作品情報
母になることの喜びと揺らぎを、詩の言葉で見つめる。
モノクローム・プロジェクトのブックレット詩集。CiNiiでISBN、ページ数、収録詩題を確認できる。
レビュー要約
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母となった視点の切実さと、葛藤を単純化しない言葉の瑞々しさが読みどころとされている。
書籍情報
- 出版社
- らんか社
- 発売日
- 2018-08-24
- ページ数
- 136ページ
- 言語
- 日本語
- サイズ
- 21 x 14.8 x 1 cm
- ISBN-13
- 9784883300105
- ISBN-10
- 4883300102
- 価格
- 1320 JPY
- カテゴリ
- 本/文学・評論/詩歌
第21回小野十三郎賞(詩集部門)受賞。 生まれ変わっても、もう一度「女」に生まれたいですか? 前作の第二詩集『なにがそんなに悲しいの』の発刊後、 一児の母となった著者の11年ぶりの新刊詩集。 表題作『stork mark』をはじめ、母として、妻として、 女としての生きざまをめぐる葛藤や逡巡、 そして喜びを瑞々しい言葉で描き上げる、全30編(+α)。
1978年京都府生まれ。大阪芸術大学文芸学科卒。中学のころより、新聞に詩の投稿を始め、大学で本格的に詩作を学ぶ。2007年第3回「詩学」最優秀新人賞受賞。関西詩人協会会員。日本詩人クラブ会員。詩集『なにがそんなに悲しいの』
レビュー
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夜に
とても好きです。
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「選択」という果てしなく重い自由。
女性詩人(という言葉じたいが、そもそもおかしいのだが)が書いた詩というと、肯定的か否定的かはさておき女性性や母性をテーマにしたものが多い。というよりも、そういうフィルタを介して読んでいる読者が多いように思う。この詩集も、タイトルからしてそういうテーマを明確に提示しているのだが、じつはそれほど分かりやすくイージーなものではない(誤解を招かないように言っておくが、この詩集の言葉はいたって平易であり、そういう語彙的な意味や複雑なメタファーといった類の難解さは皆無である)。 この詩集の根底に流れている大きなテーマは、生きていく上での「選択」である、と私は思う。何を選び取り、何を選ばないか。私は男だが、女性という生き物は、私たち男性以上に、人生の中で数多の選択を迫られる。選択は決して不可逆なものではないが、時として取り返しのつかない大怪我に繋がることもある。あるいは、一見、正しい(より良い)選択肢を選び取ったかのように見えても、時とともに選んだ道の先は真綿で首を絞められるような絶望が待っていることに気付かされたりもする。そんな数多ある「選択」の中でも、ひときわ重々しく、そしてある意味不可逆なのが「出産」ではないだろうか。 タイトルからも分かるように、この詩集は全体を通して、著者自身の経験した出産~育児という大きなライフイベントがモチーフになっている。しかし、彼女が描こうとしているのは、そういった女性ならではのライフイベントから浮き彫りになる「女性性」や「母性」(それらの尊さ、美しさ、あるいは切なさ)といったステロタイプなものではない(もちろん、そういう色合いの強い作品も、あるが)。彼女は、そういったライフイベントの中で、半ば自動的に、当たり前のこととして「選択」を迫られることへのやりきれなさや怒り、或いはそれに抗うことで「私」という人間のままでありたいという祈りや願い、のようなものとして、この詩集を編んだのではないだろうか。 奇しくも作品紹介の文章でも、『生まれ変わっても、もう一度「女」に生まれたいですか?』と、彼女は問うている。まさしく、「選択」である。前作から10年以上、著者は自らに問い続け、選択し続けてきたのだろう。その重みが、この一冊を生んだ。10年以上待った甲斐があったと頷ける、素晴らしい一冊だった。これからも、彼女には問い続けて欲しい。女たちに対して。男たちに対して。そして、自らに対しても。
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子供を育てることに正面から向き合い成し遂げていく日常が描かれている絵本のような詩集。
著者名・犬飼愛生(いぬかいあおい)。はじめに、愛から生まれたなんてなまえ なんてステキなんだろうと感動。犬飼さんは激動の10年だったか11年だったとおっしゃっていたけど、振り返ってみながら、40年前にこんな詩に出合えていたら、わたしももっと3人の娘たちを、上手に育てることができただろうにと、すべてにカッコ良すぎる彼女に少しの反感も交えな がら、楽しく読んだ。誰もができるわけではないこと、そんなあたたかさ、 思いやりのようなものも伝わってきた。 子育て中のお母さんお父さんにもおすすめです。 果たして、わたしは、ふつうのおかあさんだったのだろうか? そんなことを考えてみたりするのも楽しい。
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まっすぐ見つめる眼差し
「詩」の事はよくわかりませんが、出産子育て中の女で母の部分のほんの一瞬を、そうだったそうだったと共感する懐かしさがありました。いつか、もう少し大きく成長された「君」と、働く「わたし」に読んで会いたいです。
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- 小野十三郎賞 第21回(2019年) ・受賞