日本の文学賞

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白村江(はくそんこう)

歴史時代作家クラブ賞

白村江(はくそんこう)

荒山徹

七世紀の東アジアを舞台に、百済、倭、新羅、唐がぶつかる白村江の戦いへ向かう大きな歴史の流れを描く長編。国家の思惑と個人の忠義が交差し、敗北へ至る過程を緊張感のある筆致でたどる。

古代史白村江の戦い百済倭国外交と戦争

作品情報

古代東アジアの海を越え、国家と人間の運命が激突する。

PHP研究所刊。荒山徹が得意とする朝鮮半島と日本をまたぐ歴史題材を、古代の大戦へ向けた群像劇として描く。白村江の敗戦を単なる戦記ではなく、外交、王権、亡国の記憶を含む物語として構成している。

レビュー要約

  • 古代朝鮮半島と倭国をまたぐ題材の大きさ、国際関係を物語として読ませる力が評価されている。史実への関心がある読者ほど、戦争に至る政治的な駆け引きを楽しめる。

書籍情報

出版社
PHP研究所
発売日
2016-12-21
ページ数
443ページ
言語
日本語
ISBN-13
9784569831046
ISBN-10
4569831044
価格
853 JPY
カテゴリ
本/文学・評論/歴史・時代小説

悲劇の王子が運命に抗う時、東アジアの歴史が変わる。 大化の改新、揺れる朝鮮半島、そして白村江の戦い――果たして真の勝者は誰だったのか。 激動の時代を壮大なスケールで描いた感動の長編小説。 兄の百済王によって処刑されかけた悲劇の王子、余豊璋。 才知溢れ、王位継承者でありながら不遇をかこつ新羅王族、金春秋。 冒険心に富み、天皇位簒奪への野心を燃やす倭国豪族、蘇我入鹿。 聖徳太子の大いなる遺志を継ぐために、策略を巡らす葛城皇子。 激動の東アジアの情勢は、4人の男たちの思惑と絡み合って、「白村江の戦い」へとつながっていく……。 奇才・荒山徹が満を持して贈る、渾身の本格歴史小説。

作家

レビュー

  • 歴史は繰り返される

    ちょっと長い物語になっていますが、読んでいくうちにこういうこともありえる、現実と重なるその当時の時代検証をしているように感じました。いつの時代も大なり小なり、一個人はその大枠の集団(たとえば国)の流れに飲み込まれ流されている。ことを改めて感じた次第です。

  • 書くのは自由だが

    極めて重要な歴史的な事実や実在人物を題材として書かれた本である以上、読者は考証を経て書かれるものかと想像してしまうし、著者の解説もそのニュアンスで読めるのだが、内容は、単に作者が創作した人物、事件を書きつづる小説であり、現代小説の範疇である。戦国時代等よく知られた日本史の英雄たちをあれこれ解釈し虚構するのは、学的研究自体がそんな位置だからいいのだが、古代日韓史は、現代国際関係にもつながる史実として重要な研究テーマといえる。私のようにその関心から本を入手した者としては、(残虐性を含む)リアルな表現が出てくると、「なんだ。頭の中の話か」と拒絶反応が出てしまう。小説として主人公の人間性に思い入れを持てるかというとそうでもなく、残念ながら一割程度読み進むのが限度だった。

  • 古代の東アジアの外交戦を描いているが、実は…

    群像劇のスタイルを取りつつ、倭国(日本)の「白村江」の敗戦が何だったのかという仮説が語られる。 一読して気づかされるのが、当時の半島状況と現代の半島情勢の酷似具合。 高句麗=北朝鮮 唐=中華人民共和国 新羅=韓国右派 百済=韓国従北派 って関係性とよく似てるのだ。 彼らが、国防と政権安定のためにどの国と同盟をするかといった外交戦を、白村江の開戦20年前から追った物語である。 この外交戦争、政権抗争の手に汗握るダイナミックな物語だ。 どのキャラも素晴らしく際立っている。なかなか扱われない時代にもかかわらず、それに甘えずにきっちりと新機軸を盛り込んでくるところが、この作家の才能だと思う。

  • 好きな人は好きだと思う。

    古代の日本の日本人の話ではなく、 かなりの部分を百済の人の側から書かれている。 両面から見れるという意味では面白いが、 入り込めない感じが個人的にあった。

  • 変な時代の辻褄合わせ

    負けたはずの日本に唐が攻めてこず、監督官の郭務悰に「役不足」と言えば上司を連れて来たり、遣唐使も恙なく継続している不思議、白村江の13年後に新羅の皇子が入貢等々、何だか分かりにくい動きのあった時代を巧みに捉えて虚構を築きあげているのが面白い。戯作の空気が強すぎるのと、終盤で葛城皇子まで渡韓させているのは如何にもやり過ぎで、少し品がない。 この戦にも、乙巳の変にも一切顔を出さない天武天皇について、何か想像を逞しくして作品作りをしないかなあ。続編として良いネタだと思うけど・・・。

  • 柳生大作戦の前日憚ではないw

    白村江の戦いにいたる唐倭朝鮮各国の約20年の外交的思惑を亡国の王子の成長とともにえがいた意欲作。とかく陰湿になる話だが男の友情と恋愛描写に救われる しかし入鹿とイルカをかけたのは氏得意のかいぎゃくか

  • 日本・朝鮮半島とチャイナ関係を予測するに参考となる

    白村江の戦いのリアルな動きを理解することは、北朝鮮による朝鮮半島統一が目前に迫る中で重要なこと

  • 話の流れはわかります

    高句麗 百済 新羅 大和朝廷の 東アジアの歴史劇です。蘇我入鹿、天智天皇、中臣鎌足や 新羅 百済 高句麗の王族と 登場人物が多く、よく整理されていると思います。史実がまことに不思議にだけに それを踏まえて物語を作る作者の力量はたいしたものです。 最期のところで 白村江の戦場に天智が現れる場面ですが ありえないと思います。 またそこで 天智が謎解きをしますが この部分は 長すぎ興ざめです。読者に説明する為に必要なのかと思いますが それらしいことは 前段でも時々出てきますので くどい感じがします。 陰で策を練っているのが鎌子なら 鎌子に言わせた方が 凄味がでたと思います。

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