作品情報
三日も経つと、水を吸った猫はふっくらとうめいになった。
思潮社から刊行された橘しのぶの第4詩集。猫のイメージを軸に、現実と幻想の境目がゆらぐ詩篇を並べる。
書籍情報
- 出版社
- 思潮社
- 発売日
- 2024-06-05
- ページ数
- 104ページ
- 言語
- 日本語
- サイズ
- 18.2 x 13 x 1 cm
- ISBN-13
- 9784783745662
- ISBN-10
- 4783745668
- 価格
- 2420 JPY
- カテゴリ
- 本/文学・評論/詩歌/詩集
三日も経つと 水を吸った猫は ふっくらとうめいになった (「水栽培の猫」) 「『水栽培の猫』は、読者を迷宮に誘い込む。ページをめくるたび、曲がり角の向うから、この世のどこにもいないはずの異形のものが晴れやかに姿を現わす」(野木京子)。2年ぶりの新詩集。
レビュー
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幻惑する手招き
「幻惑の死と使徒」というタイトルの森博嗣の本がありますがこの言葉の連なりに相応しい世界が、この詩集の世界観のように思えます。 幻惑の死がある。そして幻惑する使徒、著者がいます。 使徒(著者)がそのうつくしい世界観で幻惑してくるよう。 現実と幻惑してくる異界は薄皮一枚で隔たっている。 現実から異界へ、著者はかろやかに行き来し、持ち帰ったそれを包んだ掌を優しく開けて見せてくれるような…。 いったいどこからこんな奇麗な発想が湧いてくるのかと読んでいて驚きの連続です。 一つ一つの詩の一行が粒立って綺麗で、そしてこの世界観ですから本当に幻惑されました。 不可思議な、しかし確かに現実に呼応するこの世界に何度も浸りたくなる。 一週間で私は3度読み返しました。 最後の二篇には毎回泣かされました。 喪われた猫=家族は二度と失われない。 私も猫という家族を喪いましたが、今は私の中で生きています。 動物を家族に迎えている人には特に悲哀と救済のある詩が、最初と最後で繋がっていて面白い構成だと思いました。
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水栽培の猫
猫を愛する作者の気持ちが伝わってきて、とても暖かい気持ちになりました。 すべての詩に作者の言葉のセンスが散りばめられていることに感動しました。
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ひきこまれる
まず、これは、猫の詩集ではない。いつの間にか異界に引き摺り込まれる摩訶不思議な魅力。100頁あるが、気がついたら読み終えていたという感じ。最後の詩には、不覚にも落涙した。帯が半透明で、猫が水栽培されているイメージ。内容も装丁も繊細で美しい。
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