作品情報
幽霊騒ぎの夜、第三者として呼ばれた高校生が真相に向き合う。
第16回鮎川哲也賞佳作入選作。東京創元社の創元推理文庫として2007年に刊行された。吹奏楽部のある市立高校を舞台に、幽霊騒ぎを確かめに行った生徒たちが思わぬ真相にたどり着く。
書籍情報
- 出版社
- 東京創元社
- 発売日
- 2007-10-31
- ページ数
- 254ページ
- 言語
- 日本語
- ISBN-13
- 9784488473013
- ISBN-10
- 4488473016
- 価格
- 704 JPY
- カテゴリ
- 本/文学・評論/文芸作品
某市立高校の芸術棟にはフルートを吹く幽霊が出るらしい――吹奏楽部は来る送別演奏会のため練習を行わなくてはならないのだが、幽霊の噂に怯えた部員が練習に来なくなってしまった。かくなる上は幽霊など出ないことを立証するため、部長は部員の秋野麻衣とともに夜の芸術棟を見張ることを決意。しかし自分たちだけでは信憑性に欠ける、正しいことを証明するには第三者の立会いが必要だ。……かくして第三者として白羽の矢を立てられた葉山君は夜の芸術棟へと足を運ぶが、予想に反して幽霊は本当に現れた! にわか高校生探偵団が解明した幽霊騒ぎの真相とは? 第16回鮎川哲也賞に佳作入選したコミカルなミステリ。
似鳥 鶏 1981年千葉県生まれ。2006年『理由(わけ)あって冬に出る』で第16回鮎川哲也賞に佳作入選、改稿した同作でデビュー。続編の『さよならの次にくる〈卒業式編〉』などとともに〈市立(いちりつ)高校シリーズ〉として人気を博す。その他のシリーズに『午後からはワニ日和』などの〈楓ヶ丘動物園シリーズ〉、『戦力外捜査官 姫デカ・海月千波』などの〈戦力外捜査官シリーズ〉がある。近著は『シャーロック・ホームズの不均衡』『レジまでの推理 本屋さんの名探偵』。
レビュー
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青春と謎解きが交錯するライトミステリー
『理由あって冬に出る』は、ライトミステリーの要素を持つ学園小説です。 物語は、私立高校の芸術棟で起こる幽霊騒ぎを中心に展開されます。 主人公の葉山くんは美術部員で、幽霊の噂を解明するために友人たちと共に夜の校舎に侵入します。 この作品の魅力は、キャラクターの個性と軽妙な会話にあります。 葉山くんは読者目線のキャラクターであり、探偵役の伊神さんに振り回される姿がコミカルに描かれています。 伊神さんは文芸部員で、天才的な頭脳を持ちながらも独特の性格を持つキャラクターです。 彼の推理と葉山くんの突っ込みが物語を軽快に進めていきます。 物語の舞台となる芸術棟は、文化部の部室が集まる別棟で、吹奏楽部の幽霊騒ぎが発端となります。 葉山くんは吹奏楽部の友人、秋野や演劇部の三野と共に、幽霊の正体を突き止めるために調査を開始します。 夜の校舎での探索や謎解きのシーンは、読者に緊張感と興奮を与える。 本作のトリックや謎解きは、ミステリーとしてはシンプルですが、キャラクターのやり取りや雰囲気を楽しむことを優先にしてる。 特に、伊神さんと葉山くんの関係性や、他のキャラクターとの絡みが魅力的。 物語の進行と共に、キャラクターたちの成長や変化も描かれており、彼らの成長を見守る楽しさを味わえます。 一方で、物語の終盤には意外な展開が待ち受けており、これは驚く。 幽霊騒ぎの真相が明らかになると同時に、エピローグでの展開が物語に深みを与えます。 特に、葉山くんがラストで発見する○○のシーンは、物語全体の伏線が回収される瞬間です。 『理由あって冬に出る』は、軽妙な文体と魅力的なキャラクターが織りなす学園ミステリー。 ライトミステリーとしての楽しさと、キャラクターたちの成長を描いた物語が融合し、満足感を与えます。 青春時代の懐かしさや、友人との絆、そして謎解きの楽しさを再確認することができる。 学園ものが好きな読者や、ライトミステリーを楽しみたい読者にとっては、必読の一冊です。
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若手注目作家です
若手作家の注目の作品で興味深々で読みました 充分期待に応えてくれました。他の作品も読んでいます
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「新鋭が放つコミカルな快作」だそうです
カバーには「コミカルな快作」とあるけれど、うーーん。 タイトルは好きです。続編もタイトルはキャッチーで読みたくなります。でも、よほどひまにならないと読まないでしょうねえ。
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久しぶりに。
家庭用事件を購入後、6年後の今になって読み、懐かしくなり最初から読もうと。 昔のものが行方不明なため、再度購入。 表紙絵が大分、スッキリしてしまったなと。 昔のイラストの方が深みがあった様な。 昔の方はいずれ探そう。 内容はうろ覚えでしたが、そんな話だったなと。 葉山くんと柳瀬さんの微妙な関係。 大人で天才だが、ゴーイングマイウェイの伊神さん。 小動物的な秋野嬢、色々と苦労してそうなミノ。 葉山妹もちゃんと出ていたか。 そして、発生する怪談、怪奇現象の謎解き。 途中、気づく人は気づくヒントがさり気なく。 夜の学校での探索、謎解き。 懐かしい。 結局、伊神さんと彼女の関係...あの微妙な感じは何かあったのだろうか?と思ってしまいますが。 全て再購入したので、続けて読もうかと。
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高校生らしいライトなミステリ。
似鳥作品らしく、コメディ要素も入ったなかなか面白い作品でした。 後半ちょっと粗いような気はしましたが、まだデビューしたての頃の作品なのでいたしかたなし。 それにしても似鳥さんは不器用な恋をする女性を描くの好きだな(笑)
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かわいい感じの小説で、トリックの方もしっかりしていて楽しめました。
この作家さんでデビュー作。前回「名探偵誕生」読み、面白かったので2冊目はデビュー作をと手に取りました。かわいい感じの小説で、トリックの方もしっかりしていて楽しめました。他の本も読みます。(^^
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個人的な感想(ネタバレあり)
<感想> 「理由あって冬に出る」というタイトルが、 なんかもう、雰囲気があって気になりました。 表紙もライトノベルちっくな気もしますが、 なんか奥ゆかしい感じです。 ちなみに男の子は、主人公だとして、 メガネの女性はいったい誰? 人物描写にメガネをかけた女の子っていたっけ? ・・・というのが読み終わった後も、未だにわかってません。 全体の感想としては、キャラクターが面白い小説、 という感じでした。 伊神さんと柳瀬さん。伊神さんは探偵役なので、よく出てきますが、 柳瀬さんの活躍をもっと見たかったかな。 葉山くんの振り回されっぷりも、なんというか変人に困らされる 狂言回しとしてありがちですが、地の文での突っ込み等、 面白かったです。 ミステリーというか、物語に関しては・・・ 私は、いまひとつ釈然としない感じを覚えてしまいました。 その正体はわかりませんが・・・。 教室の見取り図とかがいっぱいあって、 「きっと作者さんは、いろいろ考え、趣向を凝らして 書いているんだろうな」とは思えたのですが、 その地図をしっかりと頭に入れて、トリックをしっかり 理解しよう、というところまでいけませんでした。 それは、あくまで私の個人的な能力の問題で、 個人的な感想です。 なんというか、「トリック明かし」「謎解き」それ自体を楽しむ、 というより、その行為をしている伊神さんと、それに振り回される葉山くん とのやり取りや雰囲気を楽しむ作品でした。 今でも、トリックや謎解きの全容はわかっていません・・・。 冒頭はやや重く感じたし(設定の説明上必要だったのかもしれないけど)、 最後に出てくるホームレスが感動を台無しにしてくれたし (まあ、秋野さんがフォローしてくれた感はあるけど)、 葉山君がラストで白骨を発見するのも、きっと深い意図があるのだろう、 と思いながら、私にはそれがわからず歯がゆかった。 ちなみに、読み終えて、いまだにタイトルの意味が分からないのは、 私だけ・・・? <物語概要> 芸術棟という文化部が使える校舎があるくらい、 施設が余っている(?)私立高校に通う葉山くん。 葉山くんは美術部員だが、現在一人なので、 アトリエにはいろいろな人が訪ねてくる。 そんな中で、吹奏楽部の友人、秋野が頼みごとを しに訪ねてくる。 「フルート吹く幽霊が出る」という噂が出て、 吹奏楽部の練習に支障をきたしているらしい。 そのようなわけで、葉山くんは幽霊の噂を晴らすべく、 吹奏楽部の部長、高島先輩、秋野、演劇部の友人、三野と 共に、夜の校舎に侵入する・・・ <設定> 芸術棟と呼ばれる、文化部が基本的に自由に使える 校舎がある学校での出来事に関する物語。 教師もややテキトーで、戸締りに必要なカギを平気で 生徒に預けたりするような風潮がある。 だから、生徒たちは鍵を持って夜の校舎に侵入する ことができる。 <人物> ●葉山 美術部員。主人公。読者目線キャラで、探偵役の伊神さんに 振り回され、ときに伊神さんの考えを引っ張り出す ための役割。 探偵の助手役として、危ない目や厄介ごとに駆り出される、 という点ではコメディリリーフ? ●伊神 文芸部。受験生。安楽椅子探偵役。変人? 「謎」に目がなく、好奇心旺盛。もったいぶった言い方をし、 自分の考えを立証するためなら、人の迷惑も顧みない。 ものすごい集中力の持ち主。その上、武術も達人並のよう。 どんな相手にも物怖じせず、人懐っこく話しかける。 ●柳瀬 演劇部。葉山を執拗に舞台に誘う。葉山のどこに魅力を 感じているのかは、私には不明。 演劇調で会話することも多く、葉山の前で葉山と自分の やり取りを一人芝居で行ったりする。 母親も結構な変わり者で、娘の小芝居に付き合う。 この母にして、この娘あり、という感じ。 ●高島 吹奏楽部部長。2年。責任感の強い女子生徒。 発端は、彼女が秋野を使って、葉山を幽霊騒動に 巻き込んだからである。 巻き込んだ以上は、自分も付き合う、という姿勢や 嘘がつけないといったところが、彼女を部長という 役職にしていると思われる。 ●秋野 葉山の友達。幽霊騒動の調査を葉山に来る少女。 東、という彼氏がいる。 ●三野 演劇部の裏方。昔はいじめられっこだったらしい。 だが、今は明るく、しかも、いろんな噂話や、 他人同士の内緒話を聞いてしまう生徒らしい。 実は、事件の首謀者。 秋野のことが好きらしい。 幽霊騒動を調査すべく、葉山・高島・秋野で 学校に残った時、それを聞きつけ、「秋野狙い」 という名目で、ついてきた。が、真意は他にあった。 その後、幽霊らしきものを見かけた際、 「逃げた」(ように見せかけた)にも関わらず、 「葉山が逃げた」というふうに改変して、 噂を振りまいた。これは、一見三野のテキトーな キャラのように思えたが、実は、三野の目的のために 必要な段取りだった。 ●東 吹奏楽部。ルックスが良く、女にモテるらしい。 一時期は、吹奏楽部が泥沼化したほど。 現在は、秋野と付き合って落ち着いているようだが。 本当は、あるときいなくなった、「立花」という三年生の女子 のことが好きであった。 物語の中盤で、「立花」が付き合っていた大学生の子どもを 妊娠し、しかも、その後、美術部の教師と結婚する、 というのを知って唖然とさせられる。 また、三野に脅されて、幽霊騒動の共犯をやらされた。 <物語展開> ●幽霊騒動の調査 葉山は、秋野に頼まれ、高島部長と共に、 夜の学校に残り、芸術棟に出るという幽霊の調査を しようとする。そこには、三野も「秋野狙い」という 形でついてきた。 そこで、実際にとある部室で、いきなり明かりがつき 人影が出る、という現象が起こる。 その後、その騒ぎを三野が言いふらす。 ●幽霊調査'A 葉山の話を聞き、伊神が探偵役として、 一回目の幽霊騒ぎの推理をし、実験検証する。 トリックは影絵を使ったものだった。 そのとき、そのトリックの裏方をやっていた 三野が、「首なしの幽霊を見た」と言って(実は三野の嘘)、 新たな幽霊騒動が展開する。 ●幽霊調査'B 三野の見た幽霊を調べるべく、再び校内に侵入する葉山。 葉山・伊神・高島・東という組み合わせだった。 葉山と伊神は、首なし幽霊を目撃する。 その後、警備会社の者がやってくるが、 「葉山に呼び出された(本当は三野が葉山を装って呼び出した)」 という柳瀬のおかげで、難を切り抜ける。 (※実は、このとき三野は、幽霊のトリックを仕掛け、 東を脅し、その幽霊に全員の目が向くように誘導させていた)。 ●幽霊調査'C 伊神は、犯人の共犯者が東だと言い当てる。 そして、東を追求する。 東は、抗弁するが伊神にかなわず、真相を告白。 また、実は東は、「死んだ」と噂されていた 女生徒、立花のことが好きだった。 だが、そこへ子供を抱いた立花が現れ、 献身的に支えてくれた美術の教師と結婚するというのを聞き、 唖然とする。 東と秋野の別れが暗示され、三野のチャンスも暗示される。 ●幽霊調査'D 伊神は、夜中まで一人で校舎で考え、 ついに真相に推理で辿り着く。 そして、夜中に関係者全員を集め、 トリックをなぞった実証を行う。 伊神と葉山が目撃した首なし幽霊は、 スモークをスクリーンにして、プロジェクターから 映し出された映像だった。 そして、それをおこなった真犯人は三野であり、 東は、それの共犯をさせられていた。 実は、三野が目撃したという「首なし幽霊」は、 三野の嘘だった。 だが、三野がこの嘘をつくことで、 結果的に、伊神と葉山が首なし幽霊を目撃する きっかけをつくったことになる。 ●真犯人の動機 三野はトリックを明かした。 その動機についてはなかなか明かそうとしない。 だが、伊神はそれを許さない。 三野は、とある体調が悪くなったホームレスを かくまうため、芸術棟の空き部屋に生徒を近づけない ようにするために、幽霊騒動の噂を流したのだった。 三野の弱者を思いやる行為が、今回の事件の発端であった。 そのホームレスは、一見恭しい感じで礼儀を見せるが、 実は、横領罪と詐欺罪で警察から追われる身だった。 それを知らされた三野はあっけにとられるが、 秋野の「バカ―!」という大絶叫で、救われるのだった。 ●その後 事件の片はつき、幽霊騒動もすべ解決した。 葉山はトリック解明の際に廊下を片づけた際、 廊下の壁に変色部分を見つける。 そこを掘り返すと、そこから白骨死体が出てきた。 葉山は、その白骨死体を見て、切なくなり、泣く。
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本タメで紹介された作家
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