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観覧車を育てた人-Sogen SF Short Story Prize Edition- 創元SF短編賞受賞作

創元SF短編賞

観覧車を育てた人-Sogen SF Short Story Prize Edition- 創元SF短編賞受賞作

笹原千波

二度の〈育鉄革命〉を経て、製鉄植物クロガネソウによる「育鉄」が普及した世界。九〇年代初頭の日本。科学雑誌のライター・小池は、故郷の金沢で廃業した遊園地を買い取り、ひとりで十年かけて観覧車を育て上げた男・八木光一郎に取材を申し込む。誰も乗らない観覧車をなぜ育てたのか。問われた八木は、クロガネソウ研究にまつわる意外な家族の歴史を語り始める。

架空植物SF育鉄廃遊園地家族史オルタナティブヒストリー金沢産業史

作品情報

製鉄植物が普及した90年代初頭。廃遊園地でひとり観覧車を育てる男がいた。

第16回創元SF短編賞受賞作。製鉄植物クロガネソウが鉄産業を担う「育鉄」の技術が普及した架空の歴史を舞台に、廃遊園地でひとり観覧車を育て上げた男の知られざる家族の物語を、ライターによる取材インタビューの形式で描く。緻密なSF設定と静謐な情感、オルタナティブな産業史を背景とした感動的な家族ドラマが高く評価された。受賞作は『紙魚の手帖 vol.24』(東京創元社、2025年8月)に掲載後、電子書籍として単体配信された。

レビュー要約

  • 選考委員の飛浩隆氏は「アイディアの独創性、それを実装する手際、ロマンティシズム、モチーフの必然性と効果を隅々まで行き渡らせた点」を高く評価し第一位と判断。長谷敏司氏は「完成度では最終候補作で頭ひとつ抜けていた」と絶賛。宮澤伊織氏も「架空の歴史におけるファミリーヒストリーが観覧車を一周する流れに乗せて語られることでスムーズかつ面白く読めてしまう」と評した。選考委員三名の評価は一致して高く、満場一致的な受賞となった。

  • 読者からは高い評価を得ており、精緻な世界観と感動的な家族物語への好意的な評価が多い。

書籍情報

出版社
東京創元社
発売日
2025-08-08
ページ数
6ページ
言語
日本語
価格
220 JPY
カテゴリ
Kindleストア/Kindle本/文学・評論/小説・文芸/日本の小説・文芸

製鉄植物が普及した90年代初頭。 廃遊園地でひとり観覧車を育てる男がいた。 第16回創元SF短編賞受賞作。 二度の〈育鉄革命〉を経て、鉄製品は人間が「育てる」ものとなった。製鉄植物であるクロガネソウを用い、建築物はもちろん鉄道敷設や武器の製造にまで広く育鉄の技術が使われていた。九〇年代初頭の日本。科学雑誌のライターである小池は、飲み会の席で仕事仲間から、観覧車を育てる男性の噂を聞かされる。その人は小池の故郷である金沢で、廃園となった遊園地を買取り、たったひとりで観覧車を育てているのだという。興味を覚えた彼は取材の約束をとりつけ、早春の金沢に赴く。第16回創元SF短編賞受賞作。 ※本電子書籍は、『紙魚の手帖Vol.24』(東京創元社 2024年8月8日初版発行)に掲載の「観覧車を育てた人」のみを電子書籍化したものです。『紙魚の手帖Vol.24』全ての電子書籍版ではございませんのでご注意ください。

レビュー

  • もっと読みたい。

    短編だから仕方ないのだけれど、もっと読みたい。私はこの世界の話をもっともっと欲している。 スピンオフください。 非常に精密に作られた異世界での話。 奇想天外で、かと言って読者がついていけないような世界でもなく、読むにつれ、このSFワールドが当たり前になった所での、想定外過ぎる結末は鳥肌がたち、涙もでた。 時間、舞台背景、歴史的背景、シチュエーション、様々なパーツをこれ以上ないくらいに上手く組み合わせ、奇想天外をとりまとめているのは圧巻。 あと、こちらの作品が生まれてから、タイトルが何度か変わっているけど、今の「観覧車を育てた人」というのが1番好きです。

  • 鉄と人

    ありえないものが丹念に書き込まれた日常にすっとディティールまで詳しく描かれている。ただ、成長する観覧車のイメージはこのぐらいの人生にはもったいない。

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