創元SF短編賞 そうげんエスエフたんぺんしょう
第16回(2025年)
SF短編小説
受賞者
2名二度の〈育鉄革命〉を経て、製鉄植物クロガネソウによる「育鉄」が普及した世界。九〇年代初頭の日本。科学雑誌のライター・小池は、故郷の金沢で廃業した遊園地を買い取り、ひとりで十年かけて観覧車を育て上げた男・八木光一郎に取材を申し込む。誰も乗らない観覧車をなぜ育てたのか。問われた八木は、クロガネソウ研究にまつわる意外な家族の歴史を語り始める。
製鉄植物が普及した90年代初頭。廃遊園地でひとり観覧車を育てる男がいた。
6ページ
架空植物SF育鉄廃遊園地家族史オルタナティブヒストリー金沢産業史
1996年 / 謎解きクリエイター / 金沢市
東京都在住。RIDDLER株式会社所属。周遊型謎解きイベントの制作なども行う。
誰もが頭の中に〈電化脳〉を持つことが当たり前となった近未来。県立高校の野球部三年・桐山は打席に立つと腕がこわばるイップスに悩んでいた。ある日、同学年の女子マネージャー・中村から意識交換アプリの使用を持ちかけられる。非認証ながら、見つめ合った者同士の意識を入れ替えられるというそのアプリで、中村は「自分が桐山に代わり打席に立つ」と申し出る。かつて非凡な才能を持ちながら女子の大会出場規定でマネージャーに転じた中村と、イップスを抱えた四番打者の桐山が、互いの「身体」を通して相互理解を深めていく青春SF。
誰もが〈電化脳〉と呼ばれるデバイスを備えたこの時代、日本では非認証のアプリを使えば意識の交換が可能になるという。
76ページ
近未来SF青春高校野球意識交換イップスジェンダー身体の境界相互理解
1986年 / 会社員 / 埼玉県
東京都在住。第10回ジャンプホラー小説大賞金賞受賞。応募時の筆名「斉藤千」から改名した。