作品情報
まどろむ夜のUFOという題名のもと、角田光代が対象に向き合う姿勢が前面に出る作品。
『まどろむ夜のUFO』は、角田光代による野間文芸新人賞の対象作。作品名が示す題材を軸に、人物、時代、場所、記憶の手触りをたどる作品として読める。
レビュー要約
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題材への着眼と読みやすい構成が評価される一方、背景知識を求める読者にはやや専門的に感じられる部分もある。
書籍情報
- 出版社
- ベネッセコーポレーション
- 発売日
- 1996-01-01
- ページ数
- 211ページ
- 言語
- 日本語
- ISBN-13
- 9784828825175
- ISBN-10
- 4828825177
- 価格
- 613 JPY
- カテゴリ
- 本/文学・評論/文芸作品/日本文学
第18回(1996年) 野間文芸新人賞受賞
レビュー
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初期の角田作品
角田光代さんの本はだいたい読んでいますが、独特の感性が作品に投影されていて、この作品は特に好きな作品です。ふわっと漂う不思議な世界観、そしてストーリーの面白さ。あまり書店で見かけたことがないので、アマゾンで見つけた時には興奮して即購入しました。角田光代さんのディープなファンの方には是非お薦めです。
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角田光代さんの初期の作品
もし、主人公と同年代だったら感想は異なっただろう。 角田光代さんの作品は、時代を切り取る描写が素晴らしい。 その礎であったと思えば、面白く読めるだろう。 主人公の悩み、無力感、漠然とした不安。 それらが他者からの言葉によって何かに気付く。 若者特有のモラトリアムだ。 模索している様が、読んでいて苦々しかった。 それは、もしかしたら、私自身が悩みもがいていた年頃に もう戻りたくないのに、引き戻されてしまうほど リアルな描写だったからかもしれない。 今の角田光代さんの作品に共感できるのは、 こういった若い頃の作品があるからで、 それはあたかも、人の人生のようだ。 年を取ることはとても面白い。 私も主人公のように、漠然とした不安を抱えて生きていたのだろう。
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「変」であるが故のリアル?
野間文芸新人賞受賞作。 「変」な人のオンパレード。 でも、全て「変」じゃなく、ちょっと「変」。 このビミョーさが、ミョーにリアル。 結局のところ、自分の周りも(自分も含む)こんな風に、ちょっと「変」なのかな、と思ったりもした。 表題作の他、「もう一つの扉」と「ギャングの夜」という作品が収められているが、「もう一つの扉」は抽象的すぎて、少し理解できなかった。 「ギャングの夜」のこんな一文がココロに残った。 「それって、どこかへ行きたいってこと?それともここからどこにも行きたくないってこと?」
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いやな人ばかり。
中短編(?)3作品がまとめられています。 いいひとなんか出てきません。 「普通」から嫌な感じにズレている人。の話。 これはこの作者の小説の登場人物のたいていに言えるけど、みんなモラルも感覚も価値観もちょっと素っ頓狂な感じなので、世間体命のわたくしとしては、かなりお近づきになりたくないタイプの人たち。 だから彼らの生活の進み方はわたしの予想を大きく超えていて、小説としてとてとてもおもしろがれた。 クサヤとかブルーチーズを好きだという人がわかる。 この味の良さを知ってしまったら、癖になること絶対。 駄目人間なのに社会性に囚われているわたしは、あっさりはまってしまいました。 憧れるわけでも軽蔑するわけでもなく駄目なのはやっぱりかっこよくなくて、 でも!きっぱりしている感じ。 うまくいえないけど絶対読んだほうがいい。そして好きか嫌いか選んでください。読まないのは損。 言葉の使い方も秀逸です。
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浮遊する
登場人物はフリーターや契約社員・社会に出る前の大学生であったり身分不安定でどことなしか大人になりきれない情緒不安定を抱えている。まじめに働いている人間がどこかおかしいとも感じる。 こういった浮遊感の中で主人公たちが漂い、作者らしい文章表現が魂を明るい場所へ誘ってくれる。 「トンネルの中で交通情報を聞こうとするようにね。・・・・そして次に目を開けた瞬間、色が弾けたんです。僕らを包む緑はありとあらゆる色彩に変わり無限に広がり始めた、この世に存在するあらゆる色があの場所に集まってきたみたいな光景でした。」 10年前の作品だが今の若者たちの心理を伝えているかもしれない。
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一言 面白い
この作品を読むだけで、作家の視点が並でないことがわかると思います。 作品の構成、流れがハンパない。 とにかく面白い。
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- 野間文芸新人賞 第18回(1996年) ・受賞