作品情報
コロナを機に「マブ」という名前の妖精の存在を知った著者が、アニミズムから現代を見つめ直す最新句集。
本阿弥書店の句集として刊行された作品で、妖精マブのイメージを起点に、現代の感覚や風景を俳句で組み替えていく。無垢句も収め、軽やかさと不穏さが同居する一冊。
書籍情報
- 出版社
- 本阿弥書店
- 発売日
- 2023-06-21
- ページ数
- 92ページ
- サイズ
- 18.8 x 12.8 x 0.8 cm
- ISBN-13
- 9784776816461
- ISBN-10
- 4776816466
- 価格
- 1980 JPY
- カテゴリ
- 本/文学・評論/評論・文学研究
コロナを機に「マブ」という名前の妖精の存在を知った著者が「アニミズム」から現代を見つめなおす最新句集。「五七三」の「無垢句」も収録。
レビュー
-
「573」、凄いかも!!
まずは句集の構成が凄い。一集が壮大な連作(物語?)になっていて、英詩人・PBシェリーの長詩を俳句で追っていく、というアイデア。 目次より ①「妖精女王マブに夢想の世へ連れ去られる」 (死んでいく感じ、鷺とか、いろんな鳥の句がある) ②「妖精女王マブの洞窟から苦難多き人界を眺める」 (苦しんでいる人間たちをビビッドに描く、日本社会の風刺、そしてウクライナの句が圧巻) ③「妖精女王マブの眼で再びこの世に生まれる」 (世界中で作った平明な句が多い、ことに男から見た赤子の句が感動的) そして... ④「五七三(無垢句)」(アイヌ文化が大きなテーマだが、50句ぐらい、いわゆる新しい定型の「無垢句」、眼から鱗が落ちる思いがした!) マブソンさんは、前のマルキーズ諸島の句集も大へん自由でしたが、また一層自在になったように感じました。 とにかく、「五七三」の句のかたち、これは面白い!読んでみると初めての感覚が味わえます。自由律の韻律を少し思い出すが、それとはまた違います。斬新な余韻が伝わります。 なんだか、アイヌ文様とか、縄文の螺旋模様のような、シンプルだけど壮大な世界、そんな時間意識が573なのか... やっぱり、これは「アニミズムのリズム」なのか、と思わせる。
関連する文学賞
- 現代俳句協会賞 第79回(2024年) ・受賞