日本の文学賞

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芸術選奨文部科学大臣賞 げいじゅつせんしょう もんぶかがくだいじんしょう

第30回(1980年)

演劇映画音楽舞踊文学美術放送大衆芸能芸術振興評論メディア芸術美術A美術B

受賞者

7名
長部日出雄 おさべ ひでお 受賞

青森の鍛冶屋の家に生まれた棟方志功が、柳宗悦や民芸運動、同時代の文学者や思想家との出会いを経て、世界的な板画家へ駆け上がる生涯を描く伝記小説。郷土の風土と芸術への衝動を重ね、棟方の奔放な創造力を人間像として立ち上げる。

青森から世界へ、棟方志功の内なる鬼が板画の道を駆け抜ける。

432ページ
棟方志功板画青森の風土民芸運動芸術家の生涯
伊藤信吉 いとう のぶよし 受賞
望郷蛮歌風や天

伊藤信吉の詩集。故郷へのまなざし、上州の風土、長い文学的記憶を背景に、風と天の広がりを帯びた望郷の詩情を展開する。

故郷の風土を見返す声が、老いた詩人の時間と重なって響く。

134ページ
望郷上州風土詩人の老境記憶
岡田譲 おかだ ゆずる 受賞
美と風土―名品・名匠との出会い

『美と風土―名品・名匠との出会い』は、美術史家・岡田譲が工芸や名品、名匠との出会いを通じて、日本の美と土地の結びつきを綴ったエッセー集。漆工史を専門とした著者の眼で、作品の質感、作り手の技、風土に育まれた美意識を読み解く。

名品と名匠へのまなざしから、日本の美を育てた風土をたどる美術エッセー集。

300ページ
日本美術工芸風土名匠美術評論
池田弥三郎 いけだ やさぶろう 受賞
池田弥三郎著作集

『池田弥三郎著作集』は、民俗学、芸能、伝承文学、古典研究、随筆を横断する池田弥三郎の仕事をまとめた全十巻の著作集。生活の中に息づくことばや芸能を手がかりに、日本文化の深い層を読み解く。

民俗と芸能の記憶から、日本文化の奥行きをたどる著作集。

民俗学芸能伝承古典日本文化随筆
早坂暁 はやさか あきら 受賞
修羅の旅して/続・事件 海辺の家族

早坂暁が1979年に手がけたテレビドラマ脚本群。『修羅の旅して』は、戦後に米兵から暴行を受けた女性の告訴、渡米、帰郷を通して、家族と故郷の冷酷な視線を描く。『続・事件 海辺の家族』は、漁村の殺人事件の奥にある家族の傷を、法廷劇として掘り下げる。

戦後の傷と家族の亀裂を、帰郷劇と法廷劇の二つの形で描く。

戦後家族故郷法廷テレビドラマ
滝沢修 たきざわ おさむ 受賞
アンネの日記/子午線の祀り

「アンネの日記/子午線の祀り」は、滝沢修が1979年から80年にかけて示した演劇上の仕事を指す受賞対象。劇団民藝『アンネの日記』では新演出を手がけ、『子午線の祀り』では阿波民部重能を重厚に演じ、戦後新劇を代表する俳優・演出家としての力量を示した。

演出と演技の両面で、滝沢修の新劇における成熟を示した受賞対象。

新劇演出演技劇団民藝木下順二
村野鐵太郎 むらの てつたろう 受賞
月山

森敦の芥川賞受賞作を原作に、月山山麓の雪深い寺でひと冬を過ごす青年の内面を描く映画。閉ざされた村の暮らし、文子との出会い、死と信仰の気配が、静かな映像の中で青年の変化として積み重ねられていく。

雪に閉ざされた月山の寺で、青年は生と死の境目に触れていく。

月山雪国の村信仰生と死森敦原作