日本の文学賞

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質草女房

角川春樹小説賞

質草女房

渋谷雅一

彰義隊に入った夫を待つ妻を描く時代小説で、刊行時は『すっきりしたい』だった。

作品情報

角川春樹事務所より刊行。

書籍情報

出版社
角川春樹事務所
発売日
2020-10-15
ページ数
232ページ
言語
日本語
ISBN-13
9784758413640
ISBN-10
4758413649
価格
1760 JPY
カテゴリ
本/文学・評論/歴史・時代小説

幕末に取り残された男、質草にされた女、明治へと駆け急ぐ男。 三人の生き様が交錯する、時代小説の傑作誕生! 彰義隊に入った夫に、戦いの前に手元に金が必要だと質屋に預けられた妻・けい。 そんな男なのに、けいはひたすらに夫を信じ、帰りを待っている。 けいに興味を持った貧乏浪人・柏木宗太郎は、質屋から夫の捜索を頼まれ、 動乱を目のあたりにしながら逃亡先と考えられる会津へ。 その最中、新政府軍の参謀・速水興平と出会い、行を共にすることになるが……。 エンターテインメント性を高く評価された時代小説の新しい波!

レビュー

  • 「剣」の扱いに違和感あり

    荒唐無稽なテーマだが、どう纏めるかが楽しみで読み始めた。中々面白い展開で、「これは行ける!」と思っていたものの、終盤に向かい「やや違和感」を抱くようになった。時代ものには「剣」も重要な役割を果たし、中には「剣」が主役の時代ものもある。ここでの「剣」の扱いはややマンガ的で、了見の狭い小生には違和感が残ってしまったが、その拘りさえ無ければ、十分に楽しめる小説と思う。

  • このタイトルでこの表紙、このあらすじ

    角川春樹小説賞の2019年度受賞作。 戊辰戦争のその前夜、彰義隊に参加する夫の金策のために質草として質屋に預けられてしまった美人女房。その顛末はいかに? このタイトルでこの表紙、このあらすじ。質草にされた女房を中心して、質屋に出入りする客たちや持ち込まれる品々にまつわる騒動を描いた下町人情系時代ミステリ連作短編集なのだと誰だって考えるじゃないですか。実際に読んでみたら……そんなことはぜんぜんなかった! 質草にされる女房の件は物語の発端でして、この人がメインというわけではなく、質屋から取り立てを頼まれたノンポリ浪人宗太郎が主人公。生まれついての浪人人生三十年、剣術は我流で人を斬ったことはないなら江戸を離れたことすらなく、質屋通いの貧乏生活……という底辺な境遇なのに頭はキレるし、剣術の腕は立つし、会津藩でも官軍でも親切な協力者に恵まれてトントン拍子に探索行が進んでいくし、あまりに都合がよろしい展開の連続は薄くて軽くてストレスなしにさくっと読み進めていくことができるのであります。ただ、公募小説の受賞作だと構えて読んでみるとあまりに薄くて、きっと拍子抜けすることになるでしょう。その点は御注意を。 なお、投稿時のタイトルは『すっきりしたい』というもので、こちらの方が本編の内容には合致していたかも。発売の際に改題して、いかにも売れ筋っぽいイメージを演出してみせたのは出版社(担当者)のお手柄でしょうか。いやー、みごとに騙されてしまいましたよ。

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