日本の文学賞

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山山

岸田國士戯曲賞

山山

松原俊太郎

松原俊太郎『山山』は、東日本大震災と原発事故後の風景を背景に、汚染物質の山と美しい山のあわいで暮らす家族を描く戯曲である。独白的な言葉の連なりが、労働、愛、生と死、表象の問題を寓話的に浮かび上がらせる。

震災後原発事故家族現代戯曲

作品情報

美しい山と黒い山のあいだで、家族の言葉が震災後の世界を押し広げていく。

白水社刊の戯曲集『山山』には、岸田國士戯曲賞受賞作の表題作に加え、『正面に気をつけろ』『戯曲の読み書きについて』も収録される。チェーホフ、ベケット、イェリネク、メルヴィルなどを参照しながら、災厄後の生活と言葉の抵抗を描くデビュー作品集である。

レビュー要約

  • 選考では、緻密な言葉遣いと寓話性が強く印象づけた作品として受け止められている。説明的な筋よりも、言葉の密度と不穏な感触を読み進める戯曲として評価されている。

書籍情報

出版社
白水社
発売日
2019-05-08
ページ数
180ページ
言語
日本語
ISBN-13
9784560094228
ISBN-10
4560094225
価格
2200 JPY
カテゴリ
本/エンターテイメント/演劇・舞台/演劇

【第63回岸田國士戯曲賞受賞作品】 プラトニック&アレゴリックな独白的文体! 「『山山』の背景には、1万8430人の死者と行方不明者を出した2011年3月11日の東日本大震災と、東京電力福島第一原子力発電所による原発事故がある。[……]松原さんが選ぶ言葉のレンズの倍率は精緻で一分の狂いもない。しかし、それは作者の意図や主張で台詞を雁字搦めにしている巧みさなのではない。流暢で饒舌であると同時に、その中に吃り、途切れ、沈黙を孕んで、全体の輪郭は一向に見えないまま黒っぽいものが巨きく膨らんでいく。息を呑むほど完成度が高い戯曲である」(柳美里[選評より])。 労働と愛(チェーホフ)、生と死(ベケット)、表象と紋切型(イェリネク)、そして『バートルビー』(メルヴィル)をモチーフに、かつては美しかった山と汚染物質の山の狭間で暮らす家族たちの新たなレジスタンスを描く──。美しい山の麓で暮らしていたはずの家族が「せずにすめばありがたいこと」に曝されてゆく表題作のほか、ブレヒトやゴダールをふまえた2篇(『正面に気をつけろ』『戯曲の読み書きについて』)も収録。プラトニック&アレゴリックな独白的文体に、選考委員も震撼! 純粋劇作家・松原俊太郎のデビュー作品集。 [目次] 山山 正面に気をつけろ 戯曲の読み書きについて あとがき

松原俊太郎(まつばら・しゅんたろう) 1988年、熊本県出身。神戸大学経済学部卒業。劇作家。 主要作品:戯曲『みちゆき』(第15回AAF戯曲賞大賞受賞)、『忘れる日本人』、『正面に気をつけろ』、『山山』、『カオラマ』、小説『またのために』

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