新編燈火節
『燈火節』は、片山廣子が晩年の日々、自然、読書、アイルランド文学への親しみを静かな筆致で綴った随筆集。孤独や老いを見つめながらも、季節の移ろいと身近な暮らしの手触りを細やかにすくい取る。
作品情報
日々の小さな灯をたどりながら、晩年の心の明るさを映す随筆集。
1953年に暮しの手帖社から刊行された生涯唯一の随筆集をもとに、月曜社の新編版では旧版全編に随筆を増補し、旧字旧かなの趣を残して刊行している。表題作「燈火節」を含む文章は、片山廣子の生活感覚と異国文学への想像力が重なり、身辺の出来事を深い余韻へ変えていく。
書籍情報
- 出版社
- 月曜社
- 発売日
- 2007-12-01
- ページ数
- 300ページ
- 言語
- 日本語
- ISBN-13
- 9784901477383
- ISBN-10
- 4901477382
- 価格
- 990 JPY
- カテゴリ
- 本/文学・評論/エッセー・随筆
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レビュー
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くるおしくなるほど愛しいエッセイ
青空文庫で読んでいたのですが、やはり手元に置いておくべき本との想いが増してきてしまいました。絶版で探しはじめは高価で二の足を踏んでおりましたが、やっと価格もこなれてきたので購入いたしました。戦前戦中戦後の片山さんの身辺のエッセイですが、彼女の考え方行き方にふと心温まるものを感じて何度も読み返してます。定価より高い買い物でしたがこの本にはそれ以上の価値があります、少なくとも自分には。
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長年探し続けて
長年探し続けた燈火節が新編されようやく手に入りました。何と届いたのが正に燈火節の日だったのには驚きました。読むのがもったいないなくて少しずつ読んでいます。梨木さんの解説もとても感じ入りました。
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よくぞ旧仮名遣いで!
自分の内面を見つめて、丁寧に生きられた人生が伝わります。また、人と時代の関係を考えさせられます。 旧仮名遣いでの出版に踏み切られた出版社に感謝します。もし新仮名遣いであれば、これほどしみじみと胸に響かなかったのではないかと思われます。 この先も、多くの方に読まれることを願わずにいられません。
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いい本でした
素晴らしい文章がぎっしり詰まった一冊でした。とても満足しました。
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「乙女」のための随筆集
片山廣子は、大正期の歌人。松村みね子の筆名で、J.M.シングやロード・ダンセイニ、フィオナ・マクラウド等、多数のケルト圏の文学を翻訳し、日本に紹介したひとでもあります。 歌人としては歌集『翡翠(かわせみ)』『野に住みて』などを発表。 暮しの手帖社より刊行された随筆集『燈火節』は、1955年に、第3回日本エッセイスト・クラブ賞を受けています。 ながらく絶版だった名随筆『燈火節』は、月曜社から大部の集成本『燈火節―随筆+小説集』として復刻されましたが、本書は初版本のハンディさに立ち返ったソフトカバーの廉価版。しかも底本どおりの旧字旧仮名遣いが採用されています。 ひそかに片山廣子/松村みね子の文章を愛する読者にとって、またいまだ彼女の文章に触れたことのない読者にとって、何と嬉しい知らせでしょう。 片山廣子/松村みね子を説明する言葉はいくつもあります。ニューヨーク領事をつとめた父をもち、ミッション系の女学校に通った深窓の令嬢。佐佐木信綱に師事した大正期の麗歌人。幻視の魂をもったアイルランド文学の紹介者。 あの芥川龍之介の最後の恋の相手と噂され、また堀辰雄『聖家族』のモデルとも言われる、孤高の才媛…。 そんな彼女が、夫や子どもの死、そして敗戦を乗り越え、晩年に至って著した生涯唯一の随筆集『燈火節』。 この一冊は、あえて言わせてもらうなら、まさに昨今はやり(?)の、「ガーリィ」な、「乙女」のための本ではないかと思うのです。 古書の愛好家には知られた名随筆かもしれませんが、こんなに美しい随筆集が、たくさんの「乙女」に知られずにいるのはもったいない! 本書の刊行により、より多くの読者が、片山廣子/松村みね子の文章に出会えることを願います。
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花屋の窓
翻訳筆名・松村みね子、片山廣子女史。 「憧れの人に、やっと会うことが出来た」 …「燈火節」(以前出版された、小説も入った集成)を手にした時、 自分が思わずつぶやいた言葉です。 芥川龍之介「或る阿呆の一生」で唯一美しい輝きを放つ一節は、 彼女のために語られたものです。 この「新編 燈火節」は、 今絶版となっている集成から再編され、 廉価版の随筆集として出されたものですが、読みやすく、 旧仮名づかいはやはりうれしい配慮です。 片山廣子女史の文章は 率直で、時にユーモアも感じられ素晴らしいです。 「花屋の窓」は最も好きな随筆です。読んでいると、 学生服を着た芥川龍之介、その姿に思いを馳せる片山廣子、 またそれを違う時間から見る自分…。 不思議な時間旅行をしている気分になります。 随筆中には、 女性が一人でも気にせず入れるクラブ(多分今でいうカフェ) が欲しいという文も。 ぜひ現代のカフェでお会いしたい気分です。 関連書籍としては、川村湊氏の「物語の娘」ですね。