日本の文学賞

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文藝賞 ぶんげいしょう

第61回(2024年)

中編長編

受賞者

2名
待川匙 まちかわ さじ 受賞

十年ぶりに帰郷した「わたし」が墓地へ向かう途中、死んだはずの幼馴染・キイちゃんの声を聞く。行方不明の母、謎めいた父、荒れた祖母——不確かな記憶が流れ込み、平凡な田舎が呪われた異界へと変貌していく。誰が存在し、語り手の性別すらも明示されない曖昧さの中で、パラノイアックな視点を高い文章技術で描ききった衝撃のデビュー作。

誰が存在し、誰が消えたのか——確かなことは何ひとつない。

112ページ
記憶家族帰郷幻想パラノイア
松田いりの まつだ いりの 受賞

職場では千倍規模の支払いミスを犯し、私生活では衣服の買いすぎで借金まみれ——ダメ社員の「ペンペン」は退屈な日常をひたすら妄想で乗り切ろうとする。言葉が現実を食い破り、壊れた私の壊れた言葉が壊れた風景を呼び起こす、超現実的な加速小説。俳優・仲野太賀との会話から生まれた衝撃作。

壊れた私の壊れた言葉が、壊れた風景を呼び起こす。

112ページ
労働退屈借金言語現実崩壊