作品情報
憑かれたように描き続け、やがて自ら命を絶った画家の遺作に隠された二重密室の秘密。
第9回鮎川哲也賞受賞作。東京創元社から1998年9月に単行本刊行、2001年7月に創元推理文庫として文庫化。作者・飛鳥部勝則は高校美術教師として勤務しながら執筆し、本書のために実際に絵画を自ら描いた。デビュー作にして「このミステリーがすごい!」1999年版国内部門第12位、「本格ミステリ・ベスト10」第3位を獲得した。2024年に創元推理文庫版が復刊し、現在入手可能となっている。
レビュー要約
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図像学をミステリに組み込むという着想の鮮やかさと、作者自身が描いた絵画が物語に組み込まれている点が高く評価される。密室トリックにやや強引な面があるとしつつも、しんみりとしたラストが印象的な作品と捉えられている。
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精緻で完成度の高い本格ミステリとして伏線の見事な回収と鮮やかな解決編が特徴と評される。デビュー作でありながら万人に勧められる傑作とみなされており、哀しくも美しいラストシーンが屈指の名場面として挙げられる。
書籍情報
- 出版社
- 東京創元社
- 発売日
- 1998-10-01
- ページ数
- 301ページ
- 言語
- 日本語
- ISBN-13
- 9784488023553
- ISBN-10
- 448802355X
- 価格
- 1870 JPY
- カテゴリ
- 本/文学・評論
第9回(1998年) 鮎川哲也賞受賞
レビュー
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面白かった
面白かったです。
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鮎川賞。
最近の鮎川賞は読んでいない。本作はまだ鮎川賞初期の頃の作品であったと記憶している。端正な本格ミステリにひねりを加え、さらに絵画を解釈するという新しい試みを持ってきた傑作である。
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どうでもいいこと書きます
ストーリーもキャラクターも私は楽しみました。だけど一言だけ。 …添付されてる作者自らの手による絵がひど過ぎる… 絵画については全くの素人の私ですが、 絵ってこんなもん?ええこんなもんだっけ?と迷うあまり 古今東西の有名画家の絵を集めた軽ーい画集を買いまでしてしまった。 ゴッホやモネやラファエロと比べるなっつう話か。
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絵の内包する謎、読み解かれる真実
図像解釈学:イコノロジーミステリ(図像学:イコノグラフィかもしれないが、浅学な私には判断がつきかねる)!怪しい魅力をたたえた作中の油絵は、なんと著者の作だとか。美術が好きならのめりこむこと間違いなし、オススメである。 自殺した画家の謎を追ううち、明らかになっていく二重密室殺人事件がワクワクものである。真相はあまりにアッケないかもしれないが、それまでの描写に或る仕掛けが凝らされていて、飽きさせぬ展開となっている。美術館員が死せる画家に興味を持った理由として、モデルが×に似ていた…というのはちと弱いかもしれないが、絵から紡ぎ出される想像&妄想の世界に遊ぶ楽しみに比べれば、たいした瑕ではないだろう。謎の帰結として絵があるのか、絵は絵それ自体で厳然として!在り得るのか、絵は読み解かれることを欲しているのか…。 有栖川有栖による解説「印象アスカベ本格」もいいかんじ。
関連する文学賞
- 鮎川哲也賞 第9回(1998年) ・受賞