日本の文学賞

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螺法四千年記

野間文芸新人賞

螺法四千年記

日和聡子

現在という地平に、神、人、小さな生き物たちの時間が交錯する幻想小説。古文書をめぐる探索を軸に、此岸と彼岸、私と彼方の境界がゆらぎ、日和聡子の詩的な言語感覚が夢幻的な世界を立ち上げる。

幻想文学古文書此岸と彼岸詩的言語

作品情報

古文書の向こうで、神と人と小さな生き物の時間が重なり合う。

幻戯書房から2012年に刊行された書き下ろし小説。現実、神話、動植物、古文書の気配が入り混じる構成で、詩人でもある著者の言葉が不思議な奥行きをつくる。第34回野間文芸新人賞受賞作。

レビュー要約

  • 日常的なリアリズムから離れた視界と、五感を刺激する異界描写に強い印象を受ける読まれ方をしている。物語の筋よりも、言葉が開く世界そのものを味わう作品として受け止められている。

書籍情報

出版社
幻戯書房
発売日
2012-06-23
ページ数
189ページ
言語
日本語
ISBN-13
9784901998963
ISBN-10
490199896X
価格
2530 JPY
カテゴリ
本/文学・評論/文芸作品/日本文学

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レビュー

  • こういうのはちょっと苦手かな

    読んでみてまず連想したのがミュージカルの「キャッツ」。 ストーリーのつながりがあるわけでもなく、個々の登場「生物」が章ごとに独自の物語を展開している感じ。 こういう宮沢賢治風のファンタジーが好きな人には和みのある作品かもしれないが、私のように全体のストーリーの構成が気になる者には満たされない後味が残ってしまう。

  • 生のつながり

    面白い作品だ。構成はかなり独自だが、奇抜ながらも読みやすい文章のおかげでしっくり入ってくる。 「螺法四千年記」という古文書をめぐり、様々な個性的な生き物たちが登場する。 それは白蜥蜴であったり、弁財天であったり、餅を届ける兎であったり、岩走る蛸の乙女であったりする。 ゆったりとした笑いの連続の中に、それぞれのささやかな生がいつもどこかで誰かや何かと小さくつながっていることを感じさせてくれる。深く、しみじみとした読後感が残る。こんな小説、作家は他にいないと思う。 野間文芸新人賞受賞も納得の力作だ。

  • 滲んでいく

    「螺法四千年記」(日和聡子)を読んだ。こういうの好きだなあ。いろいろな物事の境界線が曖昧に滲んでいくような感じがたまらない。眼差しが優しく暖かい。私はアルコールダメだけど、おそらく美酒に酔うとはこのことか。

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