世界の果ての庭 (ショート・ストーリーズ) (創元SF文庫)
幻想的・怪奇的な短編を集めた作品集で、小説家としてのデビュー作にあたる。
作品情報
幻想的・怪奇的な短編を集めた作品集で、小説家としてのデビュー作にあたる。
断片的な物語が重なり合い、世界の果ての気配を立ち上げる幻想短編集。デビュー作として、日常の裂け目と物語の連鎖を印象づける。
書籍情報
- 出版社
- 東京創元社
- 発売日
- 2013-04-26
- ページ数
- 240ページ
- 言語
- 日本語
- ISBN-13
- 9784488744014
- ISBN-10
- 448874401X
- 価格
- 417 JPY
- カテゴリ
- 本/文学・評論/SF・ホラー・ファンタジー
米国人学者と女性作家の出会い。若返る病に罹った母。異世界を彷徨う脱走兵。江戸の辻斬り。生まれては消え、広がる物語の断片。日本ファンタジーノベル大賞受賞作、文庫化。
レビュー
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延々とホームを巡る話が良い
第14回日本ファンタジーノベル大賞受賞作。 幾つかの話が代わる代わる出てくる。それぞれ関連する様でいて、結局、交わらない。 タイトルに庭というキーワードがあるが、この作品に載っている話の一つがそれについて延々と薀蓄を語っているだけで、他の話には出てこない。 何か意味があるのかも知れないが、正直、私には良く判らない作品だった。にも拘わらず、読み終えたあと、深い余韻が残る。不思議な作品である。 幾つかの話の内、私的には延々とホームを巡る話に惹かれるものがあった。
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判定不能。不思議な読後感を味わえる一冊。
アンサンブルといったらいいか、コラージュといったらいいか。 関連があるようなないような、同時進行でとりとめもなく、入れ替わり立ち替わりに細切れになって紡ぎ出される小さなお話の集まり。あるいはSF、あるいは時代劇、あるいはエッセイ風にペダントリー。それぞれのオチも何だか投げっぱなしで、読者の解釈に全部お任せな感じ。 文章は流れるように淀みなく、上品な音楽を奏でるような美しさ。 一番びっくりなのは本書が日本ファンタジーノベル大賞の授賞作品だということ。審査員の皆さんがどんな風に読み解いたのかが気にかかるのであります。 不思議な読後感を味わえる一冊ながら、圧倒されたような、呆気にとられたような、やっぱり意味が分かんなくて自分には判定不能。
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迷宮庭園の散策
第14回ファンタジーノベル大賞受賞作。 2002年に新潮社から単行本が出ていますが、文庫化は初。 (文庫化にあたって改稿されているかどうかは、読み比べていないのでわかりませんが…) まずはタイトルに心惹かれて手に取りました。 読み始めると、抑制のきいた端正な文章が心地良く、どんどんページを繰ってしまう。 一見バラバラに見えるいくつもの物語が、数ページのショートストーリーの形で並べられ、展開していきます。 若返っていく母親、脱走兵が迷い込んだ異空間、女性作家と外国人研究者との恋、イギリスの庭園についての論考、江戸時代の人斬り…。 どれも魅力的で美しく、そしてそれぞれ一風変わった味わいを持っている物語たち。 角を曲がるたびに違う風景を見せる、迷宮のような庭園に迷い込んでしまった感覚にとらわれます。 そしてはっきりとした「全体のまとめ」は存在しないまま、物語たちはそれぞれの風景を見せ終わると、結末へ。 「結局、何だったの?どういうことだったの?」と、落ち着かない気分になる方も多いかと思います。 頭の良い方なら、系統図みたいなものでも描いて、それぞれの物語の連関や関連性を明らかにできるのかもしれません。 私は残念ながら論理的思考のできる人間ではないので、物語が見せてくれる風景の中をさまようだけで終了してしまいました。 しかしそれでも十分に愉しめる(というか、そういう愉しみ方が本道ではないかと思わせてくれる)魅力的な小説です。 時間と心のゆとりのある時に、どうぞゆっくりと「世界の果ての庭」を散策してみてください。
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本に選ばれなかったようです。
断片的な語りが延々と続く。予想に反してそれらの語りはまとまることなく、最後のページまで並行して続く。 内容紹介の、若返る病気にひかれ本書を購入しましたが、それはこの語りのなかの一つで、特にひねりがあるわけでもなかった。いくつかの語りが、何らかの形でつながりがあるとか、短編として独立しているとか、そうであれば面白かったのか。単なる読者の私にはわかりません。後書きに「庭園のような短編の世界」と書かれていたが、この世界観を理解するのは今の私にはちょっと無理でした。 読者である私たちは、読む本を選びますが、本も読者を選ぶのだなあと思った次第です。