日本の文学賞

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群像新人文学賞 ぐんぞうしんじんぶんがくしょう

第41回(1998年)

純文学

受賞者

4名
長田司 ながた つかさ 優秀作
水のはじまり

湧水川という川を舞台に、語り手の「わたし」が「ミル」と呼ばれる存在と出会いながら、水の流れや生命の根源を辿る抒情的な純文学作品。春の潮の香と川の情景が重なり合う中で、過去と現在、生と死の境界が揺らぐような幻想性を帯びた物語。

水がさかのぼっている。わきみずがわ春の微風が湧水川を吹き渡ってゆく。甘く饐えた潮の香が虚ろに漂ってくる。わたしはミルを見上げる。

水と生命の起源川と自然幻想と現実の境界純文学的抒情
鎌田哲哉 かまた てつや 当選作
丸山真男論

丸山真男の思想を批判的に検討し、その可能性と限界を問う評論。戦後日本の代表的知識人である丸山真男の政治思想・近代主義・民主主義論を、断罪と弁護の二項対立を超えて、将来への批判的継承として再検討する。

丸山真男政治思想戦後日本思想近代主義批判民主主義論
千葉一幹 ちば かずき 受賞
文学の位置――森鴎外試論

「文学の位置――森鴎外試論」は、千葉一幹が1997年の群像誌に発表した評論。森鴎外の文学を起点として、近代日本における「文学」という概念の成立と位置づけを批評的に問い直した論考。第41回群像新人文学賞(評論部門)受賞作。

森鴎外近代日本文学文学批評文学の概念近代性
日比勝敏 ひび かつとし 受賞
物語の外部・構造化の軌跡――武田泰淳論序説

武田泰淳の文学世界を「物語の外部」という概念から分析し、その作品構造を解明しようとした評論。1998年の第41回群像新人文学賞評論部門優秀作。

武田泰淳物語論文学構造分析戦後文学評論