日本の文学賞

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萩原朔太郎賞 はぎわらさくたろうしょう

第32回(2024年)

現代詩

受賞者

6名
最果タヒ さいはて たひ 受賞

恋愛と誤解が重なり合う感情の揺れを、鋭い言葉の跳躍で描く詩集。甘さに流れず、孤独や体温の感覚を静かに照らす。

愛されていると思えたら、心が光をまとう。最果タヒの第12詩集。

96ページ
恋愛孤独体温言葉の跳躍現代詩
飯沢耕太郎 いいざわ こうたろう 候補

冬、夏、春の三部構成で、旅と記憶、風土と幻想を往還する第3詩集。アザラシやウクライナ、アフリカの気配が交差し、視覚と感情がゆっくり編み直される。

アザラシたちの哀しみが、氷の海をただよっていく。

158ページ
記憶風景アザラシ戦争と喪失
野木京子 のぎ きょうこ 候補

夢や日常の断片を拾い集めながら、気水域のようにあいまいな場所から言葉を立ち上げる詩集。喪失の手触りと、まだ残る光を静かに見つめる。

水面に落ち込んだかつての月明かりを、書き継ぐようにたどっていく。

120ページ
喪失記憶静けさ
新井高子 あらい たかこ 候補

東北の方言を生かした独特の言葉で、土地の記憶や身体感覚を立ち上げる詩集。生き物と人間の境界がゆらぎ、深い音の気配が残る。

声よりも深い音っこ、生類は抱えておるんじゃねぇのすか。

132ページ
東北方言記憶身体感覚生き物土地の声
橘しのぶ たちばな しのぶ 候補

猫をめぐるイメージを核に、透明で奇妙な感触をまとった詩を重ねる詩集。日常の景色が少しずつずれていき、白昼夢のような空気が広がる。

三日も経つと、水を吸った猫はふっくらとうめいになった。

104ページ
透明感日常のずれ白昼夢生と死
河野俊一 こうの しゅんいち 候補

家族の闘病や喪失を見つめながら、身体と時間の変化を詩へと結晶させる詩集。医療の記憶と私的な痛みが、静かな語りの中で重なっていく。

会話の手ざわりと、病室に流れる時間をすくい上げる。

112ページ
病と家族身体喪失記憶静かな語り