。

酉島伝法 1970年大阪府生まれ。小説家、イラストレーター。2011年、「皆勤の徒」で第2回創元SF短編賞を受賞。 13年刊行の第一作品集『皆勤の徒』は『SFが読みたい! 2014年版』のベストSF2013国内篇で第1位となり、第34回日本SF大賞を受賞したほか、15年に〈本の雑誌が選ぶ21世紀のSFベスト100〉で第1位を獲得、『SFが読みたい! 2020年版』の〈2010年代SFベスト〉でも第1位となった。18年3月には英訳版も刊行され話題となった。 19年刊行の第一長編『宿借りの星』は第40回日本SF大賞を受賞した。

レビュー

  • 奇書あるいは希書、それとも貴書か

    試し読みをお勧めする。 こういう作品を書きあげたこと、出版したことに見事と称えたい。 この物語りに類すものを上げるのは私の拙い経験では難しくあるのだが。 筒井康隆の虚航船団。 あるいは漫画でいえば弐瓶勉の作品が、一番近いかもしれない。 全くの異世界を旅するような気持ちになれる、珍しい本である。 なぜか不思議なリアリティがあり、広い宇宙にはこういうこともあるのではと 感じさせてくれるわけだ。

  • 好きな人はきっとものすごく好き

    大好きになっちゃいましたよ。 美味しいお菓子をゆっくり味わうように楽しんで読みました。 難解なSFは苦手ですが、この話は感覚的に身近に感じられました。 (同じように独自の名前や世界設定でも、前作の『皆勤の徒』は、ブラック企業に働く辛さみたいな感じがしんどくてとうてい続けて読んで行けなかったのですが) この話は、いわば仲間を殺しちゃって追放された中間管理職な30代が、都落ちのあと新しいバディと帰郷してきて故郷のピンチを救おうとするストーリー、でしょうか。 筋立てからいうと、アクションでも復讐譚でもなく、ラストは80年代的なSF(壮大)。 盛り上がるクライマックスという感じでもないし、主人公は終始冷静というか戦わないために努力してるというか、でもラストはなんか泣いちゃったです。グッときた。 筋の進行としてはやや冗長なんだけど、丁寧に語られる生活や日々の感覚(主人公たちは人間ではないので)がなりきり感覚で楽しめます。 唯一の不満は、死んだ幼馴染であり恋人でもあった同僚について、現在の主人公の気持ちが全く述べられないこと。 新しいバディに対しての信頼や期待や反省や追慕やらが語られるのに、大きな存在だったはずの幼馴染についてはなぜ無言なのか。 (なぜ無言なのか、と追及すると二次作品になりそうです) この話の映像化はたぶんムリだと思うのですが、映像化できない物語が語られているというところで、小説という形の圧倒的勝利を感じました。 読んでて快感です。 続編出ないかなー

  • 「皆勤の徒」の汎化版

    「皆勤の徒」では圧倒的世界観に飲み込まれ、独特な単語やその意味を理解する事に腐心しながら読み、ある種の達成感とともに読了し、すっかりファンになりました。その作家が賞を受賞した作品、という事で期待して読みましたが、結論から言うと「皆勤の徒」を超える驚きや読者を唸らせるアイデアは無かったように思います。物語を読み進めやすいようにしたのかもしれませんが、あまりに人間的なストーリー性により、ディズニーのバグズライフのようなほのぼのとしたファンタジーに近い印象になってしまっており、その点が残念でした。

  • 読み終わるのが惜しかった

    SF小説を読むのは、時間がかかる。この本も例外ではなかった。 しかし、ページをめくる速度が遅くても、倦むことなく読み終えることができた。 それどころか、読み終わるのが惜しかった。 マガンダラやマナーゾたちとの別れが惜しかった。 用いられる語彙は一見難しいが、それでも辛抱強く読み進めていってほしい。 数々の造語は、字面からの想像によって、ある程度理解できるものだし、 とりわけ、微細な筆致で描かれた挿絵がわれわれの想像力を助けてくれる。 独特な語彙に慣れる頃には、次第に明らかになっていく謎が、読者の知的好奇心をしっかりと捕らえていることだろう。 この他にも、たくさんの魅力がある。 食事の場面では食欲を刺激(あるいは減退)され、グルメ小説かと勘違いしそうになる。 個性豊かな登場キャラクターたちには愛嬌があり、惹かれずにはいられない。 とりわけ、生き物たちの習性、寄生・共生関係、ヒエラルキーを緻密に記述する文章は、もはや異世界生態学だ。

  • 絶望的につまらん

    中二病な読みにくい造語がずーっと続くが いったい何が面白いのかさっぱり分からん。 あまりにも世界が違うので登場キャラに感情移入もできないため、 何が起こっても「ああそうですか」と、何の感想も湧かない。

  • まだ半分ですが

    異世界における異生物の話だな、と思って読んでいたら・・・途中から意外な展開に! もしかしたら、「皆勤の徒」に次ぐ名作の予感。

  • 神話生物版やじきた道中記かと思ったら弐瓶勉ワールドだった

    このボリュームで皆勤の徒をやられたらよう読み切らんよ、皆勤の徒ですら読み切らんかったのにと思ったあなた、ちゃんと読み切れます。安心してください。思考の位相を人類側に寄せてきてる本作、そこまでエキサイチングな展開は無いのですが、読める、読めるぞ!と勢い読み切れます。メリハリに乏しく決して読みやすい文体ではないはずなのにこの体験。おもしろいです。

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