作品情報
一本の赤い糸が、隠された関係と事件の核心へ読者を導く。
1961年に光風社から刊行された推理長編。後年、双葉社文庫と論創ミステリ叢書で再刊が確認できる。論創社版は ISBN-13 が確認できるため、ISBN-10 と ASIN を換算して補完した。
書籍情報
- 出版社
- 論創社
- 発売日
- 2020-02-17
- ページ数
- 264ページ
- 言語
- 日本語
- サイズ
- 13.5 x 2 x 19.4 cm
- ISBN-13
- 9784846018856
- ISBN-10
- 4846018857
- 価格
- 2750 JPY
- カテゴリ
- 本/文学・評論/ミステリー・サスペンス・ハードボイルド
日本推理作家協会名誉会員・飛鳥高、白寿記念出版。連続殺人を繋げる"赤い糸"の秘密とは? 日本推理作家協会賞受賞作「細い赤い糸」が待望の復刊! 受賞コメント「受賞の決まった日」、著者自身による書下ろしエッセイも収録。
1921年、山口県生まれ。本名・烏田専右(からすだ・せんすけ)。東京帝国大学工業学部卒業。工学博士。1946年、『宝石』懸賞探偵小説「犯罪の場」を投じて入選、翌年、同誌に掲載されデビュー。短編と並行して『死を運ぶトラック』(59)や『死にぞこない』(60)などの書下ろし長編を精力的に発表、62年に長編「細い赤い糸」で第15回日本探偵作家クラブ賞を受賞する。75年にコンクリート工学の研究で日本建築学会賞受賞後、本業多忙のため短編「とられた鏡」(76)を最後に断筆状態が続いたが、1990年、旧友が出版社を立ち上げた記念に長編「青いリボンの誘惑」を書き下ろし、久々に新作を発表した。2001年、日本推理作家協会名誉会員となる。
レビュー
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なかなかのもんです。
一見別々に見える4つの事件が、最後に一つに収束する。なかなか面白く読みました。時系列を少しずらした順番で並べただけで、こんな効果が出るのだと感心しました。
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書き方がハードボイルド。
探偵作家クラブ賞の選考では、山田風太郎が「サスペンスでは第一、 これはその簡潔重厚な文体にもある」と推したのだそうだ。私見では、 簡潔重厚というより、情け容赦のない書き方、という感じがする。 それは他の飛鳥作品、特に長篇ではいずれにも共通する点で、作者は 登場人物たちが可哀そうなくらい、余計なことを書かない、描写しない、 ほとんど非情な書き方という感じ。この本でも、それは最初から最後まで 徹底しているので、結末の、あまりに断崖絶壁な結末を、これでもかと 悲痛に際立たせている。犯人があまりにも可哀相だ。せめて、追ってきた 刑事の一人にくらい、目撃させてやってもよかったのではなかろうか。 それほどに、究極のハードボイルド的ライティングである。 何の救いもない、ちょっと息の付けるエピローグも余韻もない、 いくら何でもこりゃ厳しすぎる。たぶんこれが、飛鳥高が松本清張級に なれないところなんじゃなかろうか。それでなくとも、毎回毎回、 コンクリートに砂利山に埃を舞い上げるダンプトラック、そんな 灰色の舞台設定に、救いようのないラスト、もちろんそれだって、 飛鳥高の紡ぎ出した人工楽園、アーティフィシャル・パラダイスには 違いないんだが、読み終わった読者は、社会の灰色ミステリから、 現実世界に立ち戻らなくちゃならないわけだから、もう少しその、 橋渡しというか緩衝材というか、そういうものが、物語の最後に あってもいいんじゃなかろうか?――そんな余計な心配をしてしまうくらい、 飛鳥ミステリは非情である。もちろんサスペンスはあるし、読んでいて 感心するところもあるけれど、書いていて、どこが楽しいのだろうか? そんなことまで考えてしまうんだな。読み終わっても、つらいんです。 ところで、この文庫版229ページ、犯人を追ってきた刑事が、 女中に不在を聞かされるところ。 「もう一週間位――お葬式が済んでから、いません」 ここで、女中の言った「お葬式」という言葉に、 刑事が誰も反応しないのはおかしい。 「お葬式? 最近どなたか亡くなられたんですか?」 少なくとも、この程度の質問は刑事から出るべきだ。もちろん、 それに対して、女中の答えを律儀に書いてしまうと、数ページ先の インパクトが失われてしまうので、作者はわざと刑事に喰いつかせ なかったのだろうが、刑事のこのセリフがあっても、女中にしゃべらせずに 刑事に行動させればいいだけだから、これはちょっと痛い。 あるいはいっそ、「お葬式」という言葉は無かった方がよかった。 それにしてもこの作者は、かなりのウールリッチ・ファンですね。
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99歳
素晴らしいです。 ぜひ買って読んでください。
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名作です。
昔読んで忘れられない本は誰にでもあると思います。私にとってはこの本はその中の一冊です。
関連する文学賞
- 日本推理作家協会賞 第15回(1962年) ・受賞