作品情報
剣の勝敗の奥に、老いと死を見つめる芥川賞受賞作です。
「喪神」は1952年下半期の芥川賞受賞作で、五味康祐の出世作です。ポプラ社『百年文庫70 齢』に志賀直哉「城の崎にて」、谷崎潤一郎「老後の春」とともに収録され、公式ページでISBN9784591121788、149ページと確認できます。剣豪小説の形を取りながら、老境と死へのまなざしによって純文学としても評価された作品です。
レビュー要約
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ポプラ社の百年文庫では「齢」を主題に、志賀直哉・谷崎潤一郎の作品と並べて収録されている。剣豪小説でありながら、人間の年齢と死の感覚を深く扱う点が読みどころになっている。
書籍情報
- 出版社
- ポプラ社
- 発売日
- 2015-01-02
- ページ数
- 157ページ
- 言語
- 日本語
- サイズ
- 11.5 x 1.2 x 18.9 cm
- ISBN-13
- 9784591121788
- ISBN-10
- 459112178X
- 価格
- 893 JPY
- カテゴリ
- 本/文学・評論
妖しい血と情念がざわめく三篇。 五味康祐『喪神』 岡本綺堂『兜』 泉鏡花『眉かくしの霊』
レビュー
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「怪」の表題はついているが…
五味康祐の『喪神』は、先に「オーディオと人生」を読んで "自殺" を扱ったという予備知識があったので、そのことを踏まえて読み進めると幻雲斎の心理の綾がより明確になる気がし、ラストの結末も成程と思わせる所があった。
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少ない気もしないではないが、良質の怪しの物語が三話納められている。
少ない気もしないではないが、良質の怪しの物語が三話納められている。五味康祐『喪神』真剣での立ち会いに於いて鬼神のごとき強さの真相や如何に、綺堂『兜』震災に遭遇して明らかとなった家に伝わる兜の言われ、鏡花『眉かくしの霊』前段の語りで木曽の山間部にある旅籠に誘われた読者はその涼気に身を委ねながら物語の行方に引き込まれていく…そして「似合いますか」の一言にゾッと背筋を寒くする。この物語だけは何度読んでも怖さを減じない。