日本の文学賞

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Lilith

歌壇賞

Lilith

川野芽生

第29回歌壇賞受賞作「Lilith」を核にした川野芽生の第一歌集。古典的な語法と幻想的なイメージを用いながら、女性性、神話、暴力、孤独を鋭く詠み、現代短歌に強い印象を残した。

短歌歌集神話女性性幻想

作品情報

端正な古語と幻想の青さが、少女神の孤独を立ち上げる。

書肆侃侃房から2020年に第一歌集として刊行。第29回歌壇賞受賞作を含み、のちに現代歌人協会賞も受けた。

レビュー要約

  • 幻想性と批評性を兼ね備えた歌集として受け止められている。古典的な文体の美しさだけでなく、性や暴力をめぐる問いの鋭さも評価の中心になっている。

書籍情報

出版社
書肆侃侃房
発売日
2020-09-26
ページ数
168ページ
言語
日本語
サイズ
18.8 x 12.8 x 2.5 cm
ISBN-13
9784863854192
ISBN-10
4863854196
価格
2110 JPY
カテゴリ
本/文学・評論/詩歌/詩集

第65回現代歌人協会賞受賞! ! 第29回歌壇賞を受賞し、幻想小説も発表する著者の鮮烈な第一歌集。 叙情の品格、少女神の孤独。端正な古語をもって紡ぎ出される清新の青。 川野芽生の若さは不思議だ、何度も転生した記憶があるのに違いない。 ――山尾悠子 【収録歌より】 アヴァロンへアーサー王をいくたびも送る風あり千の叙事詩に 天上に竜ゆるりると老ゆる冬われらに白き鱗(いろくづ)は降る harassとは猟犬をけしかける声 その鹿がつかれはてて死ぬまで ほんたうはひとりでたべて内庭をひとりで去つていつた エヴァは 詩はあなたを花にたぐへて摘みにくる 野を這ふはくらき落陽の指 【栞文】 石川美南、佐藤弓生、水原紫苑 【装幀】 柳川貴代

川野芽生(かわの・めぐみ) 1991年、神奈川県生まれ。2010年、東京大学に入学。東京大学本郷短歌会に入会、作歌を始める。2014年、短歌同人誌「穀物」結成。2015年、「怪獣歌会」結成。 2017年、本郷短歌会解散。2018年、「Lilith」30首により第29回歌壇賞受賞。現在、東京大学大学院総合文化研究科超域文化科学専攻博士課程在籍中。小説作品に「白昼夢通信」(『Genesis 白昼夢通信』東京創元社、2019年)がある。

レビュー

  • 今、最も期待される歌人の第一歌集

    川野芽生は1991年生まれ。東京大学でファンタジー文学を専攻する学究。 2018年に「Lilith」で29回歌壇賞を受賞した。 栞には水原紫苑、石川美南、佐藤弓生が文章を寄せ、帯文には山尾悠子が 言葉を寄せている。これだけでも著者に対する期待の高さが伺える。 「Lilith」に収められた歌のように、現代日本で女性が受けるさまざまなハラスメント、 女性という性の生きづらさを華麗な比喩や古語を駆使して歌う短歌は 美しいのみならず〈塚本邦雄をどこか彷彿させる)これまでの短歌になかった迫力に満ちている。 馬手と云へり いかなる馬も御さずしてさきの世をもをみななりしわが馬手 〈男みなかつて狩人〉その嘘に駆り立てらるる猟犬たちよ うつくしき沓を履く罪 踊り出す脚なら伐れ、と斧を渡さる 真情にあふれた「あとがき」もぜひ読んで欲しい。 個人的には、若い女性歌人に対し「相聞歌を作れ」と迫るなどといった 男女差別をいまだに引きずっている旧弊な短歌界に現れた超弩級の新人だと思う。

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