([か]2-3)てのひら怪談 庚寅 (ポプラ文庫 か 2-3)
『朝の予兆』は、第6回ビーケーワン怪談大賞の大賞作。解体を控えた場所に響く不可解な音をめぐり、朝の平穏と怪異の気配が隣り合う掌編怪談である。
作品情報
静かな朝に入り込む説明しがたい音が、読後の不安を長く残す。
『朝の予兆』は、ウェブ発の短い怪談が持つ即効性を生かし、場の記憶と耳に残る気配で恐怖を組み立てる。ポプラ文庫の傑作選に収録され、同賞を代表する作品として読める。
レビュー要約
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怪談掌編として、題材の選び方と表現の密度が評価されている。読者には背景や形式への集中を求める一方、短い作品の中に残る余韻が強い。
書籍情報
- 出版社
- ポプラ社
- 発売日
- 2010-06-04
- ページ数
- 275ページ
- 言語
- 日本語
- ISBN-13
- 9784591118597
- ISBN-10
- 4591118592
- 価格
- 8 JPY
- カテゴリ
- 本/文学・評論
怪談やホラーの注目新進作家を次々に輩出して今脚光を浴びるビーケーワン怪談大賞の2008年と2009年の傑作を選りすぐった作…
レビュー
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完成度が高くても
800字の怪談とひとくちに言っても、中を読むと、さまざまのタイプがあることがわかります。 実話風コワい話、怪異譚、幻想譚、といったところでしょうか。 個人的には、コワい話は好きですが、幻想的な話は、どうも……。 完成度が非常に高い話があって、それはそれですごい、とは思うものの、「好きか?」「もっと読みたいか?」となると、すなおにうなずけません。 「怪談」という言葉から普通に連想されるコワい話を期待している人は、少し身構えて読まれたほうがよろしいでしょう。 好き嫌いで星をつけて申し訳ないのですが、星三つです。
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ハイレベルにびっくり!
素人といえども年々レベルが上がっている。 はっきり言って玄人はだしだ。 これだけ内容が濃くてこのお値段(文庫にして正解)なら 即「買い」でしょう。 わたしは何度も再読して勉強させてもらってます。
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因果律を越えた部分での怖さも
因果律を越えたところにも怖さがあるみたいです。 知ってはいましたが食指が動かなかった「てのひら怪談」ですが、1年ほど前 に古本屋でたまたま見つけた「てのひら怪談〈2〉」(古本なのに結構高かっ た)に愕然としまして――、正直疑問符ばかりで何が良いのかさっぱり。無駄 金使っちまったと。まあ、確かに怖いものもあるんですが、酔った表現で満足 していたり、唐突に落として意味ありげだったり、非常に印象が悪かった。 読者不在に感じたんですね。「ほら、ちゃんと読み解けよ」と言われているよ うで。なので「てのひら怪談〈2〉」レビューは茶化して、貶して、鬱憤晴ら しの勢いで書いちゃいましたね。 それでも、まあ、怖い系は好きなのでやはりちょくちょくと目に付く。そして 目にする内にふと思ったんですね。自分は因果律が好きなのだろうと。日本人 は仏教思想や道教の影響が下地にありますが、「こういう原因で、結果こうな った」と「恐怖」にも原因と結果を求めていたと気付いた訳です。まあ、簡単 に言えば「オチ」ている話がよいと。 この本は、原因に怖さを求め、結果に怖さを求めると、おそらく全然怖くない 話ばかりです。私の場合ですが――、「なんのこっちゃ?」でした。因果律に 忠実な事は、やはり美しいですしね。ただ、因果律を無視した先にあるものは、 混沌として掴みどころがない。実は、そこが怖い。理不尽でも傍若無人でもま かり通る、というかそれが常態であること。当然、やはり人間の悲しさか、単 なる混沌ではなく、一見不条理の中にある人外の理を感じると特に怖いですね。 ふと思い出すのは、昔、粘着系の鼠捕りの上でネズミが死んでいた事です。 腹の皮も、足も、手も、至る所くっついて離れないネズミは、腹が裂けるのも 無視して粘着シートの上を這ったのです。最後は、内臓まで引き摺りだして無 残なものでしたが、鬼気迫る精神性が人の理解を越えていて驚愕したものです。 ま、例えが悪いかも知れませんが、私自身、人があずかり知らぬ精神性や理を 感じ取る事が、多少でも出来るようになってきたのかもしれません。 しかし、やはり自分とは合わない話も多いので☆5は勘弁。
関連する文学賞
- ビーケーワン怪談大賞 第6回(2008年) ・大賞・優秀賞・優秀賞・佳作・佳作・佳作・佳作・佳作・愉しませてもらいました賞(加門七海選)・愉しませてもらいました賞(福澤徹三選)・愉しませてもらいました賞(東雅夫選)