作品情報
ハッピーエンドにするには、命が長すぎる。
『命、ギガ長ス』は、松尾スズキによる二人芝居の戯曲である。ドキュメンタリー作家志望の女子大生が、親子の抱える問題を取材しようとする過程で、当事者の現実だけでなく、撮る側の認識や記憶の危うさにも触れていく。
レビュー要約
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少人数の舞台で社会問題を扱う構成が特徴で、人物の会話から認識の揺らぎがにじむ点が印象を残す。戯曲として読む面白さと、演劇作りの手触りが共存している。
書籍情報
- 出版社
- 白水社
- 発売日
- 2019-07-11
- ページ数
- 150ページ
- 言語
- 日本語
- サイズ
- 13.3 x 1.5 x 18.9 cm
- ISBN-13
- 9784560094242
- ISBN-10
- 4560094241
- 価格
- 2200 JPY
- カテゴリ
- 本/エンターテイメント/演劇・舞台/演劇
松尾式「二人芝居」の作り方 〈読み物として、そして、「松尾式二人芝居の作り方」として、この本を読んでいただければ、幸いだ。〉(本書「まえがき」より) †‡ オタクやツナミと同じく、世界に通用する日本語の一つになった言葉──「ひきこもり」は、1980年代から90年代にかけて増大した。彼らは自立するチャンスを失い続けたまま歳を重ね、新たな社会問題を引き起こしてもいる。年老いた親がニートである中高年の子供をわずかな年金で養い続けるという現象だ。中高年のひきこもりは現在、日本で60万人を超えると言われている。彼らの遠くない未来に待つのは親の介護やその死。その現実に直面したとき、どうふるまうのか? ドキュメンタリー映像作家志望の女子大生が、ある福祉大学からの紹介をへて、「8050問題」の親子に出会った。そして、彼らが抱える問題をカメラ越しに浮彫りにしようと試みるなか、認識と記憶の儚さにさらされてゆくのだが……ハッピーエンドにするには、命が長すぎる。 東京成人演劇部の第一弾として、巻末に安藤玉恵との「解説対談」を収録。少人数で演劇を作る楽しさを教えてくれる、松尾スズキならではの「演劇論」としての戯曲。
1962年、北九州市生まれ。作家、演出家、俳優。「大人計画」主宰。第41回岸田國士戯曲賞受賞。戯曲に『ラストフラワーズ』『ウェルカム・ニッポン』『業音』他多数。
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- 読売文学賞 第71回(2019年) ・受賞